Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

湖南電源最終章⑥仕上げと出荷前試験

湖南電源は最終工程に入りました。 まだ次々と解決すべき問題が見えてきます、物作りは本当に難しく奥が深いです。


★ケーシング
メインチャンネル電源はメイン基板、高機能基板、安全性保証回路基板3枚取り付けた裏フタ閉めてますが、サブチャンネルはこれからです。

内蔵するのは高機能基板1枚だけで簡単と思いきや、追加したディレクションスイッチ非経由電源出力ジャックと基板が干渉し閉まりません。

基板取付穴を他部品干渉がない中央に空け直し取り付けました。 旧取付穴は追加吸気口としてそのまま残してあります。


★起動ドリフト
サブチャンネル電源裏フタを閉め、走行確認試験の為レイアウトルームに持ち込みました。 ブレーキMAX、ノッチオフ、常点灯MIN、ディレクションスイッチ順行状態で電源オンすると試験車両が常点灯、徐々に輝度低下し約1分で消灯しました、起動ドリフトです。 冷間スタート時三角波H/Lレベル安定に時間が掛かり、最初出力電圧が高くなる現象です。

【挿絵画像】
常点灯ボリューム目盛り0-1不感、1強から不安定発振出力があり、目盛り1.5で最小安定発振出力となる様にゼロ調整しました。 この調整条件に起動ドリフト加えると目盛りゼロでも電源オン時に出力が出ると解りました、しかも1分は長過ぎです。 裏フタを開けて再ゼロ調整し目盛りゼロ出力時間を実用上問題ない状態に改善する事にしました。

【冷間スタート瞬時出力波形】
再ゼロ調整後半日放置して十分冷やした電源オン時出力波形です、5秒ほどで出力なしになりました。 ゼロ調整変更量を大きくしたので全く出ない事を期待してましたが、まだ出てます。 再々調整せず5秒で消滅なら実用上問題ないので、これを最終仕様にしました。

電源オンで完全に安定するまで10分放置し、常点灯ボリューム回すと、目盛り0-3不感、3強から不安定発振出力、目盛り3.7で最小安定発振出力と再調整で2目盛り強変化してます。

最小安定発振出力波形です、デューティ約5%の矩形波、常点灯性能が良いHyper-G電源の特徴です。(試験条件:抵抗ダミー負荷)

最小安定発振出力電圧は0.64Vでした、モーター負荷の場合は逆起電力で低下します。


★実車常点灯性能試験
実車のモーター/LED負荷で常点灯性能を確認しました。

最小安定発振出力電圧は0.5Vに低下しました、モーター逆起電力によるLレベルのマイナス側は0.4Vと小さく、低損失大電流ショットキーダイオード採用効果が表れてる様です。

0.5V常点灯は暗目ですが、かろうじて実用域の輝度が確保されてます。

1Vに合わせると実用上十分な常点灯輝度が得られます。

常点灯ボリューム目盛り7弱で1.5V、目盛りMAX10で2.4V、低速走行します。 市販電源に比較し常点灯調整範囲が狭いですが、調整し易さ優先でこれでヨシとします。


★走行試験
加速、惰行、減速(ブレーキ)試験は目視可能長距離区間がない当社では実施不能です。 線路敷設完了した湖南総合運転所支線周回線での検収試験を調整中です。 とは言え、走行試験せず送品する訳にも行きません。

【走行試験-1】
ノッチ2で生野駅4番線を発車したキハ52単行は小川鉄橋に差し掛かる頃に50km/hに加速、鈍行DCとしてノッチ2が実感的な加速感です。

【走行試験-2】
水田に挟まれた疑似複線区間では70km/h、ここらでノッチオフし惰行に入らないと中山平停車が難しくなりますがそのまま加速を続けます。

【走行試験-3】
鎮守様へ続く道の踏切では80km/hに達しました。 ノッチ2のEC/DC飽和最大速度は100km/hで、この試験区間では距離が足りず、検収試験結果を待つしかありません。


★後方HLチラツキ発生せず!
ところで走行試験中に市販PWM電源で発生する後方HLチラツキが発生しない事に気付きました。 この問題が解消できればHyper-G電源のメリットが一つ追加になります。

【『PWM電源後方HLチラツキ 番外編①』より転載】
当時の記事を確認するとN-1001-CLと今回使用KATOキハ52常点灯1.5Vで点灯が不自然な後方HLが点灯し、走行させるとチラチラしました。 Hyper-Gはこの時点で逆起電力防止ダイオード変更で改善しても完璧とは言えない状態でしたが、今回は全く発生してません。

【キハ52走行中車両近傍レール波形】
その時の経験で給電距離により波形変化するので、最も厳しい車両近傍で計測しました。 最大マイナス電圧2.0V、これならLEDオンせずチラツキません、2.5Vからチラツキ発生し、3V超えると盛大にチラつきます。

【DD51走行中車両近傍レール波形】
Hyper-G電源でもチラツキ発生したコンデンサ外しDD51で確認しましたがやはり発生しません、最大マイナス電圧1.9Vでキハ52と同等でした。 何故改善したかは不明です、安全性保守回路追加が影響してるかもしれません、これも検収試験で確認して貰います。


大難産の湖南電源がついに完成し後は納品、約束果たす事ができてホッとしてます。 出荷前試験データを見ると、Hyper-G高機能電源は鉄道模型用制御機器として優れた機能だと改めて感じました、自画自賛かもね。


ではまた。

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