Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

湖南電源 最後の悪足掻き?

湖南電源評価が終了し恐れてた最悪事態は回避できました。 保護回路動作は100%満足できませんが『gaou』さんの了解を得て足掛け4年の本案件ケリを付けたいのが本音です。

【小川を渡る急行】
しかしどうにも後味が悪いのです。 もう一度設計やり直す気力も時間もありませんが、何とかする知恵はもう出ないのかと考えました。


4.追加計測と動作解析
一つ気になる発見が前回実験でありました、ポリスイッチ正常時抵抗が特性概念図から予想した0.1Ωより高く0.3Ωの実測値を得た事です。

ショートで保護回路非動作だった常点灯1.4Vで出力と回路系GNDを計測しました。 回路系GNDは電圧縦軸を10倍0.2V/目盛に拡大してます。 前回計測値0.3Vは正確には0.34Vでした。 瞬時電流1Aで0.34Vは保護回路動作の1.3Aでは0.44Vです、従ってポリスイッチの抵抗成分で保護回路が動作する事はなく、トリップによる抵抗値増大で動作してます。

出力を2.5mフィーダー線先の10.8Ω抵抗でショートした時の波形です。 出力は11.4Vから1.3Vに落ち、回路系GNDは0.34Vから0.8~0.88Vに上昇しました。 ポリスイッチが0.34Ω抵抗なら2.5A前後の瞬時電流が流れてる計算になりますが、トリップしない領域で抵抗値が増えてる可能性もあり、ショート時瞬時電流は解りません。

それより何故0.8Vでトランジスタオンして保護回路が動作しないのか不思議です。 トランジスタオンする0.7V以上パルス幅は5-6μsec、使用した2SC1815は1μsec以下の応答速度なので動作するハズです。 いずれにしても設計通りに回路が動作してないと解りました。

【夜の機関庫】・・・挿絵画像です
常識を覆された気分ですが、考えられる可能性は二つです。
➊何らかの理由で回路系GND電圧0.8Vでトランジスタオンできない。
➋トランジスタオン時間が短くラッチ回路オフ・保護回路動作しない。
筆者感触では➊の可能性が高そうです、➋なら0.7Vでクリップされるのが自然だかです。


では1.9V出力で保護回路動作した時には何が起きてるのか、これも可能性は二つです。
➊パルス幅が広がって何らかの理由が消失しトランジスタオンした。
➋ポリスイッチ発熱で抵抗値が数Ωに上昇して保護回路が動作した。
これはどちらとも言えません、情報収集でもう1条件計測しました。

蒸機常点灯上限0.6Vで出力と回路系GNDを計測しました。 当然パルス幅は狭くなりますが、瞬時電流変わらないので回路系GNDは0.34Vです。

出力ショート時の波形です。 出力は11.4Vから2.0Vに落ち、回路系GNDは0.34Vから0.8Vに上昇しました。 常点灯1.4Vとパルス幅が違うだけで回路系GNDが0.8Vに上昇してる事から、2.5A前後の瞬時電流が流れてると考えられます。 平均電流は0.6Vショート時で約0.1A、1.4Vショート時で約0.4Aですが、出力トランジスタ信頼性上は改善したい処です。


5.パッチ回路
5-1.現状整理と対症療法
0.8Vに上昇してる回路系GND波形を見てアイディアが浮かびました。

一連の計測結果から回路系GND電圧は正常動作時に最大約0.4Vです。 一方出力ショート時はトランジスタオンする0.7V超えても保護回路が動作してません。 設計ミスがあるのか何か見落としがあるのか不明ですが事実は事実、ここは原因解明より問題解決優先です。

【出光GS】・・・専門的内容なので箸休め画像です(汗)
この現状ならばパッチ回路追加で問題を解決できる可能性が高くなります。 耳慣れない『パッチ回路』について説明します。

最後の問題解決の為に対症療法的に追加する回路を差す電子回路設計技術者が使う用語で、傷口に絆創膏を貼るイメージからパッチ回路と呼ばれてます。 湖南電源なら苦労したヒゲ対策や他の基本特性に影響与えない、この問題に絞ったアドオンバイパス回路です。

アドオンなので現状の回路変更ありません、正常時0.4V以下、ショート時0.8Vなので、ダイオードで0.5-0.6Vの基準電圧を作り回路系GNDと電圧比較するコンパレータ回路です。 Hyper-G PWM用高速コンパレータを使用すれば、1μsec未満で応答します。

基準電圧ダイオード1N4148直列抵抗は、最初10kΩ/1mA(青丸)を考えましたが、正常時誤動作しない範囲で低い方が保護回路動作し易いので33kΩ/0.3mA(赤丸)にしました。

安全性保証回路固定ナットを外し、スペーサーを介して2階建ての子基板追加方式です。

安全性保証回路とは電源/GND/両CH回路系GND/ラッチ回路ベースの5本で結線します。 このパッチ回路を例えると、回路系GND電圧上昇でTR93/TR94をオンさせる設計が力不足なので、アドオンターボチャージャーを取り付けてパワーアップするのに似てます。

トランジスタを寝かせて薄くます、どちら向きに取り付けるかはケース取付部品や配線干渉の様子で後で決めます。 半田付け苦労しない様に、余裕の部品配置、青ラインはパターン面ジャンパー線接続です。 はてさて最後の悪足掻きは果たしてどうなる事やらです。


ではまた。

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