Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

Hyper-G湖南仕様改修⑩モグラは何処だ?

前回電流容量確認実験で抵抗負荷を10.8Ωに下げた処、電源電圧が低下し何処かで損失発生してる様子なので実験を中断しました。

【トンネルを出て鉄橋へ】
何が起きてるか確認しなくてはなりません、出力波形(出力トランジスタコレクタ)と同時に電源電圧波形(同エミッタ)を計測しました。

電源電圧が10.1Vまで低下してます、PWMオン時は電流が増えるので8.8Vまで低下し出力は更に0.3V低い8.5V、損失は3種類です。
➊電源電圧低下:12V⇒10.1V
➋PWMオン時電源電圧低下:10.1V⇒8.8V
➌出力トランジスタ損失:8.8V⇒8.5V
全て確認してきた訳ではありませんが軽負荷時の立ち上がりヒゲを含めてHyper-Gオリジナル設計時にはなかった現象で、湖南電源改修の安全性保証回路と常点灯性能改善BAT43奥の手回路の追加が原因と思われます。

【出力トランジスタユニット交換】
BAT43奥の手回路追加要因はICソケット化した出力トランジスタユニットを元に戻すだけで簡単に確認できます。 差し替えて実験です。

結果は上記損失➊➋は全く変化せず➌のみ0.3V⇒0.1Vに減少しました。

この損失増加0.2Vは、BAT43追加で出力トランジスタVce sat増加が原因で、常点灯性能改善のトレードオフで織り込み済みです。 理論設計の裏付けが取れた訳で奥の手回路は損失増加主因でなくセーフ、他に考え得る常点灯性能改善策がなかったのでホッとしました。

出力トランジスタユニットを元に戻し抵抗負荷を19.5Ωに変更しました。 10.1Vに低下してた電源電圧は11.7Vに上昇、PWMオン時低下も負荷電流減少で1.3Vから0.8になりました。 ここまでに解った事を整理します。

PWMオフ時は負荷電流ゼロ、抵抗負荷10.8Ω/19.5Ωの電源電圧同じハズなのに何故か違う、不思議です。 電源電圧を供給する安全性保証回路の負荷変動と損失の関係を調べる必要があります。 戦線拡大する前に常点灯の軽負荷で発生する立ち上がりヒゲを調査します。

負荷抵抗を470Ωに変更して計測しました、 電源電圧PWMオンオフ時は19.5Ωより各0.1V上昇し、出力電圧は1.0Vも上昇しました、そして盛大なヒゲ、画面レンジオーバーです。

出力波形縦軸を2V/目盛から5V/目盛に変更し、更に横軸を10倍に拡大しました。 ヒゲのピークは18V、そして電源にもヒゲ位置にノイズです、コレは関係ありそうです。 データ省略しますが、ユニット交換してBAT43奥の手回路はヒゲと無関係と確認しました。

負荷抵抗を19.5Ωに戻して縦軸双方2V/目盛、横軸10倍で波形観察しました。 ヒゲは出てませんが立ち上がり部に波形乱れと電源ノイズがあり、軽負荷時ヒゲが重い負荷で鈍って姿を変えただけで本質は同じです。


電源ノイズ(原因)があるからヒゲ(結果)が出る、ヒゲ(原因)があるから電源にノイズ(結果)が出る、原因/結果がどちらか解りませんが見つけた以上要対策です、電源ラインに10MHzノイズとは驚きでした。

Hyper-G電源-GND間にノイズ除去用100μFアルミ電解コンデンサが入れてあり、数十Hzから数百KHzのノイズを除去します。 アルミ電解コンデンサは小型で大容量実現可能ですが周波数特性が悪くMHz帯ではコンデンサの役割を果たしません。 周波数特性が良い誘電体ほど大容量実現困難で、ノイズ除去パスコンには上記3種が使い分けられてます。

パスコン用チタバリ/チタコン3種を常備してます、ここでは0.1μFを使用しますが、チタコン1000pF(102K)用法を、レイアウト制御に使用されてるAuduinoを例に解説します。

Arduinoに限らず最近の半導体プロセスで生産されたデバイスは高速動作で、その応答速度は150MHzに達します。 基準クロックは4/16MHzでもクロックを2のn乗分の1周波数にする分周器が多数あり。2MHz・1MHz・500KHz・・・976.6Hz・488.2Hzが存在します。


アナログ制御用PWM出力が中途半端な周波数なのはクロック2のn乗分の1でしか動作できないからです。 Arduinoシステム全体から150MHzまで高周波ノイズが輻射され、ブレッドボードで配線引き回すと、配線が高感度ノイズ受信アンテナになり確実に誤動作します。

ノイズ誤動作防止法としてプルダウン抵抗が公知技術ですが、数MΩの端子-GND間抵抗値を1/100にしてノイズアンテナ感度を下げ、『確実誤動作』を『何とか動作』に改善してるだけで、配線を束ねて結束させたりすれば誤動作が発生する程度の初歩対策です。

プルダウン抵抗に替えてパスコン使えば端子-GND間の対ノイズ抵抗値は数Ω以下、プルダウン抵抗の1/10000になり絶対に誤動作しません。 ただし100MHzを越える周波数では配線や基板パターンもコイルの役割を果たすので、パスコン設置場所は入力端子近くです。

脱線しました、話を戻します。 ノイズ周波数は10MHzですが両CHそれぞれの出力トランジスタエミッタとGND間に0.1μFを追加しました。 ユニット外しての作業です。

電源パスコン2個追加後出力トランジスタユニット挿して波形観察、電源のヒゲはかなり小さくなりましたが出力のヒゲはピーク18Vが17Vになっただけでほとんど変化なしです。 つまり出力波形のヒゲが原因で電源ノイズは結果と解りました、小さな1歩前進です。

今回の検討で高負荷時損失増加も出力波形のヒゲも安全性保証回路が原因とモグラの正体が解りました。 苦労して開発成功と思ったのにガッカリですが、問題解決に向けてブラッシュアップするしかありません。


ではまた。

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