Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

Wさんのレイアウト⑧運転操作シミュレーション

楽しく遊ばせていただいたWさんのレイアウト、線路配置設計と電気設計サポート完了しましたが、操作方法を解説して置かないと仏作って魂入れずになりかねません。 今回基本的な操作方法を解説し結びにします。

【減反転作水田】
食糧増産から一転米を作るな!への農政180度転換、農家は農協割り当てに従い転作奨励金を貰って耕作効率が悪く収量の少ない水田を転作しました、ここは蕎麦の転作水田です。 50年続いた減反は農業生産意欲と競争力を低下させただけの失政に終り廃止されました。


★Wさんのメール
最初は上手く歯車が噛み合わなかったWさんとのコミュニケーション、現在は順調です。

電気設計サポートから始まった今回のお話、結果から見ると線路配置設計サポートの方がWさんにとって大きな価値があった様です。 レイアウト設計事務所を開きますかな、ただしTOMIXお断り、バカッ広複線間隔や45度カーブポイントの醜い線形じゃ食欲湧かないし、切替通電不良常習犯のすぐ壊れるポイントではサポートし甲斐ありませんからね。


★デフォルト
レイアウト制御盤はデフォルトを決めておくべきだと考えてます。 運転終了時にデフォルトで電源OFFすれば、次の運転開始時に迷わなくて済みます、習慣化をお薦めします。

デフォルトは中央駅構内線フィーダー全てOFFです。 ポイントは構内本線1/3番線開通、機関区内は一番手前の転車台進入線開通にしました。 ポイントSWレバー操作と開通方向を一致させたのでデフォルトポイントSW位置はPS1/PS5の2ヶ所が他と違ってます。

その他、機関区出庫SWはOFF、TTCディレクションSW前進、転車台主桁操作室扇形庫側出庫作業開始位置です。 デフォルトは電源ON時に予期せぬ暴走防止基準で決めてます。


★本線2列車運転
複線エンドレスのWさんレイアウトは2列車左側通行運転が基本です。

上図赤点線丸の様に3番線フィーダーをキャブA、1番線フィーダーをキャブB選択すると、右行/左行両本線全域がキャブA/Bから独立して給電され、2列車運転可能になります。

右行本線進路は2/3/5/6番線、左行本線進路は1/2/4番線と副本線が複数あるので、空き副本線へポイント切替と番線フィーダー選択し進入・停車、フィーダー選択OFFで留置、別副本線留置列車をポイント切替と番線フィーダー選択で運転する事ができます。


中央駅に4列車(本線留置可なら6列車)停車させ右行/左行本線各1列車運転ができます。 線形的には7番線留置も可能ですが、機関区入出庫線兼機廻し線運用にすべきと思います、Wさんが決める事ですね。


★折返し運転
左方設置の片渡線を使い右行本線列車の折り返し運転ができます。 本線2列車運転のバリエーションで、左行本線列車を留置して右行本線列車⇒左行本線列車とし、留置右行本線列車運転開始の運転形態になります。 折り返し運転操作を順を追って解説します。

上記操作になります、転車台回り操作は後述します。 ディレクションSW操作5回(TTC除く)、ポイント切替8回+機関区内、フィーダー選択SW操作3回に加え新旧本務機走行と転車台操作含めた機関区内制御です。 『さて次は』と考えながら指差確認必要な運転操作ですが結構楽しく、レイアウト製作者ならではの特権です。


★三重連補機の連結開放
前項まではキャブコントロールとこれまでの電気設計の復習目的で解説しました。 Wさんは電気苦手を自認してるし、筆者はWさんが何が解らないか解らない、良くある事です。


ここからは筆者も頭の整理をしないとミスを見逃しかねない危ない領域、三重連補機の連結開放、Wさんには絶対必要情報です。

現在キャブBで左行本線貨物列車運転中です、数周後に前補機2両の三重連運転に移行する為、キャブBを定速周回運転にしてキャブAで補機準備するシチュエーションです。

まず7番線フィーダー選択SWを左に切り替えキャブA運転可能にします、機関区内はF7接続FTT給電なので、この時点のディレクションSW操作は無関係ですが、いずれ機関区進入線ギャップを越えて左行で出庫するので先に左行に切り替えます。 次にPS09レバーを上に倒し7番線を転車台進入線手前側に開通させます。 ③と④は図解しないと解りません。

TTCディレクションSWは基準位置前進、出庫なので主桁操作室扇形庫側で補機駐機線に主桁を合わせます、駐機線に給電され主桁へ前進運転できます。 進入線ギャップ先は7番線からポイント開通しディレクションSW左行に切り替えたので図の極性になってます。

左行本線補機なので左向きに出庫しなくてはなりません。 この場合時計回りに転車台回転させて進入線に主桁を合わせると操作室扇形庫側の出庫位置なのでTTCディレクションSWは前進のまま操作不要です。 進入線ギャップを越えて7番線まで運転可能状態です。

扇形庫駐機機関車逆向きの場合です、主桁操作室扇形庫側で補機駐機線に主桁を合わせます、駐機線に給電され主桁へ後退運転できます。 推奨用法は入庫/出庫と主桁操作室向きだけを基準にし機関車向きは一切無関係です、でないと頭がウニどころか液状化します。

左向き出庫に主桁を合わせると操作室進入線側の入庫位置に変わってます、機関車が方向転換したからです。 この場合はTTCディレクションSWを後退に切り替えないと出庫できません。 180度毎極性反転機能なければ入出庫=電源ディレクションSW方向で単純明快でした。 『石頭のKATO設計者め!』と心の中で毒付いてます、やっと操作⑤です。

赤点線丸の様に7番線フィーダー選択と機関区入口ポイントが切り替わってます。 転車台主桁から7番線図示位置まで運転し停止です、ギャップ先は非給電で走行できません。 前補機1両ならここで補機準備作業完了ですが三重連は前補機2両なので操作が面倒です。

①はデフォルトなら操作不要です、連動ポイント3ヶ所切り替えて右行本線7番線開通させキャブAで補機1号機運転可能にします。 次に補機1号機を前進し後部をS124Uに合わせ、PS4切替で右行本線6番線開通し補機1号機を非通電にして補機2号機を待ちます。

【右方連動ポイント切替図示省略】
補機2号機(ライトグリーン)を補機1号機と同じ手順で出庫させ、7番線まで前進運転し補機1号機に連結します。 これでキャブAの補機準備作業完了です、まだまだ作業は続きます。 解り易くする図面作成の手間半端じゃありません、転車台と合わせ1日仕事です。

ここから補機連結作業はキャブBで行います、次の周回で左行本線貨物列車を1番線に停車させます、本務機前部S124Uの位置です、停車したら1番線フィーダーSW中点OFFの留置状態にします。 7番線と渡線部フィーダーSWをキャブB選択し補機2両運転可能にします。

【右方連動ポイント切替図示省略】
PS4/PS1を切り替え7番線を左行本線左方へ開通させます。 そして補機2両連結状態で左行本線左方へ本線引上げします。

PS01で片渡線を切り替えディレクションSW逆転して本線引上げした補機2両を後退運転、本務機に連結します。

【右方連動ポイント切替図示省略】
再びディレクションSW逆転し、留置状態の1番線フィーダーをキャブB選択すれば三重連が同時走行可能になり発車です。 左行本線三重連の補機開放は全く逆の手順になります。 前補機2両連結のまま機関区留置線の出庫SW ONで次仕業待機運用もアリだと思います。

【当社生野駅前補機連結作業】
右行本線三重連は5番線で可能です、左右反転で片渡線操作がなく切替ポイントが変わるだけなので解説は省略します。 以上の解説でWさんは実際の運転操作を理解し慣れていただけると期待してます。 筆者も疲れましたが付き合わされた読者もお疲れかと(笑)


★終りに
以上8回に渡りWさんレイアウト設計お手伝い記を公開しました。 結構楽しかった(イライラも多少・・・爆)し、読者に情報提供もできました。 Wさんのお手伝いしなかったら、ユニトラック+TOMIXホーム用法やKATO転車台の問題点発見はなかったでしょう。 本シリーズは『露太本線ブログINDEX:レイアウト制御』に追加します。[本項完]


ではまた。

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