Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

ユニジョイナー経年劣化問題その後➎

前回の30年前レールジョイナー劣化度試験、何だか消化不良です。

【本シリーズ表紙画像】
ザクッとジョイナー接触抵抗3倍になってると解りましたが、従来線リニューアル仕様決定の必要情報が不足しており、追加計測を行いました。


4-2.中山平北方電気区間計測と考察
前回の試験区間R315/180度を含む電気区間の追加計測です。


◆計測-3
R315/180度カーブのレール長は1mでもジョイナー接触抵抗含めると倍近くなります。 試験区間脇フィーダーから試験区間を含み中山平駅構内まで、1.7m区間の給電抵抗は何Ωで何%電圧低下するのか、この区間に補助フィーダー追加必要かがまず知りたい事です。

 

【前号より転載】
前回試験区間の他にポイント先S60を含む7本のレールと7ヶ所のジョイナーがあります。 S62FはR315と同じ30年前、他は8年前新品購入敷設ですがトンネル出口付近から塗装バラスト撒布してあります。 どう見ても目標値1.2Ω以下に収まってるとは思えません。

写真中山平駅入口ポイント反位側と定位側S60先が絶縁ジョイナーで、電気区間境界です。 塗装してあるレール側面磨いてワニ口クリップ接続すると補修が面倒なので、レール天面を念入りに磨きました。 レール間を導体でショートさせ、給電抵抗直接計測を試みます。

ショート材は何が良いかとカッター折れ刃を選び、塗料ボトルで圧着しましたが、計測値が安定せずNGでした。 カッター刃表面のクロムメッキが計測不能原因の様です。

そこで表面処理してない塗料小皿裏をサンドペーパーで磨いてショートすると、安定して計測可能になりました。 皿を回転再計測しても結果は同じで計測値信頼性があります。

古いユニトラックは道床色が明るく写真でも差が解ります。 S62Fレール側面を良く磨いてテスターを接続、計測結果は予想を上回り目標値2倍の2.4Ωでした。 抵抗値直接計測は有効値2桁で精度は低いですが、概略値は解ります。 なお目標値1.2Ω以下の意味は12V/1A列車走行時電圧低下10%以下で、12V/0.5A列車なら2.4Ωでも電圧低下10%に収まります。

この計測結果に基づくと、中山平2番線入口で、キハ58 5連は7%、重連貨物列車は14%電圧低下し、隣の2番線フィーダー境界で速度差が発生します。 キハ58では全く解りません、重連貨物列車は最近(劣化後?)全く運転してないので、気付かなかっただけの様です。


それより問題は笠松側左端です、R315/180度カーブ30年前は同じで、給電抵抗は3Ωを軽く超えており補助フィーダー追加設置決定です。 これまで気付かなかったのは、生野-笠松間フィーダーの給電距離も長く、双方の電圧低下で段差が出なかっただけの様です。

Nゲージレイアウト国鉄露太本線04「スイッチバックで通過待ち」
しかし笠松本線通過列車は双方電圧低下で段差解らなくても、スイッチバック進入/出発列車は両渡線中央の電気区間境界で、この動画D51列車消費電流で15%-20%の電圧差が発生します。 動画で構内進入列車速度段差が解らないのは、動画撮影時ジョイナー接触抵抗劣化が進んでおらず10%以内に収まってたからと思われます。(確認実験面倒で省略)


◆計測-4
計測-3終了後に計測-4を行いました。 明確な目的もなく、どうなるんだろう?の興味です。 簡単に実施可能だった事もありますが、興味が思わぬ発見につながりました。

計測-3のS60隣が4番ポイント、その隣が踏切設置したS64、更に隣のS64で計測したら何Ωになる?の興味です。 ここは新品レール敷設区間で、計測-3からレール3本目、ジョイナー3ヶ所、実レール長250mmフィーダー寄りです、天面磨いて同様にショートしました。

計測結果は1.9Ωで、この250mmで0.5Ωも違いました。 0.5Ωはジョイナーなしレール1.45m相当で実レール長の6倍近い給電抵抗になってます。 仮に新品レールが塗装/バラスト撒布によりジョイナー接触抵抗が30年前品同様に3倍前後になったとしても1m相当、1.45m相当はベラボーな値です。 考え得る理由は2つ、データは嘘を付きません。

第一の可能性はレール塗装/バラスト撒布のダメージと経時変化が大きく、8年でジョイナー接触抵抗が初期値の5倍強に劣化してると仮定すれば計測結果と整合します。 だとしたら従来線の同加工した見える他の場所でも発生するハズで、気付かない訳があり得ません。

もう一つの可能性が最有力で多分間違いありません、KATOポイント内給電切替スイッチの接触抵抗です。 別途正確な計測を行いますが、試算によれば0.2Ω前後の様です。


◆ポイント給電抵抗の考察
前項推論が正しければ、全長126mm4番ポイント給電抵抗レール長換算値は5倍以上の700mm前後になります。 興味本位の計測で偶然重要な要素に気付かされました。 

【KATO4番ポイント】・・・過去記事より転載
Pecoポイントはギャップを正しく設置しないと切替時ショート事故が発生します。 KATOポイントは この問題を回避し簡単に使える様に『非開通内側レール開放式』(筆者命名)を採用してます。

【KATO4番ポイント】・・・過去記事より転載
ショート事故回避に加え、選択式/非選択式切替及びスプリングポイント用法を可能にするフログ給電選択の機能が盛り込まれてます。 その結果、Pecoポイントの両外側レールとトング・フログ・両内側レールの3電気ブロックに対し、6電気ブロックに別れてます。

【KATO4番ポイント】・・・過去記事より転載
ネジ締めパターンショート式モード選択で、接触抵抗等が問題になる要素はありません。

【KATO4番ポイント内部スイッチ】
しかしポイント切替連動で接続切替が必要な両分岐側内側レールとトングは、写真十字スイッチで切り替えてます。 通常スイッチ、例えばトグルスイッチやスライドスイッチは接点をバネで圧着して接触抵抗を最小化しており、切替時にはバネに打ち勝つ力が必要です。

【KATO4番ポイント】・・・過去記事より転載
それではこの十字スイッチ接点を圧着し接触抵抗最小化できてるでしょうか? できてません、接点接触圧が大きいとポイント内蔵小型ソレノイド駆動力で切替できないからです。 つまり指先で軽く触れただけで切り替わるトグルスイッチに近く、接点接触圧が低く通常スイッチで無視できる接点接触抵抗が無視できない値になってると考えられます。


この問題、調べれば調べるほど次々と新しい事実が判明し、複雑怪奇になっていきます。 迷い込んだのも何かの縁、謎を解き明かし同好の皆さんのお役に立てる情報提供ができたら良いと考えてます。


ではまた。

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