Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

Hyper-G湖南仕様改修⑨モグラ叩きの如し

前回の続きです、先に出力回路を最終仕様にしてから安全性保証回路動作点、つまり電源電流容量を確認する工順に変更しました。

【中学校教室の中】
ところがまだ4-5本残ってたハズの改修に必要なダイオードBAT43がどこへ行ったやら見つかりません。 業を煮やして2パック20本発注、部品代¥300なのに送料でトホホです。


◆出力回路改修
蒸機常点灯性能改善の検討結果に従い出力回路を改修します。

ショットキーダイオードBAT43を追加し出力トランジスタToffを短くする奥の手回路採用です。 出力電流が大きい時にはトランジスタ飽和電圧Vce satにマスクされ、非導通でないのと同じと解説しましたが、部品選定条件で解説してない事がありました。

【秋月BAT43データシートより】
電源出力ショート時にBAT43には12V弱の逆電圧が掛かります。 これが部品の絶対最大定格を超えると、たとえ保護回路動作までの瞬時でも絶縁破壊のリスクが高く、その後何が起こるか解らなくなります。 BAT43の逆耐圧は30Vなのでその心配はありません。


出力トランジスタICソケット化したのは電源組立前でメインボードに挿して半田付けしましたが、今回はユニット別組立で最後に挿さなくてはなりません。 ショットキーダイオードBAT43追加もあるし視力低下も進んでるので、確実性の高い組立法の工夫が必要です。

14ピン丸ピンタイプICソケットです、平足タイプは使えません。
ICソケット半田付けに固定が必要で、ピンを痛めない様にユニバーサル基板2枚重ねを工作マットに仮止めし、ICソケットを挿しました。
太いトランジスタ足を挿入できない端子穴に半田盛りしました。
出力トランジスタは新品交換です、前加工準備として型番印刷面を下にしてユニバーサル基板にテープ仮固定します。

自分の眼を信じてないのでマーキングありますがテスターでBAT43極性確認します、ダイオードモードで導通方向で順電圧表示します。
コレクタ-ベース間にBAT43を点でなく面で半田付けします、と言っても見えてないのであくまで気分、写真確認が欠かせません。
出力トランジスタをICソケットに半田付けしました。
使用する6ピン残し余分切除、テスター導通確認しユニット完成です。


◆出力回路改修確認
完成ユニットと旧出力トランジスタユニットを交換します。

ICソケットユニット化したので交換はワンタッチです、前回交換時『次に交換必要になったらパターンも視力もNG』の判断は大正解でした。 最小安定出力電圧から確認します。

47Ω負荷で波形観察しながら、常点灯使用可能な不安定発振領域を過ぎた安定発振領域下限に調整時の出力電圧は0.26V、改修前の半分未満で蒸機常点灯調整範囲を確保できます。

発振波形1パルスを拡大しました。 BAT43のToff短縮効果や恐るべし、これまで見た事ない幅1μsec弱の常点灯パルスが出力されてました。

前写真にレールが写ってるのは実車試験準備でした。 47Ωを外してKATO D51をレールに乗せ、安定発振最小電圧に調整時の常点灯です。 必要最小限輝度は確保されてます。

出力電圧はモーター逆起電力効果で0.18Vに下がります、パルス幅は0.8μsecに更に狭くなってます。 ただし以前確認された軽負荷時のヒゲが22Vピークも出ており要改善です。

それはさておき蒸機常点灯調整範囲確認先行です、0.3Vで必要十分な輝度になりました。

写真は0.5V常点灯です、更に電圧上昇させると0.7Vで微速前進開始、安定発振最小電圧から0.5Vまで0.6目盛、0.7Vまで0.8目盛の調整幅がありOKです。 蒸機常点灯問題解決ですが、常点灯調整ボリュームMinが下がればMaxも下がる道理、確認する必要があります。

常点灯ボリュームMax出力電圧は19.5Ω負荷の同条件で1.85Vから1.68Vに下がりました。 通常モーター車走行開始電圧は、整備状態や牽引両数によりますがおおよそ1.8-2.0Vです、改修前後共にボリュームMaxで確実に走行開始しません。


市販電源常点灯調整Maxは3V以上で走行開始直前に調整する様になってます。 ゼロ調整で上限2V以上可能ですが、下限電源オン時起動ドリフトで不安定発振出力が出てしまいます。 ボリューム10kΩ⇒25kΩ変更で双方クリアできますが、調整がシビアになりNGです。

Hyper-Gは波形が鋭く1.0-1.2Vで実用域、1.5Vで煌々と常点灯するのでOKと考えましたが、以上状況と考え方を『がおう☆』さんに伝え、この仕様でOKの了解をいただきました。


◆電源電流容量の確認
前回19.5Ω負荷に10Ω10Wを並列追加し6.8Ωにしたら瞬時電流で保護回路動作でした。

このダミー負荷は47Ω10W2本と330Ω1/2W3本並列です、計算上は。
1/47+1/47+1/330+1/330+1/330=1/X X=19.4(Ω)
ですが実測値19.5Ωになる様に現物合わせ製作しました。 19.5Ωは電源電圧11.7V(公称12V)で電源仕様50%の0.6A、1M6-7連室内灯点灯想定の負荷だからです。 電流容量確認にはこの負荷を10Ω弱に下げ、保護回路動作限界点を計測すれば良いと解りました。

やっと出番が来た10Ω10Wは部品箱に逆戻り、替わりに4本調達47Ω10W2本の出番です。

47Ω10W2本を19.5Ωに並列接続すると10.8Ωになりました、PWMピーク電圧10.8Vとすると瞬時電流1.0Aですが一旦これで試験します。

常点灯Maxでスイッチオン、保護回路動作せず電流容量1.0Aクリアと思いきやアリャリャ、ピーク電圧が19.5Ω負荷の10.8Vから8.8Vに2Vも下がってる!、これは奥の手回路副作用が高負荷側に出た様です。 ここで電流容量実験中止、現状把握と改修が必要です。


蒸機常点灯問題片付けたと思ったら今度はその副作用、16V以下に抑える必要がある軽負荷時の立ち上がりヒゲ問題も残ってるし、モグラ叩き状態に陥ってますが一つ一つ片付けるしかありません、ヤレヤレです。


ではまた。

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