Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

『怒りっぽい社会』は地元にも

前回更新の4月21日に筆者が住む茅野市でも関連事案が発生しました、『怒りっぽい社会』は都市部に限らず地方にも波及してるかもです。 茅野市を含む諏訪エリアの感染警戒レベルは先月末に2から3へ、4月14日に3から4へ、4月17日に4から5へ引き上げられました。 4月21日に長野と上田広域圏の警戒レベルが引き下げられた結果、諏訪広域圏は県内唯一の警戒レベル5(警報2)発令エリアになりました。


毎日発表される感染者数は茅野市が突出、茅野で開催された会食での集団感染が原因だからです。 他地域にお住まいの方には理解が難しいと思いますが、御柱祭関連の会合で50人以上が出席した様です。 開催時警戒レベルは2または3で警報は発令されてませんでした。

【峠越えに向かう急行】
7年目に1度開催される御柱祭には千年の歴史があり、次世代に引き継ぐべき文化継承事業、観光資源として諏訪エリアの自治体は力を入れてます。 6年毎の行事を円滑に進めるには地域の横連携が必須で、開催を来年に控え準備会議&懇親会食だったと思われます。


『御柱は諏訪の男の心意気』という生粋の諏訪生まれ祭好きも居ますが、この地に住む者の責任感も色濃く流れてます。 筆者は前回2016年御柱祭で地区御当郷総代兼実行委員長を務めましたが、住民の義務を果たす意識で参加する皆さんのお世話役をしました。


集団感染発生施設名は注意喚起が必要な場合を除き公表されませんし、感染者/死亡者名も誹謗中傷を避ける為公表されません。 この情報抑制と通年であればこの様な会議で市長が挨拶する事が憶測を呼び、市役所へ非難メールが殺到したのです。 市民に外出自粛を要請する市長が、大人数出席の会食に出るとは何事だ、ケシカランという抗議メールです。


市は会見を開き事実と異なると防戦一方になりました。
①会食は市長が主催した物ではない。
②会議は市が主催した物ではない。
③市長は出席してない。
と説明し、市長は今月3回出席した市職員歓送迎会につき『判断が甘かった』と会見で陳謝してます。 嘘はないとしても②は建前の可能性があり疑問です、実際は市職員が事務局を務め会議招集や会食手配をする区長会や福祉団体等『実質市が運営する任意団体』が数多く存在するからです、当該事例がこの様な『任意団体』だったかどうかは解りません。

【2019年地区夏祭に出席した茅野市長】
茅野は人口6万足らずの田舎町で、各部落は市と行政委託契約を締結した自治組織『区』が運営し、夏祭には市長も出席します。 御柱祭の存在もありますが、行政と地域住民の距離は都会に比べかなり近いと考えてました、それでもこの様な事が起こりました。 『怒りっぽい社会』の影響か、『コロナ禍閉塞感への怒りのハケ口』なのか、鬱陶しい話です。


この集団感染は思わぬ処へも影響を与えてます。 昨年中止され今年は無観客で開催予定だった市運動公園のスペシャルステージと八ヶ岳山麓を舞台にしたラリーが中止に追い込まれました、怪我人が出た場合の医療機関受け入れ体制が集団感染で整わないからです。


茅野市と北相木村がモデル地区としてワクチン先行接種のニュースはあれどワクチン接種券は届きません、医療従事者や施設入所者優先で、とりあえず健康な前期高齢者は先になりそうです。 働いてる世代の皆さんとは比べるべきもありませんが我慢の日々が続きます。


ではまた。

『怒りっぽい社会』に想う事

どこまでが社会常識として許容され、どこからアウトなのか?、その閾値OKラインは時代と共に変化しており、最近は息苦しさを感じます。

昭和40年代の生野駅で毎朝見られた光景です、左下鉄道官舎に住むl国鉄職員子弟の高校生が4番線職員用通路から3番線DC列車に乗ろうとしてます。 生野町の高校は商業科と工業科で、大学進学を目指す高校生は守屋市の普通科進学校へ列車通学をしてたからです。

国鉄職員家族は無料パスを支給されてたので改札通らなくても無賃乗車ではありません。 職員用通路使わないと工場群から生野南中学と大きく迂回して駅舎改札口へ、更に跨線橋を渡って3番線へ、列車乗車口までの所要時間は1分に対して15分から20分と桁違いです。


当時この高校生の行為は、将来の日本を背負う若者が毎日30分の勉学や睡眠時間を節約する物として問題視する人は誰も居ませんでした。 現在なら駅構内に居住するJR職員家族の立場を利用した不公正行為、安全上も好ましくないと他の乗客から苦情が出るでしょうね。

以前紹介しましたが当社従来線電源は1990年頃勤務先実験室の部品を使用し、時間外に職場で製作した物です。 工場に頼めば職場で保養施設山荘に出掛ける際に使うBBQ用鉄板作ってくれましたし、罪悪感皆無で『まずいんじゃないの?』には『堅い事言うな』でした。


2000年頃を境に流れは変わり、以降は会社資産の私的流用・横領として懲戒処分の対象になりました。 管理厳格化と言うより社会常識許容範囲の閾値が変更になったのです。 昔は何でもルーズだった訳ではありません、単に常識の閾値が少し違っていたに過ぎません。

【『フェアについて想う事』より転載】
政治家や公務員がその職務権限を金の見返りで不公正に行使する汚職は、社会から厳しい目が注がれてました。 税金の使い道や行政の公平性が捻じ曲げられ、多くの国民に損害を与えてると考えられたからです。


筆者行為は会社に損害与えてましたが言わば役得、頂戴してる給料のン十倍も稼がしてると気にも留めませんでした。 さて、最初の高校生の行為は誰にも損害与えてませんが、何故非難される様になったのでしょうか?

【『フェアについて想う事』より転載】
その一つのキッカケは2000年に多発した企業不祥事、雪印メグミルク、三菱自動車リコール隠し事件だったと思います、消費者の企業を見る目が厳しくなったと共に、海外投資家から経営透明性担保、グローバルスタンダード準拠を求められ閾値が大きく変化しました。

【ウィキニュースより】
2000年企業不祥事は一般消費者に係る問題で、ホンダに乗ってる人も森永飲んでる人も公憤として理解できましたが、2007年の高級料亭『船場吉兆』の牛肉産地/賞味期限偽装の際は、高級料亭など縁のない人まで寄ってたかって袋叩き、廃業に追い込みました。 確かにケシカラン振る舞いですが、何だか『集団ヒステリー』を連想し首筋が寒くなりました。

つまり社会常識閾値=ルールが変わり、人々の意識も変わりましたが行き過ぎもあります。 冒頭の高校生事例は、自分には損害も影響もなくても、自分はしてはならないとされてる事をする人が居ると無性に腹を立て攻撃的になる、現代社会の負の特質を表してる様です。


TV番組演出に過ぎない言動にまでそれは及び、寄ってたかって誹謗中傷の袋叩きで自殺に追い込んだ事件も根っ子は同じです。 列車運転士が勤務中に飲料で水分補給するのはケシカランと苦情を言う乗客の存在などは『怒りっぽい社会』の象徴で本当に嫌になります。


ではまた。

Hyper-G湖南仕様改修①アララ再現しない

技術提携先との当社信用に係る問題を片付けなくてはなりません。

【《ユニジョイナー経年劣化発覚!》より転載】
1年以上お待たせして納入した電源は検収試験をパスできませんでした。

と言う訳で納入した電源は製造元の当社へ送り返されて来ました。

要改善点は以上4点で、モーター唸り音等出荷試験と一致しない点があります。 検収試験は動画もあり疑う余地はなく、試験条件の何が違うかも含め解決策検討が必要です。


1.蒸機常点灯問題
最初に電源裏ブタを開けないで検討可能な蒸機常点灯問題から着手します。 出荷試験蒸機常点灯OK判断は、実際は走行開始する電源出力電圧がユニジョイナー経年劣化で電圧低下して常点灯に見えた筆者ミスですが、モーター唸り音は発生しておらず何かが違います。

比較した市販電源TOMIX N-1000-CLを一緒に送っていただきました、問題確認した現品を使用し不確定要素を排除する為です。

常点灯特性確認試験装置です、給電経路要因を排除する為にKATO S248レールに直接ソルダーウィック電極を半田付けし、電源/オシロスコープ/テスターを接続してます。

検収試験は当社KATO D51で行ってます、在籍4両中3両が整備委託中ですので、唯一手元にある長野式集煙装置付きを使用しレールに載せました。

N-1000-CL電源ONすると速度調整VR Min、常点灯ダイアルゼロにも係らずD51 HLが常点灯しました。 これがその時の電源出力波形、7.8Vピークの狭いパルスが出力されてます。 Hyper-Gにもある起動ドリフトで、次第に出力電圧低下しHLも消灯しましたが、10分放置しても出力ゼロにならず5V弱ピークのパルスが出力されてました。 出力ゼロにならない電源はTOMIXらしいと言うか・・・(笑)、でもそれが現実でした。

10分以上放置した安定状態で試験開始、常点灯ダイアル1-3が常点灯域で十分調整可能です。 常点灯ダイアル1と3のデータを計測しました。

ダイアル1の常点灯状態です、昼間やっと点灯確認できる程度です。

その時の電源出力電圧は80.2mV、つまり0.08Vです。 所有するN-1001-CL抵抗負荷実験ではこんな低電圧出力できませんでしたが、モーター負荷時は逆起電力で可能になります。

電源出力波形は周波数15.4kHz、7.6Vピークの狭いパルスです。 電源ON直後7.8Vピークでしたから起動ドリフトは常点灯ダイアル1目盛強に収まっており許容範囲の性能です。

波形詳細確認の為に時間軸を10倍にしました、1.5μsec幅の先端が丸い7.6Vピークパルスが出力されてます。 黄色点線部がモーター逆起電力影響でプラス部分約1/3の面積分だけ出力電圧を下げてます。 この波形では10V以上必要なテープLED室内灯は点灯しません。

ダイアル3の常点灯状態です、輝度は実用レベルをクリアしてます。

その時の電源出力電圧は160mV、0.16Vでダイアル1の丁度倍でした。 短いS248レールなのでダイアル5の走行開始電圧計測できませんでしたが、0.4-0.5Vと推定されます。

電源出力周波数は変化せず15.4kHz、10.4Vピークに電圧上昇してます。

時間軸を10倍に伸ばすとダイアル1と相似形の1.8μsec幅、10.4Vピークパルスが出力されてました。 蒸機牽引列車テープLED室内灯は微光点灯で停車中点灯が実用になりません。


★N-1001-CLと比較してみた
今回お借りしたN-1000-CLと後継機N-1001-CLは外観機能共同じですが、電源がN-1001-CLはACアダプター式に変更されてます。 電源ON時は出力0V(当り前)で、常点灯ダイアル2-4が常点灯域です。 この差が設計/調整仕様変更か単なる個体差なのかは不明です。

点灯確認できるダイアル2の出力波形は、N-1000-CLよりパルスがやせてる分だけピーク電圧が高く、波形は若干異なりますがモーター逆起電力影響は同等で、電気特性的にはAC100V/DC12V変換を外に出しただけで内部回路は同じと判断しました。
[註]当社N-1001-CLは低周波PWM切替改造機ですが、他はオリジナルに戻してます。

N-1000-CLの役割は完了しましたので梱包しお帰り準備です。 さて本命のHyper-G湖南仕様、この試験装置でモーターが唸りHL点灯と同時に走行開始すれば検収試験結果再現になるのですが、どうでしょうか。

検収試験動画に録音された推定200Hz前後の唸り音は発生せず、検収試験結果と異なりピンポイントですが常点灯しました、しかもN-1000-CLよりかなり高輝度です。

その時の電源出力電圧は259mV、0.26VでN-1000-CLダイアル3より高電圧でした。 常点灯性能としては調整範囲不足で実用外要改善ですが、検収試験とは違う結果になりました。 検収試験結果を事実として認めてますが、モーター唸り音の発生メカニズム等何が起きてたかは、現場に計測機器を持ち込んで確認しない限り真相解明不可能な状況になりました。

時間軸拡大した電源出力波形は矩形波に近い2.6μsec幅のパルスでした。 波形がシャープなのは良いとして立ち上がりが暴れており、ピーク電圧は18Vに達してます。 現状Hyper-G湖南仕様はN-1000-CLより蒸機常点灯性能が劣るとデータ的に証明されました。

Hyper-Gは常点灯性能、特にテープLED室内灯輝度向上と速度変動を抑えるシャープな出力波形にしてます。 また後方HLチラツキ防止の為に低損失逆起電力保護ダイオードを採用し、その双方が蒸機常点灯性能を悪くする作用をしてます。 これらのメリットを捨てずに問題解決するには、出力電圧波形最小パルス幅を狭くする以外に道がありません。


更に応答性重視で採用した高速(fT=100MHz)トランジスタ2SA1359がコアレスモーター負荷時に出力波形が暴れピーク電圧18V発生する事も解りました、信頼性向上には15V以下に抑えるリミッターが必要かもしれません。 次々と問題が見えてくる、難しいです。

長野県内新型コロナ感染者数は先月末から徐々に増加に転じ、県警戒レベルが1から2に引き上げられました。 その後もジワジワと増加し3へ、4月14日に3から4(警報1)に引き上げられましたが連日の2桁感染者についに17日には初の5(警報2)発令になりました。 この先どうなるのでしょうか、ワクチン接種が完了するまでは何もできそうにありません。


ではまた。