Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

Hyper-G Evo➌部品配置設計

Hyper-G Evo回路が確定したので部品配置設計に進みます。 高機能電源メイン基板を製作する筆者自身が必要ですし、これから電源製作に挑戦する方の為に、高性能電源メイン基板と高機能基板の部品配置設計も必要です。 後日電源製作ブログINDEXに掲載します。

【県営住宅 昼】
時代と共に様々な物が姿を消してますが、木造棟割長屋公営住宅もその一つ、昭和30-代に規格品の様に全国に建設され、1990年代に相次いで姿を消し建て替えられました。 筆者が住む地区にも昭和50年代に建設された次世代の木造モルタル2階建て県営住宅がありましたが昨年廃止されました。 建て替え計画はなく公営住宅需要が下がってる様です。


2.部品配置設計
2-1.設計方針
筆者は加齢黄斑変性を患い、ボケはありませんが歪みと遠近感低下で半田付けが苦手になりました。 電源製作挑戦者には半田付け経験が少ない方や老眼で視力低下の方もいらっしゃると思いますので、できるだけ簡単確実に基板製作できる様に部品配置を工夫しました。

➊正常時/ショート時に1A以上流れてパターン溶断の可能性がある場所を除き部品足曲げ半田付けせず、半田で濡らすだけにします、35μm厚銅箔が0.2mmになれば5-6倍です。
➋回路ブロック間に空きラインを設け、パターン面からの位置確認を容易にします、ライン番号記載が小さくて良く見えない人への対策です。
➌部品足曲げ部を電極にして、電極用ジャンパー線数を減らします。
➍基板1枚に収める為、パターカット/ジャンパー線を使います。
➎筆者専用対策かもしれませんが使用しないパターンを剥離切除します。


2-2.高機能電源メインボード
最初は筆者が製作する高機能電源メインボード部品配置設計です。

【過去記事より転載】
上記1CH高性能電源の空きスペースに、ラッチ回路、ピークホールドコンパレータ方式保護回路を組み込む設計で、増える部品数と設計方針の両立がポイントになります。

左端にPL回路と9V電源回路、空きライン挟んで三角波発生回路、また空きラインを挟んでコンパレータ回路、上がピークホールド方式保護回路、下がPWM出力回路用です。 更に空きライン挟んで右端上がラッチ回路、下が出力回路の部品配置になりました。

【県営住宅 夜】・・・全戸在宅とは限らない。
パターンカットが5ヶ所、ジャンパー線をピークホールド/PLの2本使います、青印は基板から浮かして取り付ける部品です。 貫通空きラインは3本ですが、電流容量強化が集中するラッチ回路と出力回路は2SA1359足を1本飛ばし使用にして空きラインを作ってます。


2-3.高性能電源メインボード
マスコン/ブレーキ制御を市販電源と同じVR制御にした高性能電源メインボードです。

高機能電源メインボードとの相違点は左下のみ、速度計用9V電源回路を速度調整回路に置き換えてます。 2.7kΩ/10kΩ/33kΩ/470Ω(1/2W)の抵抗4品種設計で、43kΩ=10kΩ+33kΩにする為、左下にパターンカットが1ヶ所追加になってます。


2-4.高機能電源基板
高性能電源速度調整回路が高機能電源では別基板『高機能電源基板』になります。 高機能電源設計・製作関連公開記事は延伸線電源仕様4ノッチで記載しました。 湖南電源は5ノッチ仕様で部品配置が異なります。

双方製作経験から4ノッチにはほとんどメリットがありません、延伸線電源は4ノッチで進めますが、今後製作着手される方には5ノッチを推奨し、製作情報も5ノッチに統一します。


◆5ノッチロータリースイッチ加工
Hyper-G Evo関連記事だけで製作できる様に補足説明します。

マスコンロータリースイッチの背面です、5ノッチは部品購入状態で使います。 高機能電源で一番配線が錯綜する場所で、高機能電源基板との接続は6本です。 写真は4ノッチ仕様で5ノッチ化には変更が必要です。

いくら回路図があっても実物・実態配線図で説明しないと『どうしたら良いか解らない』は当然です。 湖南電源製作で解説したかどうか定かでないので、ここに記しました。

 

筆者は改造で済まし製作しませんが最終回路の部品配置です。 右端タップ回路は5ノッチ仕様でできた余裕で上下GND接続ラインを追加しました。 筆者が配線取付改造した加速回路抵抗も基板実装です。 右上湖南電源のノイズ対策100μFを追加してます。


これでHyper-G Evoメインボード製作準備が整いました、後はやる気次第ですな。


ではまた。

給水塔 何を作ってる?

クイズの様なタイトルで恐縮ですが、パーツ販売がなく欲しい物は自分で作るしかないのは昔も今も変わりません。 入手可能な材料で作る方法考える、これも楽しみの内ですね。

【生野駅給水塔】


◆タンクと屋根のウェザリング
塗装の終わったタンクと屋根のウェザリングを行いました。

【過去記事より転載】
絵画センスがないので、タンク本体のダークグリーンはヨシとしても少し暗目、一方屋根は明る目でバランスが悪いのが気になってました。

ウェザリングは屋根を暗目にトーンを落とし、タンクは白っ茶けた感じにして、使い込まれた雰囲気演出と両者を馴染ませる方向で行いました、まずはこんな処だと思います。


◆またまた何を作ってるのでしょうか?
給水塔部品製作と塗装が進み土台取付作業開始できる状態ですが、足場取付前にしかできない作業があり、それが今回のお題です。

➊樹木幹に使う百均調達の串を1本取り出します。
➋直径は2.8mmでした。
➌太い側を最初はヤスリで、最後はサンドペーパーで丸く仕上げます。
➍指先感覚の仕事でしたが、まずまず丸くなってます。

➊次に小型フライパンに水180cc、醤油・砂糖・調味料なしです。
➋古タオルを切ったキッチン用ウェスを3枚敷き着火します。
➌水が沸騰しウェス表面温度が100℃になりました。
➍0.3tプラ板をウェスの上に乗せ1分ほどして火を止めます。

加熱で柔らかくなった0.3tプラ板を、先に作った先端が丸い串で約30mm間隔で型押しし、終わったら冷たい水道水に浸けます

なにしろ『こうすればできるかも』のぶっつけ本番で、右側突出量大きい部分は使えそうでも左側はNGです。 押し方同じでもプラ板のわずかな温度差が差の原因と思われます。

突出量の大きい使えそうな部分だけ切り出し凹面底に0.7mm穴を空けてから黒サフを吹き、乾いたら凸面にも黒サフを吹きます。 次に凹面に白サフを吹き重ねます、左が作業終了後の凸面、右が凹面です。

凸面から3mm穴空けポンチで突出部を抜くと小さな傘ができました。

で、秋月のリード付きチップLEDの登場、もうお解りですね白熱電球街灯の傘を作ってたのです、黒サフは遮光塗装、白サフは傘の反射面です。

当社季節設定は晩秋、早朝や日没後給水作業はヘッドランプやカンテラ頼りも可能ですが、両側機関庫と詰所には照明があり、給水塔周辺にも灯りがあって不思議ではありません。 足場階段登り口と給水口付近2ヶ所に設置します、給水バルブハンドルは照明側です。

こんな細かな作業無理と嫁さんに笑われながら通してもらい写真見てアリャリャ、これじゃ絶対ショートして点灯しません。 穴2つでポリウレタン線半田上げ少ないLED選別しないと白熱球傘式は実現できません。 工作勘が鈍ったかも、1stトライは失敗ですがアイディアは使えるので仕切り直しで再チャレンジです。 先に土台準備加工を行います。

➊土台と足場間2mmに柱を建てるので正確に土台端から9mmラインをケガキます、ユニバーサル基板を切り出し採寸すると、基板端から2列目穴が6mmで非常にラッキーでした。
➋土台裏に基板収納スペース用3mmプラ角棒を接着しました。
➌プラ角棒に沿わせて穴位置合わせユニバーサル基板接着、LED用10kΩを3mmに収める為基板からせり出して半田付けしてあります。
➍ユニバーサル基板穴は0.8mm、垂直に注意して1mmドリルで土台貫通、狙い通りの位置です。 0.9mm真鍮パイプならこのまま、1.2mmパイプなら広げて柱を建てます


◆給水口ハンドルでスッタモンダ
自己採点40点落第点の給水口ハンドル、何とかならん物かと手を加えました。 円盤に穴が空いただけでハンドルらしく見えないのは把手がないからではないかと考えました。

➊5mm打ち抜き0.5tプラ板を4mmポンチで打ち抜き0.5mmリング作成は無理でした。
➋6mmから4mmなら多少偏心しても打ち抜きできました。
➌これを気長に削って把手リングを作成しました。
➍ハンドル円盤部に接着すると多少ハンドルらしくなりましたが40点が55点程度です。

これ以上無理とハンドルを赤鉄色で塗装し、給水ホースを取り付けましたがどうにも気に入りません。 完成後撮影でハンドルの雑な作りが写らない様に気を病むのは嫌です。

作り直しを決め、工法考えて2回失敗、3回目にようやく70点レベルのハンドルができました。 失敗した2回は当然成功する気で写真撮影してたので丸3日回り道になりました。

➊重ねた失敗でリング作りのウデが上がってきました(笑)
➋0.5tプラ板中央に0.7mm穴、4方向に2mm穴を空けます、ケガキ線見えないしので山勘です、90度毎4方向のつもりで空けましたがズレてます。
➌小丸ヤスリで穴を拡げながら整形します。
➍で、リングを接着します。

ここまで拡大するとアラも目立ちますが、十分ハンドルに見える部品ができました。 穴空けポンチ打撃によるプラ板のメクレ修正しても残り、それが立体感を出してくれました。

0.7mm穴を0.9mmドリルで軽くサラって1mmネジをタッピング挿入、赤鉄色塗装して取り付けました、『ハンドルのつもりらしい物』が『ハンドル』になり、アングル気にせず撮影できます。 仕掛かった照明取り付けない事には給水塔組立ができません、はてさて。


ではまた。

Hyper-G Evo➋回路確定実験

究極のHyper-G電源を延伸線配備し、大の苦手になった基板製作を行う事になりました。

【倉元駅舎ホール】
筆者が最後に鉄道小荷物(チッキ)の受け取りに行ったのは1970年代後半、武蔵溝ノ口駅でした、荷物が何だったか記憶がありません。


1-6.加速回路決定実験
部品配置設計を行うには回路確定が必要で、湖南電源で改修した加速特性確認実験を行いました。 湖南電源と延伸線電源の同条件比較です。

470Ωダミー負荷を繋ぎ、常点灯1.2V調整で車種選択SWはEC/DCモードです。 湖南電源と延伸線電源のノーチ1-4は同仕様で、タップ回路の6/7/8/9V、湖南電源はノッチ5として11Vを追加したのが仕様差です。

同時試験ではありませんが両電源データ比較です。 延伸線電源は常点灯VRを10kΩに変更前、出力回路Toff改善するショットキーダイオード未装着なのでツマミ位置が違います。

ブレーキオフ、ノッチ4オン20秒後です。 湖南電源が約70km/h、加速率3.5km/h/秒と最新JR電車の最も加速率の高い車両並みですが、延伸線電源は更に1.3倍以上高加速率です。

35秒後で差は一気に圧縮します、延伸線電源はスタートダッシュが早いが、コンデンサ充電特性で飽和するのも早いのが差圧縮の原因です。 何でこうなってるのか考えました。


湖南電源検収試験で『ノッチ3以上は使えない』と指摘されるまで、ノッチ1で発進し次第に1⇒2⇒3⇒4と進める用法を想定してました。 20秒後と35秒後の速度差23km/hは加速率1.5km/h/秒なので、100km/h前後高速域加速はノッチ4が使えると考えたと思われます。

ちなみにノッチ1の20秒後は35km/hでした、1.75km/h/秒の加速率は当時のDC加速率として納得できる数値です。 機関車モードは25km/h、1.25km/h/秒でOKだと思います。

ノッチ2の20秒後は50km/hで、旧型DC発進ノッチとして使えないほど高加速率です。

ノッチ3の20秒後は70km/hで、湖南電源ノッチ4と同じですが、20秒間の変化特性がかなり違います。 延伸線電源はロケットスタートし、飽和しながら70lm/hに到達してます、この特性では最新型俊足車両にも加速率が高過ぎて使えません。 計測データ作図設計の弊害が出てる様で、やはり実際に走らせた感覚評価が重要だったと反省してます。

湖南電源ノッチ4飽和は5分後で160km/h強でしたが、延伸線電源の飽和は充電時定数が小さいので早く2分でした。 飽和時速度計表示は125km/hと22%も低い値です。 湖南電源は速度計校正VR調整を行ったのに対し、延伸線電源は何もしてないのが原因の様です。

湖南電源ノッチ4最大出力電圧は8.12V(メインCH)、8.21V(サブCH)でしたが、延伸線電源も8.18Vと同じでした。 従って速度計校正VRを飽和時160km/hに調整すると、速度計上の加速率は更に29%増加し、湖南電源同様の33kΩ⇒76kΩ変更は必須だと思います。


延伸線電源Hyper-G Evo化はメイン基板製作、高機能基板は原状品改修使用が前提です。 33kΩ⇒76kΩには33kΩと10kΩを直列に追加する必要があります。 そこで・・・。

33kΩと10kΩ抵抗リード線を直列に半田付けしました、これを基板外に取り付けます。

ロータリースイッチから加速回路R67 33kΩを繋ぐ配線を外して抵抗2本を挿入、絶縁テープ巻いた上を熱収縮チューブで覆いました。 改修後の速度計表示特性を確認します、理論的には改修前特性の時間軸を76/33、2.3倍伸ばした特性で湖南電源と同等になるハズです。

ノッチ4オン20秒後は92.3km/hが51.5km/hと56%表示になりました、湖南電源69km/hの75%です。 改修前はノッチ4オン後8.7秒でこの速度に達しており、5.9k/h/秒の非現実的高加速率だったと解ります。

35秒後は115.2km/hが84km/hと73%表示になりました、湖南電源111km/hの76%です。 20-35秒間で飽和する改修前の傾向は薄れ、湖南電源の変化特性に近くなってます。

50秒後に102.7km/h表示になりました、湖南電源出荷時計測1値32km/hの78%です。 2台並べて計測ではないので時間誤差が含まれますが、湖南電源と同じ傾向を示してます。

表示が飽和して安定するまで2分が5分になり127km/h表示になりました、改修前125.2km/hと同等なのは理論通りです。 飽和値も湖南電源161km/hの79%です。 同じ加速回路で75%⇒79%と高速側ほど比が広がるのは出力回路Toff改善で常点灯調整変化の影響です。

計測結果を図示すると、延伸線電源は発進時加速率が高過ぎ、また加速率変化が急激で使い難く、湖南電源/延伸線電源改修仕様の方が実感的で、かつ使い易いのが良く解ります。

以上の実験結果から加速回路充電抵抗は76kΩに決定しました。 量産品なら33kΩ⇒75kΩの変更だけですがHyper-G Evoは自作電源として部品品種を極限まで絞り込んでるのて2部品追加になります。 抵抗4-5品種の電源設計なんて我ながら良くやったと思います。


ではまた。