Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

第8回鉄道写真コンクール入選作

1963年に行われた鉄道写真コンクールの入選作の発表です。 撮影日と掲載号からすると、応募〆切が7月末、審査結果発表8月末の様です。 毎年続いてるとしたら、今年69回目になりますがどうなのでしょう。

60年間で写真はアナログからデジタルへ激変、被写体も大きく変化し、評価基準も少しづつ変わってるかもしれませんが、本質は変わってないと思います。 特選1作、推選5作、入選多数が掲載されてますので、推選が特選に次ぐ秀作に相当する評価だと思われます。


★特選『朝を走る』1962.12.25

1963年の最優秀作品で、東北本線陸奥市川駅付近の下り急行『十和田』です。 陸奥市川は尻内(現八戸)青森方隣駅、『十和田』は尻内6:49発なので朝7時前の撮影です。 1年で一番日が短い季節、ようやく顔を見せた朝日の旧客車体/窓の反射が何とも言えません。 快晴でなく曇天で雲間からの朝日もまた良いです。 牽引機は青森のC60ではないかと。


★推選『雨の構内』1963.07.11

雨に濡れたレール/構内通路/踏切が構内灯の光を反射し、右奥が駅構内で左端には詰所の灯りが見えてます。 構内駐機車両のディテールは全く解らず、架線があるので電化区間とだけ解ります。 雨の夜のしっとり落ち着いた雰囲気が魅力の1枚です。 この作品は信越本線横川機関区撮影で、シルエットのいくつかはED42です。


★推選『雪晴れの朝』1962.02.18

飯山線桑名川駅の撮影です、混合列車の先頭はC56です。 雪深い小駅ホームに佇む5-6人は旅立つ人の見送りなのでしょう。 一方手前のご婦人と曇りを拭った窓越しに見つめ合ってるのは誰なのでしょう。 受験に向かう我が子?、物語性に富んだ1枚です。


★推選『雪の構図』1963.01.24

北国かと思いきや湯前線川村-東人吉間、鹿児島県での撮影です。 切通しの古風なレンガ橋の下を往くキハ、10cm前後の積雪で線路は雪に埋まってます。 レンガ橋上の車で道路橋と解ります。 連写機能などない機材での撮影、正に一瞬のタイミングです。


★推選『機関区暮色』1962.08.01

水戸機関区の撮影で、C57とD51が被写体になってます。 傾いた夕暮れの陽光が蒸機ボイラーに照り返し、薄い靄の様に立ち込めた煙が、機関庫建屋群を霞ませてます。


★推選『荒れた川』1962.10.16

陸羽東線東鳴子付近の撮影です。 長いガーダー橋を渡るC58単機です、後ろの山は栗駒山でしょうか。 煙の様子から逆推進回送の様です。


当時の撮り鉄さんにとって鉄道写真コンクールは公的評価を得る場だったのでしょう、SNSやブログ等、自ら発信する手段がなかった時代です。 以下1回では無理なので、入選作の一部を紹介します、写真は素人レベルですが、特選/推選/入選の差は明らかに感じます。


★入選『山間の終着駅』1962.11.23

岩徳線河田駅での撮影で、翌年錦町まで延伸開業される前は終着駅でした。 縦長の構図が山の深さを印象付ける1枚です。


★入選『甲斐駒の見える道』1962.12.09

写真見ただけで特徴ある甲斐駒山容から中央本線小淵沢付近と解りました、60年やそこらで地形は変わりません。 D51重連の貨物列車で長年の疑問が氷解しました。 電化前甲府-上諏訪間の主役はD51、25‰連続勾配で重連だったハズなのに証拠がなかったのです。


★入選『雨の作業』1963.06.06

東海道本線近江八幡駅の撮影で、雨の中で10人ほどが保線作業をしてます。 軌間ゲージ使ってるので狂いが発生したのでしょうか。 交通大動脈での昼間作業、見張り役の笛で頻繁に作業中断したでしょう。 鉄路を陰で支える人達への温かい視線が感じられます。


★入選『雪の会津線』1963.03.01

会津宮下駅でのC11同士列車交換風景です。 停車中列車通票発行の為、ホーム端で左腕を挙げてタブレット受け取り態勢の駅員、構内進入の絶気運転で煙を吐いてないC11、現在は無人駅化され見る事ができなくなったローカル駅の日常風景が懐かしく思い出されます。


★入選『終着駅』1963.06.18

関西在住の高齢者は『昔の阪急梅田駅だ』とすぐ解る方も多いと思います、ホームを見下ろせる場所もお解りでしょう。 混雑する私鉄ターミナル駅では、狭いホーム幅で大量の乗客を捌く為、、櫛刃状ホームで降車/乗車専用ホームを分けるのが昔から普通でした。


★入選『水辺にて』1963.03.19

日豊本線大淀川橋梁での撮影です。 列車は回送列車で、牽引機C58が機廻しして逆推進運転で車両基地へ向かう姿を捉えた様です。


★入選『列車到着』1963.02.19

芸備線備後落合駅での撮影です、上り836レですから広島方からの列車です。 ホーム2面3線の木次線分岐駅で、左手に駐泊所機関庫が見えてます。 昨年60年後の姿を見てます。

【過去記事より転載】
木造機関庫は朽ち果てても、その手間にあった転車台は赤錆びたまま放置され、給炭台のコンサート部分だけ残ってました。 今回はここで一旦切ります。[続く]


ではまた。

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