Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

Hyper-G Evo➋回路確定実験

究極のHyper-G電源を延伸線配備し、大の苦手になった基板製作を行う事になりました。

【倉元駅舎ホール】
筆者が最後に鉄道小荷物(チッキ)の受け取りに行ったのは1970年代後半、武蔵溝ノ口駅でした、荷物が何だったか記憶がありません。


1-6.加速回路決定実験
部品配置設計を行うには回路確定が必要で、湖南電源で改修した加速特性確認実験を行いました。 湖南電源と延伸線電源の同条件比較です。

470Ωダミー負荷を繋ぎ、常点灯1.2V調整で車種選択SWはEC/DCモードです。 湖南電源と延伸線電源のノーチ1-4は同仕様で、タップ回路の6/7/8/9V、湖南電源はノッチ5として11Vを追加したのが仕様差です。

同時試験ではありませんが両電源データ比較です。 延伸線電源は常点灯VRを10kΩに変更前、出力回路Toff改善するショットキーダイオード未装着なのでツマミ位置が違います。

ブレーキオフ、ノッチ4オン20秒後です。 湖南電源が約70km/h、加速率3.5km/h/秒と最新JR電車の最も加速率の高い車両並みですが、延伸線電源は更に1.3倍以上高加速率です。

35秒後で差は一気に圧縮します、延伸線電源はスタートダッシュが早いが、コンデンサ充電特性で飽和するのも早いのが差圧縮の原因です。 何でこうなってるのか考えました。


湖南電源検収試験で『ノッチ3以上は使えない』と指摘されるまで、ノッチ1で発進し次第に1⇒2⇒3⇒4と進める用法を想定してました。 20秒後と35秒後の速度差23km/hは加速率1.5km/h/秒なので、100km/h前後高速域加速はノッチ4が使えると考えたと思われます。

ちなみにノッチ1の20秒後は35km/hでした、1.75km/h/秒の加速率は当時のDC加速率として納得できる数値です。 機関車モードは25km/h、1.25km/h/秒でOKだと思います。

ノッチ2の20秒後は50km/hで、旧型DC発進ノッチとして使えないほど高加速率です。

ノッチ3の20秒後は70km/hで、湖南電源ノッチ4と同じですが、20秒間の変化特性がかなり違います。 延伸線電源はロケットスタートし、飽和しながら70lm/hに到達してます、この特性では最新型俊足車両にも加速率が高過ぎて使えません。 計測データ作図設計の弊害が出てる様で、やはり実際に走らせた感覚評価が重要だったと反省してます。

湖南電源ノッチ4飽和は5分後で160km/h強でしたが、延伸線電源の飽和は充電時定数が小さいので早く2分でした。 飽和時速度計表示は125km/hと22%も低い値です。 湖南電源は速度計校正VR調整を行ったのに対し、延伸線電源は何もしてないのが原因の様です。

湖南電源ノッチ4最大出力電圧は8.12V(メインCH)、8.21V(サブCH)でしたが、延伸線電源も8.18Vと同じでした。 従って速度計校正VRを飽和時160km/hに調整すると、速度計上の加速率は更に29%増加し、湖南電源同様の33kΩ⇒76kΩ変更は必須だと思います。


延伸線電源Hyper-G Evo化はメイン基板製作、高機能基板は原状品改修使用が前提です。 33kΩ⇒76kΩには33kΩと10kΩを直列に追加する必要があります。 そこで・・・。

33kΩと10kΩ抵抗リード線を直列に半田付けしました、これを基板外に取り付けます。

ロータリースイッチから加速回路R67 33kΩを繋ぐ配線を外して抵抗2本を挿入、絶縁テープ巻いた上を熱収縮チューブで覆いました。 改修後の速度計表示特性を確認します、理論的には改修前特性の時間軸を76/33、2.3倍伸ばした特性で湖南電源と同等になるハズです。

ノッチ4オン20秒後は92.3km/hが51.5km/hと56%表示になりました、湖南電源69km/hの75%です。 改修前はノッチ4オン後8.7秒でこの速度に達しており、5.9k/h/秒の非現実的高加速率だったと解ります。

35秒後は115.2km/hが84km/hと73%表示になりました、湖南電源111km/hの76%です。 20-35秒間で飽和する改修前の傾向は薄れ、湖南電源の変化特性に近くなってます。

50秒後に102.7km/h表示になりました、湖南電源出荷時計測1値32km/hの78%です。 2台並べて計測ではないので時間誤差が含まれますが、湖南電源と同じ傾向を示してます。

表示が飽和して安定するまで2分が5分になり127km/h表示になりました、改修前125.2km/hと同等なのは理論通りです。 飽和値も湖南電源161km/hの79%です。 同じ加速回路で75%⇒79%と高速側ほど比が広がるのは出力回路Toff改善で常点灯調整変化の影響です。

計測結果を図示すると、延伸線電源は発進時加速率が高過ぎ、また加速率変化が急激で使い難く、湖南電源/延伸線電源改修仕様の方が実感的で、かつ使い易いのが良く解ります。

以上の実験結果から加速回路充電抵抗は76kΩに決定しました。 量産品なら33kΩ⇒75kΩの変更だけですがHyper-G Evoは自作電源として部品品種を極限まで絞り込んでるのて2部品追加になります。 抵抗4-5品種の電源設計なんて我ながら良くやったと思います。


ではまた。

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