Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

ユニジョイナー経年劣化問題その後➐

今後の計測計画に従い計測を行い考察を進めます。

【本シリーズ表紙画像】


4-4.レール塗装/バラスト撒布の影響
計測-5は新品敷設未使用品、計測-4は8年間使用ポイントです。 ポイントは道床/レール塗装だけでバラスト撒布なしなのでボンド水侵入はありませんが、内部スイッチ接触抵抗が同じとは限りません。 ポイントを含まない塗装/バラスト撒布区間で裏付けを取ります。


◆計測-6
レール天面は磨けますが側面塗装剥がして磨き、負荷抵抗使う電圧変換計測ができません、最低ジョイナー3ヶ所ある新品レール敷設区間で、かつ計測が容易な場所を選定します。

中山平駅1番線を選定しました、S62FとS248x3本の電気区間で両側絶縁ギャップです。 レール長は806mmですが、計測区間は約770mm、途中ジョイナーが3ヶ所あります。 本来電気区間中央付近フィーダー設置がベストですが、当時は短いからと無精しました(汗)

【中山平駅線路敷設の様子 2013年】
基台端側が1番線で、ポイント先S62Fから基台下へ潜り込むフィーダー線が見えてます。

電気区間両端のレール天面を良く磨き、S62Fを塗料皿でショートしました。 こちら側で計測すると腕木式信号機や写真外右手前の火の見櫓が邪魔し破損リスクが高いからです。

テスターワニ口クリップを磨いたレール天面に接触させ、セルフタイマーで10回計測しました。 mΩレンジでは3桁表示しますが最小桁は全く意味なし、2桁目もパラパラします。 軽く当てれば接触抵抗、力入れると隣のジョイナー接触抵抗変化、難しい計測です。


10回計測中0.61Ω/0.58Ωの2回はワニ口クリップ接触抵抗込み異常値と判断して除外、他の8回は0.50Ω~0.52Ωでしたので0.51Ωを計測結果として採用します。 写真は0.509から0.510へ表示が変わる瞬間にシャッターが切れてます。 ここからまた計算です。

0.51Ωは計測区間の倍近い1478mm相当の抵抗です、増えた分がジョイナー3ヶ所合計の接触抵抗です。 1ヶ所236mm相当となり、初期値75mmからの劣化度は3.15倍になりした。

3.15倍は、計測-4/5結果からポイント内部抵抗初期値0.12Ω前提の計算値3.79倍より小さな値です。 有効桁数少ない安物テスターラフ計測ですから、数字遊びに等しいと言われれば返す言葉ありませんが、ポイント内部抵抗が1.4倍増加前提計算で両者は一致しました。


◆計測-7
もう1ヶ所計測しないと今一つ自信が持てず追加計測しました。

生野駅4番線です、新品レール敷設でレール6本構成全長992mm、ジョイナー5ヶ所です。 

【生野駅線路敷設の様子 2013年】
キハ58系停車中が4番線です。 御覧の様に1/2番線と留置線は敷設が楽と複線レール購入したらコンクリート枕木、枕木も一緒の道床塗装には両者色合わせの目的もありました。

レール天面を磨き、機廻し線レールや柵・標識類に邪魔されない位置に塗料皿を置き、ショート点は電気区間端から50-60mmになりました。

写真が反対側R481ですが、細かな標識類が立ち並んでます。 計測点はS248からR418へジョイナー接続された直近地点になり、電気区間992mmの820mmになります。

またホームが邪魔でテスターワニ口クリップを押し付けるのが非常に難しく計測値が安定しません、レール天面と肩を磨きクリップ先端で咥えると計測値が安定すると解りました。

中山平計測はmΩレンジ3桁表示が安定せず困りましたが、生野は逆の悩みです。 オートレンジテスターでΩレンジも3桁表示、0.1Ω単位しか表示しません。 ワニ口クリップでレール咥えたので計測値超安定0.7Ω表示、0.6Ωは出現せず真値は0.66-0.74Ωの間にあります。

計算は0.7Ωで行い【】内に0.66Ω-0.74Ωの数値を記入しました。 これまで計測した3ヶ所(ジョイナー3/5ヶ所)の劣化度は驚くほど近い値だった事から、レール/ジョイナー表面酸化膜形成等の化学的変化により、ほぼ均一に劣化が進んだと推定されます。


◆中間まとめ
ここまでの計測結果を整理し以下の結論を導き出しました。
★結論-1 レール単体抵抗
N用80番レール使用KATO/Pecoレール抵抗は0.345Ω/mである、TOMIX未計測だが断面形状差だけなので同等と推定される。

★結論-2 給電距離
消費電流1Aクラス列車運転時電圧差10%以内に抑える給電抵抗は1.2Ω以下、レール単体で3.5mだが、ジョイナー接触抵抗レール長換算値(KATO初期値75mm)、及びポイント内部スイッチ接触抵抗(KATO初期値0.12Ω、TOMIXはその数倍!)により短縮される。
★結論-3 レール塗装/バラスト撒布の影響
レール塗装/バラスト撒布したユニジョイナーは6-8年の経時変化で接触抵抗が3倍強に劣化する。 従ってレイアウト寿命10年を期待する場合、ユニジョイナー1個がS248相当(3.3倍)に劣化する前提でフィーダー設置設計する必要がある。(TOMIX/Peco未計測不明)
★結論-4 ポイント内部スイッチ接触抵抗
KATOポイント内部抵抗初期値0.12Ωは目標値1.2Ωの10%でフィーダー設置設計に重大な影響を与える、また10年寿命を考えるなら0.15Ω/25%程度の劣化を考慮すべきである。


こうして見ると既製品レールレイアウト敷設には多数の補助フィーダーが必要になります。 当社は1Aクラス列車運転がないので、給電抵抗許容値2.4Ω以下とし、経時変化の劣化対策として現在の12ヶ所に3ヶ所追加フィーダー設置(1ヶ所工法未定)を予定してます。

2.4Ω上限のロジックは以上の通りで、何も考えずに敷設し5年目まで問題なし、8年目に突然問題発覚した末の、苦し紛れの選択です。 当社はD51重連貨物列車が最大負荷電流0.7A弱で、他は1M3-6連で0.5A前後なので何とかなると考えてます。

追加フィーダー2ヶ所はトンネル内なのでTOMIX給電端子利用で簡単ですが、問題発覚した生野-中山平間はS62F組み込むか現レール底に半田付け、しかもこの区間基台は400mmと低く、50mmブロック嵩上げ敷設なのでフィーダー線通すには風景壊さないとできません。 問題は徐々にクリアになってきましたが、はてさてどうしたものか?です。


ではまた。

×

非ログインユーザーとして返信する