Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

湖南電源⑫配線と動作確認

着手した延伸線建設進めたいのですが、納期の迫った湖南電源片付けないと落ち着かず、ケース組立完了したので回路配線へ進みます。


◆配線
高機能基板取付操作部配線はできてますが、メイン基板と高機能基板接続を始め、電源機能発揮には多くの配線が必要で、数が多いメインCHから着手します。

最初に速度表示出力端子を橙丸で接続延長し、速度計計測入力端子黄丸へ半田付けしました、これで高機能基板と天板操作部接続が完了です。

底板にメイン基板取付用穴を空け、5mmスペーサを介しメイン基板を取り付けます。 両基板を仮止めして3mmプラ角棒で接着し一体化しました。 これで底板から外しても1枚の基板として扱え配線作業が容易になります。

まずパワースイッチからの電源入力配線をポリスイッチ足リングと基板GND耳にからげ半田消しました。
GND線2本を縒って半田上げしGND耳に半田付け、短い方は高機能基板GND端子に半田付け、長い方は9V出力と1本にまとめます。
9VとGND線は6Pコネクタの9V/GND線を必要長に切って縒り上げ半田付けします。
これを速度計電源端子に半田付してメイン基板と高機能基板を接続します。

次に6Pコネクタ12V線(黄色)を必要長に切り、余りと縒り上げ半田付けします。
縒り上げ部をメイン基板裏側電流容量強化12Vラインへ、もう一方を高機能基板電流容量強化12Vラインに半田付けします。
6PコネクタVcomp(緑色)を必要長に切り、メイン基板A CH Vcomp耳にからげ半田付けします、余りをB CH Vcomp耳にからげ半田付けしました。
B CHに半田付けした先を高機能基板Vcomp出力にからげ半田付けしました。 この高機能基板は耳なしですが、Vcompがバッファ出力で、マイナス入力と出力のジャンパー線が耳の役割を果たしてくれました。

6Pコネクタの電源出力をVcompを接続したACH出力に半田付けします、ACHがサブ、BCHがメインになりました。
BCH出力に3A容量線を半田付けします。
その反対側をメインCHディレクションスイッチに半田付けします。
最後の配線はパイロットランプ、GNDとメイン基板耳にからげ半田付けです。


◆ミニ電気講座:配線注意事項
湖南電源の配線継ぎ足しを見て長くしとけば良かったじゃんと感じた方も居ると思います。 スペース制約もありましたが短くした理由はそれだけではないのです。

6Pコネクタは[電源出力][電源GND][12V][9V][Vcomp][回路系GND]の6本です、GNDが2本、テスター計測すれば0Ω、1本でも動作はします何故でしょう?


PWM電源は12V/20kHz大電流で発振してます、帰り道GNDを1本にすると他ラインにノイズが乗り誤動作等の悪影響を与えます。 専門用語でコモンインピーダンスによるノイズ重畳防止目的で分けてます、勿論長さが短い方が有利です。

【『電源組立⑦』より転載】
この考え方は延伸線用にも適用しリボンコード採用で6本にしました、しかし別の問題が発生しました、ルーズカップリングによるノイズ重畳です。 解り易く言えば電源出力+がノイズ送信アンテナ、Vcompが受信アンテナになったのです。

【『電源組立⑦』より転載】
その時の波形でVcompだけでなく三角波先端にも影響があり速度調整段付き問題が発生しました。 オペアンプバッファで低インピーダンスVcompでこの状態、数十kΩプルダウンArduino制御端子なら盛大にノイズが乗るでしょう。

【『電源組立⑦』より転載】
対策は0.1μFパスコン、パスコンは入力端の原則に従い、コンパレータ入力に0.1μFを追加し正常動作する様になりました。 つまり高周波回路は見えない部分に回路が存在し、回路図同じでも配置配線により性能が大きく変わります。


従って、フィーダー線とArduino制御線を束ねてクランプするモジュールでやり勝ちな事は避けるべきであり、誤動作発生したら制御線入力端にパスコン追加等の対策が有効です。 以上配線に係るノイズ誤動作防止のミニ電気講座でした。


◆動作確認
それぞれ単体動作確認済みですが、まずは非通電試験から、配線に係るショート等はないとテスターで確認しました。 で恐る恐る電源オン、でも何だか様子が変です、高機能電源まとめページ記事を読み返し設計プロセスを辿りました。

そして高機能電源まとめページに収録すべき以下2記事が落ちてる事に気付きました。
◆ドツボにハマリ苦しい選択(滝汗)
◆一難去ってまた一難 道は険し
この記事に従い未適用だったVcomp発振対策100μFと速度計合わせ込み100kΩを追加しました。 後述する問題を発見しましたがとりあえず性能評価します。

常点灯調整最大値約3V、速度表示は00のままです、1.5Vにセットします。 ブレーキOFFしマスコンノッチ1で加速、出力6.2V飽和でOKです。 この時EC/DC速度表示は96km/h、ギヤ比差補正したLOCOは73%の70km/hでコレも設計通りです。


マスコンOFFで惰行になりゆっくりと出力電圧低下、ブレーキボリュームスイッチをカチッと入れると低下速度が少し早くなり、更に回してブレーキ機能正常を確認しました。

ブレーキOFFし、マスコンノッチ2で加速、出力7.1Vで飽和、経過時間はノッチ1と同じなので加速率が高くなります。 EC/DC速度表示は116km/h、LOCOは84km/hで比73%は同じです。 書き遅れましたがこの試験は抵抗ダミー負荷なのでモーター負荷走行条件では約0.3V出力電圧が低下しますが、表示速度はVcomp計測なので変わりません。

停止からブレーキOFFし、マスコンノッチ3で加速、出力8.0Vで飽和、経過時間はノッチ2より短いのでスタートダッシュの良い加速率になります。 EC/DC速度表示は136km/h、LOCOは99km/hで比73%は同じ、実用的に十分な最高速度です。

ノッチ4ぼ飽和時間はノッチ3より更に短いので加速率は更に高くなります。 出力9.0Vで飽和、EC/DC速度表示は157km/h、LOCOは114km/hで比73%は同じです。 加速して目標速度到達したらノッチOFFし惰行する使い方が主になると思います。

ノッチ5は10.8Vで飽和、急加速兼高速運転用で、実際より低速表示速度計加速率は毎秒7km/h、短距離アスリート山手線E353系の倍に達します。 LOCO速度表示142km/hは正常ですが、EC/DCの173km/hは194km/hになるハズで比82%になってます。


計測上限値付近で表示異常するほどチャチなメーターではなく原因不明ですが、究明せず許容します。 速度計は雰囲気盛り上げ機能ですし、在来線非現実的速度域ですから。


◆残された課題
その他の動作試験で納入前に解決すべき課題がいくつか見つかりました。


A.蒸機常が点灯が(多分)できない
動作確認試験で安定発振最低常点灯電圧計測結果は1.1Vでした。 同条件のオリジナルHyper-Gは0.8V、モーター負荷時は逆起電力で0.5Vに下がり0.8Vで走行開始するKATO製コアレスモーター蒸機常点灯可能でした。

【0.7V常点灯】・・・過去記事より転載
抵抗負荷1.1Vはモーター負荷換算で0.8V、不安定出力でチラチラの後、常点灯と同時に走行開始します。 原因は1.2A⇒1.3A化で出力トランジスタベース電流増やした事で、どうするか『がおう☆』さんと相談します。


B.出力ショート試験で出力トランジスタ軟破壊?
前項が性能上の課題ならこちらは信頼性の課題です。 脱線して出力ショートは想定範囲内で、保護回路動作確認含めノッチ5飽和電圧の最悪条件で試験しました。 保護回路動作でパイロットランプ赤表示、ショート解除で復帰しました。

その後動作確認試験で正常動作してましたが、突如出力が異常になり調べると出力トランジスタ異常でした。 保護素子ポリスイッチトリップ電流は2.7A、最大出力ショート試験で瞬時消費電力約30W、放置すれば発煙・焼損レベルです。 最大出力ショート試験しか思い当たりません、起こり得るケースなので何らかの対策が必要です。


C.速度計(時々)表示異常
出たり出なかったり幽霊の様な現象に手を焼いてます。 正常動作してたと思うと突如-1のオーバーレンジ表示なり電源ON/OFFで復帰したりしなかったり、どうやらこれも半導体デバイス特有の軟破壊の可能性大、電流計追加手配予定です。

【異常表示中】・・・正常時は00表示
常点灯機能実現の為に特殊電圧計を使用しており、電源GNDと計測端子-を接続してはならないと注記してあります。 通電中常点灯電源とGNDショートすればその条件になりますかそれはやってません。


考え得るのは常点灯ゼロ調整、通電し一旦調整ボリュームゼロ(0V)にしてから常点灯電圧発生しないポイントに合わせ込みます。 でも、オペアンプバッファ入ってるから直接接続ではないし、飽和電圧残ってて完全0Vでもない。 テスター正常動作なので電圧計疑うしかない、としたら¥1,000のメーター破損3個目になります、トホホ。


ではまた。

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