Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

湖南電源⑰安全性保証回路 その後-2

安全性保証回路ラッチ回路オフ応答時間が長い事が前回解りました。 実を言うと視力低下でユニバーサル基板半田付けが難しい作業になりつつあり、思う様に進められません。

【山のお寺】
その後の中間報告です、内容的には電子回路の理論設計と実験計画です。


★ラッチ回路オフ特性追加実験
前回のTR94によるラッチ回路オフ特性計測で気になった事があり、後の設計基礎データにもなると考え追加実験をしました。

気になったのは黄丸のラッチ回路オフまでのプロセス、TR94は自らがオフしようとするラッチ回路出力でオンしており、それが長い応答時間に影響してないかという疑念です。

その確認にはTR94ベース電流をラッチ回路入力から供給すれば良く、電源オン時影響がないので変更し、併せてR96を33KΩ⇒5.6KΩに変更しTR94ベース電流を増やしました。

追加実験結果は増加ベース電流でTR94ベース電圧が0.65Vから0.72Vに上昇しただけで、ラッチ回路オフ特性は全く変化なしでした。 とここまでその1の後に確認し足踏みが続いてました、嫌な事の先延ばしです(汗)


★必要な回路機能と設計
ラッチ回路を過電流検出時高精度で確実にオフする回路変更が必要です。

ラッチ回路はそのまま、オフし易くする為のTR91変更なし、損失増えるのでベース電流も減らしません。 過電流検出時オフ用に各CH設置のTR93/TR94を1個に統合し、以下3機能回路を追加する設計をします。


①電圧比較回路
常点灯を含めて瞬時電流1.25-1.3Aで動作させます。 R101/R102の0.47Ω両端電圧を基準電圧0.59-0.61Vと比較し、超えると出力L⇒Hになる過電流検出機能を持ちます。

電圧比較ならHyper-Gコンパレータがあり、図の様にダイオード順電圧で基準電圧作成すれば過電流検出可能です。 PWM波生成使用品なので応答速度OKですが、オープンコレクタ出力で最大定格15mA(図は10KΩ/1.2mA)、ピークホールド回路が面倒で使えません。

替わりに矩形波・三角波発生回路に使ったオペアンプ使えないかと考えてます。 出力H時50mAの電流供給能力がありますが問題は応答速度、実験しないと何とも言えません。

【NJM4580データシートより】
応答速度はスルーレートと言う特性項目で表されます。 NJM4580は5V/μsecなので、電源電圧12Vに立ち上がるまで2.5μsec必要です。

【Hyper-G設計情報より転載】
コンパレータNJM2403データシートはスルーレート非掲載ですが、応答特性と過去実験結果から10-15V/μsecでオペアンプより2-3倍高速です。

【高スルーレートジャンクションFETオペアンプ】
NJM4580電圧比較回路実験すれば解るのですが、良く見えない目で細かな半田付けは億劫とつい先延ばしになってました。 NJM4580が使えないならコンパレータ並みの高速応答オペアンプが必要で、新規部品は発振等のトラブル付き物でこれも気が進みません。


②ピークホールド回路
過電流検出できるのはPWM波H期間だけ、一方TR93はPWMパルス400-500回の長期間オンしないとラッチ回路はオフしません、過電流検出結果を保持する回路が必要です。

電圧比較回路出力で0.1μFコンデンサを充電します。 充放電時間が300倍違い、電圧比較回路出力H時間が短い常点灯域でも逆流防止ダイオードにより20パルス前後で満充電になります。 100KΩは保護回路動作後リセット時間を決める物で約1/50秒でリセット可能です。

【Hyper-G高機能電源設計情報より転載】
NJM4580は矩形波・三角波発生回路に最適でも飽和電圧、つまりLレベル0.9Vと高い欠点があります。 比較したLM358はLレベル0.2Vと低いですがスルーレート0.6V/μsecと応答速度が遅く電圧比較回路に使えません。


従って電圧比較回路出力電圧は過電流検出時11.4V、非検出時0.9V、ピークホールド回路0.1μF充電電圧はダイオード順電圧低い過電流検出時10.8V、非検出時0.3Vになります。


③電流増幅回路
ピークホールド回路は電圧作るだけでTR93ベース電流供給能力がありません。

そこでHyper-G高機能電源ノッチ回路/常点灯調整回路に使用したボルテージフォロワ回路を追加し抵抗を介しTR93ベース電流を供給します。 ここは高速応答不要で過電流非検出時TR93を確実にオフできる低飽和電圧のLM358が適しておりNJM4580は使えません。


④基準電圧作成回路
電源出力GND側に入れる金属皮膜抵抗0.47Ωは許容差±1%で、高精度で電流を電圧に変換します、1Aなら0.47V、電源仕様1.2Aなら0.56V、保護回路動作1.25Aなら0.59Vです。

比較する基準電圧はシリコンダイオード順電圧を電流を調整して作成します。 秋月調達のコレを使用します、1本¥2、50本単位販売ですがポイント・信号機・フィーダー切替制御に多用するリレー逆起電力保護ダイオードに使用するので無駄になりません。

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データシートからXΩ抵抗値の当たりを付けます。 過電流検出1.25Aは25℃で0.55mA、電源電圧から0.588Vを引いた計算結果は20.7kΩです。 ただし運転時電源内部は40℃前後と推定され0.7-0.8mA、15kΩ前後が最適値の様で現物確認して決める必要があります。


以上で理論設計完了ですが、基板製作前に以下の作業が必要です。
過電流検出基準電圧作成XΩの決定。
NJM4580が電圧比較回路に使用可能である事の確認。
ピークホールド回路部品定数適正かの確認。
追加回路を収納する基板サイズと部品配置の決定。


部品発注・到着を待ち次のステップに進みます。


ではまた。

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