Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

ユニジョイナー経年劣化問題その後➑

問題発覚時の計測法に疑問を感じ、追加フィーダー設置場所検討を兼ねて検証しました。

【本シリーズ表紙画像】
【本シリーズ表紙画像】


◆祭りの後
生来の慌て者が目を悪くして遠近感が狂ったら鬼に金棒(笑)、かなりの被害発生です。

中山平ではテスタークリップ押し当て点近くの貨物側線接触限界標が根元からポキリ、1mmプラ角棒製なので折った意識さえありませんでした。

生野駅4番線では最終的なクリップ咥え計測前に、ホーム側レールにクリップきちんと当て計測値安定させ様とホーム上電柱ポキリ、跨線橋壊さなくて良かったとしてます(涙)


4-5.問題発覚時計測値の検証
今回の一連の計測は以下2方法で実施してます。
➊抵抗値直接計測
計測は簡単だが有効桁数が少なく概略値しか解らない、また微小抵抗は計測不能。
➋電圧変換抵抗値計測
抵抗10.9Ωに電流1A以上流し、計測区間の電圧低下から抵抗値算出、計測が大仕事。

【問題発覚時記事より転載】
問題発覚時の計測はこのどちらでもありません。 抵抗19.5Ω、電流0.22Aで基本的には➋電圧変換抵抗値計測なのですが、レール磨きなしでワニ口クリップ接続で接触抵抗配慮をしてません。 給電距離算出も概算値、負荷抵抗接続点と計測点が30-40mm離れてます。

【問題発覚時記事より転載】
計測結果まとめにはジョイナー接触抵抗レール長換算値の概念が入ってません。 従ってジョイナー接触抵抗劣化は一様でなく、場所によりバラバラだと思ってました。 レール塗装/バラスト撒布区間の経時変化がほぼ均一と解りましたので、新計測法で検証します。


◆計測-8
問題発生区間は長くジョイナー数も多いので➊抵抗値直接計測します。

お馴染み塗料皿と重しのブレディッドファイバーボトルを、電気区間端中山平駅入口ポイント隣のS64天面を磨いてセットしてショートしました。 ショート材には0.5t真鍮板も試しましたが鉄製塗料皿の方が計測値が安定します、底面の緩いRで接触面積が広い様です。

生野駅入口踏切部S62F天面と肩を磨いてテスターワニ口クリップを咥えましたが計測値が全く安定しません、3-6Ωの間でパラパラします。 クリップ咥え方が悪いのか、塗料皿ショートが上手くできてないのか色々確認し、ようやく安定した計測値が3.1Ωでした。 かなり甘めに設定した上限2.4Ωの1.3倍で、補助フィーダー設置必至の値です。

使用曲線レール半径/角度からレール長を正確に計算して加算すると、計測区間実レール長は2.76mになりました。 3.1Ωは約9m相当、ジョイナー接触抵抗で3倍強です。 この計測結果からジョイナー劣化度計算すると4.93倍、均一劣化の前回結論と大きく矛盾します。

そこでS62Fから1mショート位置に近い小川のプレートガーダー橋で中間計測しました。 レール塗装してない(できなかった)ので側面も磨き安定計測可能だからです。 ここでは計測値不安定現象は発生せず1.4Ωでした、1/3強移動で半分以下!、何か変です。

この区間のジョイナー数は10ヶ所、ジョイナー接触抵抗劣化度は約3.1倍で、これまで3回の計測結果と整合します。 つまりここからS62Fの間に異常個所がある事を意味してます。 途中経過省略しますがレール1本毎S62F側へ計測繰り返し徐々に計測値が増加しました。

そしてついにS62F隣R718のS62側、計測区間20mm短い位置で信じられない事が起こりました。 計測値は安定し2.3Ω、ジョイナー接続されたS62Fと0.8Ω差、ここだけでレール2.3m分です。 給電するS62Fから最初のジョイナーが異常値を示してるのです。

再度S62Fで計測すると計測値不安定現象が発生し3-6Ω、安定した計測値は最初と同じ3.1Ωでした。 この場所のジョイナーが接触不良を起こしてるのは間違いありません。

S62F/R718ジョイナー反対側、計測区間わずか20mm差で算出したジョイナー接触抵抗劣化度は約3.3倍、抵抗値直接計測した他区間と計測精度から同一と考える事ができます。


◆接触不良ジョイナーの特定
S62F/R718間ジョイナーのどちら側が接触不良か計測で特定します。

R718計測値2.3Ωの状態からカーブ内側レールテスターワニ口クリップを20mmS62F側に移動すると2.3Ωが3.0Ωに一気に0.7Ω増加しました。

次にカーブ外側レールテスターワニ口クリップを20mmS62F側に移動すると2.3Ωは変化せず、内側レールジョイナー接触不良と解りました。


片側レールだけ20mmジョイナー反対側に移動した場合の抵抗値増加理論値は0.05Ωで、例えば異常側は3.03Ω⇒3.08Ωでテスター表示に0.1Ω差が出ますが、正常側は2.28Ω⇒2.33Ωで差が出なかったと考えられます。

手前側が接触不良です。 ユニトラックはジョイナー乗り上げ組み可能ですが、車両走行に影響が出るのですぐ解ります、また正常組みでも指で触ると0.1mm程度段差が出る欠点があります。 この場所では正常側にわずかな段差があり疑いましたが、結果は逆でした。


ジョイナー乗り上げ組みの初歩的ミスはありません、キチンと組んで5年正常8年目接触不良の事実から『腐食』『錆』を思い浮かべました。 百数十本の既製品レール、二百数十ヶ所のジョイナーで多分ただ1ヶ所発生した問題で、初期的な要因の可能性大だと思います。

【ユニジョイナー 左30年前品、右現行品】
30年前レール敷設と新品購入敷設のジョイナー仕様が異なります。 30年前品は銅系素材の赤金色で、この種の製品の想定寿命15-20年を大きく越えた使用に耐えてるのだから大した物です。 いつ変更されたか知らず、目的が性能向上かコストダウンかは解りません。


現行品はシルバーで素材不明、表面メッキ処理してる様に見えます。 この表面処理不良で水分侵入し腐食が進み接触抵抗増大したのではないかが、何の根拠もない筆者推論です。

しかし、低確率で発生する問題が当社で発生しなければ本シリーズは存在せず、同様な問題で悩む同好の方々へ情報提供もできなかった訳で、ラッキーだったかもしれません。

【またもや被害者】
問題箇所の近くに設置してあったハザ棒小屋がテスター配線が引っ掛かり剥がれてしまいました。 本体損傷ない様なので、一連の作業終了後に再接着修復します。 それにしても今回の結果には驚きました、外観で全く解らない部分で劣化が進行してたとは!です。


ではまた。

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