Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

異例づくめの御柱祭

寅年と申年、数えで7年目毎は御柱祭開催年です、その歴史は平安時代から千年と言われてます。 その地域伝統行事が今回は異例づくめです。

【木落し坂上】・・・過去記事より転載
前回の御柱祭は平成28年、拙ブログ開設直後でその様子を紹介してます。 開催の前年から準備が始まり、御柱用材を決める『見立て』や『伐採』は昨年参加人数を大幅に絞って実施されましたが、その後の準備がコロナ禍で会合が持てず、ほとんど進みませんでした。

【2016年1月2日早朝本宮】・・・過去記事より転載
筆者は前回/前々回共に正月二日早朝から、どの地区がどの柱を牽くか決める1ヶ月後の抽選式に向け、上社本宮へ祈願に出掛けました。 各部落10-15人、地区で300-400人集まり抽選総代を応援し、地域の団結を深める場でしたが、今回は12月初旬に中止が決定しました。

【伐採され祭本番を待つ上社8本の御柱】
年が明けてからもその後の日程の話が何も出てきません。 2月上旬の抽選式で本宮三の御柱担当と決まりましたが、第6波の先行きが見通せず時間だけがいたずらに過ぎました。

【2016年『山出し祭』の様子】
御柱祭は、八ヶ岳山麓から上社1kmほど手前の御柱屋敷まで長距離を氏子が力を合わせて牽き、途中に木落し坂や川越しがある勇壮な『山出し祭』を4月上旬3日間、御柱屋敷から上社本宮/前宮まで牽いて御柱建立を行う優雅な『里曳き祭』を5月上旬に行う2部構成です。


通常なら曳行担当柱が決まった2月下旬に実施される綱打ちの日程が、第6波蔓延防止等重点措置延長発令で決まりませんでした。 山出し祭実施可否判断ギリギリのタイミング2月末に中止が決定し、8本の御柱は通常と異なるルートで4月2日トレーラー搬送されました。 

【綱打ちの様子】
曳行用綱は御柱から1番・2番・・・と次第に細くなり、『山出し祭』と『里曳き祭』で各地区担当綱が変わります。 従って双方の祭用に太さの違う綱を2本打ちます。 3月21日まで延長された蔓延防止等重点措置後では遅過ぎるので、3月13日に綱打ちが行われました。


2週間前からの検温やワクチン接種歴記録提出など物々しい雰囲気で、当地区参加予定者2人が当日になって濃厚接触者で参加できなくなったり、祭りに係る行事参加は全て氏子の奉仕、終了後に労を労い懇親を深める直会(なおらい)も中止される異例の綱打ちでした。

【使われない山出し祭用綱】
山出し祭が中止されたので山出し用曳行綱は不要ですが打ちました。 氏子の務めを果たし上社へ奉納するのです。 また、各地区世代間で綱打ち技術を伝承する目的もあります。

【当社従来線 御柱の建つ小さな社】
本来なら今頃は今回デビューする18.19若者衆のメド乗り練習等、週末毎に行事が行われる時期です。 3月21日で長野県の蔓延防止等重点措置は解除されましたが連日3桁の新規感染者が発表されてます。 『里曳き祭』は予定通り開催する前提で準備を進めてますが、果たしてどうなる事やら、役員だけで御柱建立となる可能性も高くなりつつあります。 


ではまた。

湖南電源 完成送品

足掛け4年に及んだ大仕事『湖南電源製作』がいよいよ完結です。

【小川を渡る急行】
この表紙替わり画像も今回が最終回です。


7.送品に係る作業
7-1.ケーシング
検収試験NGで返送されてから湖南電源メインCHの蓋は開けっ放しでした。 設計意図通り動作しない安全性保証回路をあーでもないこーでもないと弄り回してたからです。 空いた蓋がらプレッシャーを受けてました、ようやく閉める事ができ感慨深いものがあります。 

ピークホールドコンパレータ方式パッチ回路は安全性保証回路基板とほぼ同じサイズで5本の配線で接続されてます。 2階建て実装する為に安全性保証回路基板止めネジを外し10mmスペーサーを取り付けました、長ければ3mm前後短縮する前提で考えてました。

前写真からパッチ回路基板を180度回転させて乗せナットを締めました。 特に癖付けしなくても5本の配線は基板間に収まってくれました。

2階建てになった追加基板は電源ケース内で速度計と完全オフセットし、ブレーキVRと対向してます。 寸法計測すると5mmほど余裕がありましたが、写真上電源出力ジャックコードに干渉気味で、ケース組立に支障はありませんが、逃げた方が良いと判断しました。 

スペーサーを一旦外し10mmを7.5mmに切断、基板間隔が狭くなるので念の為絶縁テープを貼って再組みしました。 電源出力ジャックコードの抵抗感なく組める様になりました。

サブCH6Pコネクタを挟み込み、ビス6本で裏ブタを締め完成した湖南電源メインCHです。 速度計下のロゴプレートは客先から提供された画像データを元に作成してます。

背面右に12V電源入力ジャックとその上に電源SW、中央下に電源出力、左にディレクションSWを経由しない電源出力ジャックがあります。 湖南総合運転所にはリバース線が2ヶ所ありますが、いずれも一方通行なのでディレクションSWなし出力で運転可能な制御設計をしてます。 なお背面上部に14個、底に28個の放熱穴が空けてあります。


7-2.出荷前検査
本来なら拙レイアウト上で試験運転するべきですが、レールクリーニングだけで1日仕事、それにトンネルも多く連続して走行状態観察もできず、感覚的評価しかできません。 個別要改善項目確認は済んでるので、メイン/サブCH差を中心に出荷前検査を行いました。

無負荷では実使用条件とかけ離れてしまうので、確認の意味も含めてディレクションSWを経由しない電源出力ジャックコードの先に47Ω/10Wセメント抵抗をダミー負荷に接続しました。 12Vで0.26Aですから機関車単行運転より若干少ない消費電流に相当します。

通常モーターのEC/DC想定で常点灯1.2Vに調整しました、両CHで波形に若干の違いはありますが、共にパルス幅3.5μsecの綺麗な出力でした。

これが常点灯1.2V調整時の両CH、常点灯は停車中なので速度計はゼロのままです。 双方の常点灯ダイヤル位置は0.3目盛りしか違わずOKです。 ここでブレーキオフしノッチオンで速度計上昇と出力電圧が揃ってるか確認します。 新型EC想定でノッチ4にしました。

両手でブレーキオフ、ノッチ4切替してから一呼吸して10秒セルフタイマー撮影なので最初の計測は20秒後でした。 約70km/hに達しており3.5km/h/秒は最速EC並みの加速です。

次はその15秒後ノッチ4オンから35秒後です。 更に40km/h増速、加速率は鈍ってますが2.7km/h/秒は最新型EC並みで、高加速車両でも発進はノッチ3までだと思います。 蒸機/やDLはノッチ1発進、DCやELはノッチ2発進で次第にノッチアップする使用法になります。

次の15秒は飽和に近付き加速率1.4km/h/秒とグッと緩やかになります。 両CHの速度計動作が揃ってる事はこれで確認できましたが、その後もダラダラと速度上昇が続きます。

ようやく飽和したのは5分後160km/hに達しました、実用域外です。

最高速飽和時の両CH出力波形と出力電圧です、デューティー約77%PWM波で出力電圧は8V強、速度計表示に合わせ出力電圧も揃ってました。 写真省略しますが、ノッチオフすると惰行モードで次第に速度低下し、その低下の仕方も両CH同じ事を確認しました。


惰行モードからブレーキMaxで速度ゼロ、常点灯VR Minにして出力をショートします。 常点灯VRをジワジワ上昇させ保護回路動作点確認試験を行いました、最後のダメ押しです。

面白い結果が出ました、メインCHは安全性保証回路評価時と大差ない0.5V弱でしたが、サブCHは0.12V高い0.6V強でした。

配線が長いサブCHが配線抵抗で早く動作すると予測してましたが逆の結果、良く考えたら以上の様に説明可能でした。 いずれにしろ実用上問題のない差だと思います。


7-3.梱包
さて最後は梱包、送付品をパッキングします。

上がメインCH下がサブCH、サブCH側接続コード固定にしたので最大サイズ梱包です。

付属品は12V/3Aアダプターと電源出力コード2種2CHで4本です。

比較評価用に送っていただいたN-1001-CLも帰り支度です。 今回は検収試験パスして仕事完結になると信じてますが、どんなユーザー評価になるのか興味津々、ドキドキです。


ではまた。

給水塔 塗装と部品製作➊

温かい気候待ちになってた給水塔足場塗装を行い、先に進めてます。

【生野駅給水塔】


◆足場塗装
塗装したのは予想最高気温10度、しかも乾燥注意報が出た日です。

筆で水洗いし乾燥させて30mmキューブ材に仮固定して準備完了、春の陽射しと白色で露出オーバーになってしまいました。

塗色に選んだのはコレ、給水塔土台より少し明るい同系色、TS-66呉海軍工廠色です。

スプレーを吹きました、複雑形状で様々の角度から吹かないと塗り残しが出るので、少し厚化粧になるのは仕方ありません。 色を塗ると建造物としての一体感が出てきます。

ウェザリング完了状態です、駅構内はアスファルト舗装などされてなく、作業靴でズカズカ歩く場所なので土汚れを意識したウェザリングです。 当初の設計ではここで給水塔土台に固定でしたが、工程変更して一旦ここでストップし他の給水塔部品加工を先に行います。


◆タンク本体塗装
タンク本体塗色は、本記事表紙写真生野駅設置のKATO給水タンクと同じダークグリーンに決めました、屋根茶系と相性が良さそうだからです。

10数年使用した掃除機接手部品を使うのでかなり汚れてます。 汚れ落としと表面梨地化して塗料食い付きを良くすると共にテカリ消しの目的で♯600サンドペーパーで磨きました。 その後水洗いし良く乾かします。 当初計画でなしだったタンク底を作る事にしました。

➊0.8t板紙にタンク底をガイドにケガキました。
➋ケガキ線のすぐ外側をハサミで切り出します。
➌中心に径3mmの穴空けポンチで送水管支持穴を空けます、屋根ベースに送水管取り付けるアイディア廃止、パイプ材使う必要がなくなります。
➍タンク内側にピタリ嵌るサイズなので瞬着固定しました。

塗るのはコレ、AS-17ダークグリーンです。 ダークグレイの土台と茶系の屋根、絵画センスが有れば仕上がりイメージできて良いのですが生憎と・・・で、出たとこ勝負です。

嫁さんが塗料溶剤匂いに超敏感なので、いつもの様に青空塗装ブースにセットしました。

サッと吹いて塗装完了、乾燥注意報発令中の野外で乾燥させます。

乾いた処で様子見、ウーム目立ち過ぎてはいけないタンク本体はこんな物、でも屋根の色が明る過ぎる様な、ウェザリングで調整としました。


◆送水管と給水口
この給水タンクには入口が一つ出口が二つあります。 水道水や地下水をポンプで加圧してタンク上部から注水する給水管と、タンク底からスポートへの送水管、そしてタンク前給水時に使う給水口です。 給水口には蛇口に相当するバルブと給水ホースが付属します。

当社ジャンクボックスAです、もう一箱あります。 未使用・使い掛け・使い終りを問わずランナーを保存してます、貴重な素材だからです。 例えば当初屋根土台タミヤセメントキャップハケ突起かに外径3mmパイプで製作予定だった送水管の素材に使います。

素性が解るアングルです、2組購入改造で生野駅跨線橋を製作したGMキットランナーが径と色が良いので送水管素材に選びました。

ランナー水平面の小さなバリを削り取りサンドペーパーで仕上げてから切り出しました。 長さはタンクに届けばOK、φ2.9mmになりました。

セットして見ました、馴染んでるので塗装不要かも、給水管と給水口部品製作してから決めます、塗装するにしてもニュートラルグレイですね。

次に給水口素材を探します。 ありました、ジオコレ駅前セットパーツのランナー、中山平駅舎の使用キットです、使うのは左上部です。

拡大すると水平面バリが良く解ります、このランナーはφ2.5mmです。 仕上げ後黄ラインでカットしタンク下部に挿入接着し、赤ラインでカットし給水ホースを付けます。 キモは赤ライン上部の突起、ここが給水バルブの想定でハンドル付けるのに都合が良いのです。

前写真で給水バルブ部突起横形状が荒れてるのとハンドル取付方向を逆にしたい理由ができ反対側を加工しました。 作業はLED照明付き拡大鏡ですが写真はボケるので実写、バリが取れてる様子が良く解ります。

仕上がり寸法はφ2.4mm、タンク本体に2.5mmドリルで穴を空け押し込む形になります。 塗装してからカット、取付の段取りです。 今回はここまで、目がショボショボします。


ではまた。