Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

Wさんレイアウト⑤キャブコンのフィーダーとギャップ

設計お手伝いしてるWさんレイアウトの線路配置が確定しました。 自作線形設計ツールを他人様のレイアウトに適用したの始めてでしたが上手く機能し、Wさんがイメージしてたこんな事やりたいを形にできました。

【水田脇のハザ棒置場】
記事タイトル通り遊ばせて貰ってますし、Wさんにはバーターで筆者ができない事をお願いする約束なのでお礼不要と申し上げたのですが、『後出しジャンケン』で迷惑かけたからと地元名産品を送っていただきました。


海から遠い信州から年数回新鮮な海産物楽しみに出掛けてましたが、コロナと淋しがり屋のハナちゃんと暮らし始めてから旅行に行けません。 産地直送海産物を美味しくいただきました。 旦那の道楽もたまには良い事があると嫁さんも大喜び、Wさんご馳走様でした。


★Wさんのやりたい事
今回のお手伝いはWさんの下記要請から始まりました。

【『Wさんレイアウトで遊ぶ①プロローグ』より転載】
その後筆者提案で三重連運転が加わりました、KATO転車台採用で16線機関区設置と解り、転車台電気制御法サポートも追加になりました。

確定したWさんレイアウト全体線路配置です。 本線エンドレス右側が脱着式橋梁になりスライドレールで接続するとの事、ドーナツ型レイアウト敷地出入口の様です。 電気設計的には通電確保配慮が必要になります。

電気設計開始に当たり、WさんとのQ&Aで上記回答を得ました。 筆者には常識でも電気が苦手な人にとっては雲を掴む様な話なのは良く解ります。 本シリーズはArduino制御やリレー等訳の解らない難しい部品(笑)使わず、スイッチだけで初歩から解説しますので、電気関連技術がレイアウト製作のハードルになってる方のお役に立てば幸いです。


★トグルSW
まず使用部品からキャブコントロール電気区間選択に使用するトグルSWを解説します。

トグルSWはツマミをパチンパチンと切り替えるスナップスイッチで、写真中央端子接続が左右端子に切り替わります、この1回路用は3端子なので3PトグルSWと呼ばれてます。

こちらは2回路の6PトグルSW、中央端子接続が左右端子に切り替わるのは同じです。 2回路使って電源±を同時に切り替えられるので電気区間選択に使用します。

秋月調達可能なトグルSWは100品種ほどありますが、必要特性に加え足にリード線からげ半田付け可能な穴空きタイプを選んでます。 これは3P2切替トグルSWです。

前出のSWが2組入った6P2切替トグルSWです。

前出と同じ6Pですが左右の他に中点があり、中点では左右どちらにも接続されない6P3切替トグルSWです。


★配線用線材
フィーダー配線やポイント切替制御線延長には配線用線材が必要です。 模型店販売のビニール被覆線は割高で仕様不明な事が多いので、電材店で容量1.5A以上を選んでください。

電材店が近くにない、あるいは一括調達用に秋月扱い品で使えるのがコレです、¥70/mなので安くはないがバカ高くもないと言った処です。


★電気区間の区分
WさんがやりたいA/B 2電源(キャブ)で全線運転可能にするには、区分した電気区間をA/B 2電源が自由に選択するデュアルキャブコントロール方式採用が必要です。

中央駅構内線1-7番線は留置や補機連結・開放待機の為にそれぞれ独立した7電気区間にします、機関区は7番線機関区入出庫線と共通です。 右行/左行本線をそれぞれ独立の電気区間にして+2、そして左方本線片渡線部にも必要で、全部で10電気区間に区分しました。

区間選択は一番解り易い線路配置図上SW設置が推奨です。 駅構内1-7番線は6P3切替トグルSWで左(A)/中点(OFF/留置)/右(B)です。 一方両本線と渡線部は6P2切替トグルSWで左(A)/右(B)です。


機関区に3P2切替トグルSW4個使用し、上(ON)/下(OFF)します。 留置線は縦列駐機時に奥の機関車同時走行防止用、転車台奥は入庫機と一緒に対角機関車同時走行防止用で、出庫時のみONするSWです。

【当社従来線キャブコン制御盤】
中央2列7個が駅構内線用で6P3切替トグルSW、左右3個が本線用6P2切替トグルSWです。 SW総数、3切替/2切替数が同じになったのは偶然で特に意味はありません。


★フィーダー設置
10電気区間なのでフィーダー10ヶ所で良いと思うかもしれませんが、そうは行きません。 フィーダーはフィーダー線路S62F使うかまたはジョイナー半田付けで下に逃がします。

駅構内1-7番線と左方渡線電気区間は各フィーダー1ヶ所です。 本線は各3ヶ所設置し1本に束ねます、KATOユニトラック給電距離はフィーダーから最大4mでこれだけで2ヶ所必要、更に脱着でジョイナー緩くなり勝ちな橋梁部分を両側給電にして3ヶ所です。

10組のフィーダーはキャブコン制御盤の6PトグルSWに上図の様に配線します。 トグルSWは中央端子がツマミが倒れた方向(訂正2021.02.05:と逆)の左右端子に接続されます。 間違えた場合は180度回転すればOKです。 なおKATO転車台にもフィーダーがあり、これは転車台コントローラ(TTC)にF7を接続し、F7選択キャブから給電します。


★ギャップ設置位置
ギャップ設置法については拙ブログベストセラー記事の一つポイント電気講座③ギャップとフィーダー設置法に詳しく解説してます。 この中で『ポイント分岐側が対向する場所にはギャップを設置する』と解説してます、ショート防止のギャップです。

中央駅構内線形で渡線状にポイント分岐側が対向する場所が6ヶ所あります。 この内片渡線GWAは製品にギャップが切ってあるので加工不要、2番線Y字ポイントは1/3番線ポイントと4方向絶縁ジョイナーで接続しギャップを設置します、右方6/7番線G7Bも同様です。

【『ポイント電気講座③ギャップとフィーダー設置法』より転載】
1/3/4/5/6番線もポイント分岐側が対向しておりショート防止ギャップが必要ですが、電気区間区分の運転用ギャップを2ヶ所設置しますので、別に解説します。

次に右行本線にはエンドレスFRと片渡線部FWの二つのフィーダーがあり、これを分離する為にGWBを設置します。 片渡線部FWは補機入出庫や左行折返し列車が右行本線一部を間借りする運転利便性向上目的で個別電気区間にしてます。 また転車台はTTCからフィーダー供給されギャップが必要なのでGT1/GT2を設置します。


転車台進入線対角駐機線にGK1/GK2、縦列駐機留置線にGY1/GY2を設置し暴走防止します。 筆者は原則両ギャップですが、作業量削減できるこの部分は片ギャップ採用です。

最後は1/3/4/5/6/7番線を個別電気区間にするギャップです、中央駅はアンカプラーレールS124U 4ヶ所組込みで、ここで補機連結開放するには別電気区間にする必要があります。 1/3/5/7番線はS124Uの磁石を外し糸鋸で中央両レール切断、磁石再装着の工程です。


それ以外のG1B/G3A/G4A/G4B/G5A/G6A/G6Bは、番線有効長を確保し接触限界を超えないレール接続部のユニジョイナーを絶縁ジョイナーに置き換えてギャップを設置します。 これでデュアルキャブコントロールの電気区間区分とフィーダー/ギャップ設置完了です。


ではまた。

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