Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

倉元駅コテコテアナログ制御 完結編

倉元駅アナログ制御はいよいよ最後の追い込みです。

【倉元駅舎】


8.ボタン無茶押し耐性確認
アナログ制御特有の問題です、5連プッシュロックスイッチ2個は独立ですので個別選択できます。 孫と一緒に遊び無茶押しされても電源ショートや故障が起きないか?、フールプルーフ/フェールセーフの確認です。

前回ギャップ/フィーダー修正したので、改修後各制御信号の制御内容を整理します。 FJ1切替がFJk切替に変ってますが、制御重複がP2/P4/20度クロス/FJhは変化なく同じです。

1対1対応独立制御信号機は確認不要、他の制御があるN2-4とK2-4同時押し制御重複で何が起きるか確認します。 基本的に非制御はポイント定位、従属フィーダー/20度クロス切替なしなので問題ないハズです。

N2/K2同時押しはN2でP2、K2でP1/P3反位で制御重複がありません、一方が直進すれば衝突の両渡線部ですれ違うモードですが運転可能、異常現象は発生しません。 N2/K3同時押しもN2でP2、K3でP4反位と20クロス切替で運転不能ですが制御重複がなくOKです。

N2/K4同時押しはP2反位切替が制御重複しますが、ダイオードオア双方制御信号でオンし異常現象は発生しません。 N3/K2同時押しは制御重複がなくOKです。

N3/K3同時押しは制御重複有無が混在しますが、ダイオードオア双方制御信号でオンし異常現象は発生しません。 N3/K4同時押し及びN4/K2同時押しも制御重複がなくOKです。 N4/K3同時押し及びN4/K4同時押しは構内2列車運転使用モードで検証済みです。


9.6個連動トグルスイッチ活用法
採用する5連プッシュロックスイッチには各ボタン6個連動トグルスイッチが入ってます。 1個を制御信号出力に使い残り5個を遊ばせて置くのは勿体なさ過ぎます。 単なるケチケチではなく上手く活用して配線や部品、製作労力を減らせないか検討する事にしました。

【基板配線は使用しません】
電気的接続は上図の通りで1/5選択ボタンだけコモン端子が奥に、他は前に接続するトグルスイッチが6個入ってます。 2回路使えば制御盤直近の従属フィーダーFJk切替リレーの役割を果たします、駅構内低速運転なので電流容量の心配はありません。

2回路FJk接続切替はたったこれだけ、使わない手はありません。 引上線従属フィーダーFJhと20度クロスもと行きたい処ですがダメです、双方複数ボタン切替があり、ダイオードオア+リレー切替が必要だからです。

そこで注目したのが信号機、切替制御配線が長く2m近くあります、カーブ鉄橋脇の2本除けば制御盤に届きます。 瞬時電流が心配でしたが2回路なら電流容量問題なさそうです。

2回路並列使用の信号機切替配線です、1ボタン1信号機ですが2番線出発信号機S2だけはK3制御信号を駐泊所ポイント切替P8トグルスイッチ経由でリレー動作させます。 信号機付属の長い切替制御配線を利用すれば、9V電源と制御信号を引き回す必要がなくなります。


制御信号発生回路は1回路でOKですが配線が楽な2回路使用します。 N1/K1はボタン照明しなければ不要です。 5連プッシュロックスイッチに制御信号発生に加え信号機7基、従属フィーダー1ヶ所、計リレー8個分の仕事させたので、活用法はこれで十分とします。


10.まとめ
部品入手で一気にアナログ制御に舵を切り、実用性能でデジタル制御に引けを取らないシステム構築ができました、最後にまとめです。


10-1.制御システム図
ここまで個別解説してきましたが、システム全体俯瞰しないと何が何処に接続されるか良く解りません。 デジタル制御だと図面3枚は必要です。

【倉元駅制御システム図】・・・無断転載禁止します
上図はリレー電源と逆起電力保護ダイオードを省略してます。 ボタン照明する場合はN1-N4/K1-K4制御信号を使います。 Pecoポイントはリレー1回路配線3本、20度クロス/THbは2回路配線4本、FJhは2回路配線6本です。 5連プッシュロックスイッチと付属スイッチ活用のアナログ化で図面1枚で表せました。 書き直し数度、図面作成1日仕事でしたが。


10-2.制御盤イメージ
従来線制御盤はそのスペース制約から信号機3基しか設置できず、延伸線倉元駅は構内線は少なくても複雑な運転制御と信号機8基設置なので、十分なスペースを確保しました。

中間柱が邪魔ですが、両キャブ電源間に90mmx320mmを確保してます。

一括制御で操作系は大幅に簡略化され、トンネル内交換施設や従来線乗入れ制御含めてこれだけです。 5連プッシュロックスイッチを横配列した方が使い易いかもしれません。


10-3.アナログ制御変更メリット
5連プッシュロックスイッチ入手時は、『多少性能犠牲にすれば何とかなるかもしれない』だったのですが、ここまでできるとは想定外、アナログ偉い!、です。 一見複雑な倉元駅制御がポイントスローアクション中止すれば、Arduino制御が不要だった訳です。

お金や時間を節約できたのもありますが、スケッチ習得の億劫さの精神的ハードルがなくなったのが何と言っても最大の効果です。

部品と配線減も視力低下の身には大歓迎、半田付け箇所は少ないに越した事ありません。 以上、アナログ制御方針転換は大成功になりました。


11.応用事例
今回当社延伸線に適用した多連プッシュロックスイッチによるアナログ制御は、特殊線形の倉元駅だから効果があった訳ではなく、一般線形でも応用範囲が広いと考えてます。

例えば当社生野駅に似た単線区間4線駅です、双方向から3進路あり信号機フル設置は12基です。 場所とお金あれば誰でもできますが、一括制御にしなければ操作に追われて運転を楽しめず宝の持ち腐れになります。 

市販4連プッシュロックスイッチを双方向到着/出発に設置し、番線選択ボタンでポイント/信号機一括制御可能です。 2/3番線間を渡線連動可能ですし、各番線を従属フィーダー化して到着/出発側フィーダーにボタン選択で切り替えれば更に使い易いでしょう。 制御重複するポイント切替リレー入口にダイオードオアを入れれば誤動作は防げます。


★追記:『おじさんK』さんのアイディア
本シリーズに『おじさんK』さんからコメントを頂戴しました。 その中に実物同様にポイント切替完了後に信号機切り替れば良いの指摘がありました。 上記制御ではボタン選択と同時にポイント/信号機が切り替わり、P3/P5/P7は信号機切替後のポイント切替です。


回路設計的には5連プッシュロックスイッチ付属トグルスイッチの信号機切替を止め、遅延回路付きリレードライバーとリレーに置き換えれば可能ですが、8基全部は面倒です。

でも一番手前で目立つ1番線出発信号機S1だけ何とかしたいと考えてみました。 進行表示はポイント切替完了後、停止表示遅れは許されないので、N4非選択時制御信号GNDにして上記回路になります。 オンはゆっくりでオフは瞬時になる一方向遅延回路です。

N4ボタン選択時にP6/P7/S1切替音が順次構内に響くのは、いかにも信号扱所2階で人間が操作してる感じが演出可能で魅力がありますね。 『おじさんK』さんに感謝です。


ではまた。

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