Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

Hyper-Gに関する【重要】なお知らせ

湖南電源製作で出力トランジスタ破損が発生し、簡単交換構造へ変更した話を前回書きました。 何故出力ショート試験後に壊れたのか解明した結果、Hyper-G開発者/情報発信者として告知義務がある重要な事実が判明しましたのでお知らせします。


◆判明した事実
Hyper-Gは入手容易な低コスト部品で作れる1.2A高性能電源として開発しました。 基本の1CHに加え、基板スペースに余裕があり、わずかな部品追加で2CH化可能な事から双方の設計製作情報を公開してますが、2CH仕様に問題がありました。

1CHは保護素子ポリスイッチが1.3Aで回路遮断する仕様ですが、2CHは2.2Aまたは2.7Aで回路遮断する部品使用製作情報を公開してます。 この条件で出力ショート時に、保護素子動作前にトランジスタが定格を超え破損リスクが高いと判明しました。


◆発生メカニズム
結論を先に書きましたのでその発生メカニズムを設計の考え方レビューを含め、ポイントを絞って説明します。 対処法については後述します。

当社も含めテープLED自作室内灯が広く採用されてますが、3本直列で常点灯性能に問題がありました。 シャープな波形で常点灯性能を改善する為、応答速度の速い2SA1359を出力トランジスタに選定しました。


絶対最大定格は一瞬たりとも超えてならない部品限界値、超えたら壊れても知りませんのレッドゾーンです。 電流は3A以下、電力(許容損失)は10W以下、ただし電力は使用環境温度により限界値が変化します。

使用環境温度と電力限界値の関係図です、Hyper-Gは放熱板なし設計なので通常動作時は下の赤ライン内で使用する必要があります。 設計は電源内温度50度、その時の限界値1.2Wから安全マージンを見込み、75%の0.9Wを条件としました。

ベース電流に対する横軸電圧ロス、縦軸電流の図です、上部3A以上と右上電力10W以上はレッドゾーンです。 ベース電流増加で電力減りますが、PWMオフ特性劣化で常点灯性能が悪くなります。 Hyper-Gはベース電流24mA、電圧ロス0.75Vx1.2Aで0.9W、湖南電源はベース電流34mA、電圧ロス0.7Vx1.3Aで0.91Wの動作点を選びました。

図に書き加えました、1CH/2CH用ポリスイッチ動作電流値を赤点線で示しました。 1.3A動作は問題ありませんが、Hyper-G 2.2A、湖南電源 2.7A共にポリスイッチ動作前に10Wを超えます、まして公開記事Hyper-G 2CH 2.7Aは12V電源ショート保護はできても、頻度の高い出力ショートは保護できず、数秒放置で発熱暴走しトランジスタが破損します。 Hyper-G出力は1.3Aで遮断する必要があると判明しました。


◆お詫び
露太本線の情報なら大丈夫だろうと、Hyper-Gを製作された方が10名以上いらっしゃると思います、その多くの方が2CH仕様を選択されたと推定され、信頼を裏切る結果になってしまい、大変申し訳なく思っています。

原因は1CHから2CHへ仕様拡張時の安全性設計検証不足に尽きます、自作電源製作を推奨しながらこれでは何を言われても返す言葉がありません、申し訳ありません。


◆対処法・・・Hyper-G 2CHを製作された皆様へ
公開製作記事に従いHyper-G 1CHを製作された方は何もする必要がありません。


★ケース-1:将来の発展に備え2CH仕様を選択し現在1CH使用されてる場合
必ずポリスイッチを1.3Aトリップ品に交換してください。(記事末筆者対応参照) 未使用1CH利用は以下いずれかの選択になります、ご了承ください。
バックアップ電源として当面使わない
今回判明事実起因以外で電源機能が損なわれた場合は、[常点灯VR][速調VR][Vcomp]の3本を繋ぎ変えれば未使用CHが機能します。
12V可変アクセサリー電源に使う
[常点灯VR][速調VR]間に100kΩボリュームを接続して電圧可変アクセサリー電源(例:輝度調整可能な照明電源)として使えます。 ただし走行用と合算して1.2Aまでなのは市販電源(例:TOMIX N-1001-CL)と同じです。
将来的に2CHで使いたい
ケース-2対処法をお願いします。


★ケース-2:すでに2CH走行電源として使用されてる場合
必ず1.3Aトリップポリスイッチ2個を追加してください。(記事末筆者対応参照) 追加場所は以下図面を参照してください。

最新部品配置図で製作された方は、電源出力ジャンパー線をポリスイッチに置き換えてください。 旧部品配置図で製作された方は、基板とディレクションスイッチ間の±いずれか一方に直列に取り付け、絶縁テープでショート事故防止してください。


なお2CH仕様でこの対処を行うと、出力ショート時保護はできますが、パイロットランプは緑のままで保護素子動作表示ができなくなります、ご了承ください。


◆筆者対応・・・開発者/推奨者責任として補修用部品郵送
すでに脱線等ショート事故で電源動作不良や非動作に直面してる製作者が居て不思議ではないと考えています。 現在は正常でも破損リスクにさらされてる製作者、あるいは先日の個別サポート依頼では部品手配し製作着手され様としてる方もいらっしゃいます。

筆者不手際により迷惑を被った皆様に部品費/送料負担をしていただくのは心苦しく、1.3Aトリップポリスイッチ並びに破損した(軟破壊動作不良を含む)出力トランジスタ郵送を行います、ご希望の方は拙ブログコメント欄へ以下情報をお寄せください。

この対応要望コメントは非公開とし、頂戴した個人情報と共に対応期間終了後一括削除します。 また筆者の個人情報保護の為「露太本線」名で送付しますので予めご了承ください。


露太本線

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