Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

湖南電源⑮安全性保証回路製作の大誤算

納期延長の湖南電源は安全性保証回路設計終了で放置してました。

【7月末に秋月から届いた荷物】
『できた時で良いですよ』の言葉に甘え、興味の赴くまま風景製作に励み、アッと言う間に2ヶ月経過しました。 一度気持ちの糸を切ると戻すのが難しい事もありますが、基板半田付けが苦痛になったのが本音です。

中身はこれだけ、在庫切れブレッドボードタイプユニバーサル基板と安全性保証回路用特殊抵抗器です。 通販だけでなく店舗も持つ秋月のコロナ対策案内が同封されてました。

放置理由がもう一つ、レイアウト製作開始以来愛用半田ゴテが入ったり切れたりの通電不良で、ン十年前の半田ゴテ引っ張り出しましたがコテ先がチビて作業性が悪かったのです。 電材屋に行く機会があり交換用コテ先購入、もう先延ばしの理由がなくなりました。


1.基板製作

設計通りに基板を切り出し、スペーサー用φ3.2mm穴を追加しました。

【『湖南電源⑭』より転載】
自分で設計した部品配置図見ながら基板製作を進めます。

最初にトランジスタE-B間470Ωとコレクタ接続ポリスイッチ足を電源リード線半田付け可能な端子加工し指定位置に半田付けしました。
不足部品調達があったので470Ω4本並列でなく100Ω3Wを使います、巨大で縦付けするとブレーキボリュームに干渉するので足加工し配置図より1ピッチ長く実装しました。
トランジスタを足加工して挿入しECB3端子半田付け、入出力大電流部実装完了です、ブレーキボリュームに干渉する場合はトランジスタを斜めにして逃げます。
プラスペーサーを取り付けました、これを裏蓋に接着固定します。

出力から電源ラインへジャンパー線、電源-GND間に100μF実装しました、と思ったら間違えて10μF実装、後の③で気付き100μF追加、全く小さな文字が読めず嫌になります。
ラッチ回路NPNトランジスタを挿入し、EB端子に5.6kΩ2本とジャンパー線を半田付けしました。
電源オンする微分パルス発生コンデンサは空中配線なのでリードにショート防止被覆線を被せて半田付け、これでオン側部品は実装完了です、左下に100μFを追加しました。
ラッチ回路を過電流検出でオフする各CHトランジスタ2個と電源-ベース間33kΩ、及びエミッタ-GND間ジャンパー線を半田付けしました、この状態で実験開始します。

最初は非通電確認、自分の半田付けが信じられないので欠かせません。 テスターと拡大鏡目視確認で、部品間違いや半田付けオープン/ショートがない事を確認しました。

保護素子を入れずにショートして安全性保証回路と試験用Hyper-G基板を接続し、電源SWオンでラッチ回路がオンし通電する事を確認します。

【実験装置】
A4サイズに入れると結構なボリュームの実験装置です。 左下DCジャックから12V入力、右ダミー負荷セメント抵抗部にオシロスコーププローブ付けて波形観察します。


2.誤算その1
ところが電源SWオンしてもラッチ回路がオンせず電源入りません、色々調べてア-ッ。

【2SB1018端子配列】
通常トランジスタは正面型番印刷面から見て左からエミッタ・コレクタ・ベースをエクボと覚えるのですが、2SB1018は逆端子配列でした。 全てがエクボでないと知ってても確認しなければ何にもなりませんね。

表裏逆の正しい方向に修正しました、ベース・エミッタ逆で通電してもダメージがない事をデータシートで確認し、恐る恐る電源SW入れるとオンしました。 電源SW操作を意図的に瞬時/早く/遅くしても、確実にラッチ回路が動作しオンしました。


3.ポリスイッチ動作確認

ポリスイッチは過電流自己発熱動作素子なので、予備実験では常点灯域低電圧出力時は動作しませんでした。 最終回路でどうなるか計測します。

Hyper-G出力GNDを接続変更しGND間に1.3Aポリスイッチを半田付けします。 予備実験で非動作だった出力1.2Vショート試験は保護回路動作しませんでした、大電流トランジスタにベース電流十分流し損失減らせば改善すると期待してたのですがダメでした。


4.誤算その2
次に予備実験で動作した出力3Vショート試験をしましたが保護回路動作しません。 何で~と実験続けて突然出力なしに、出力トランジスタ2SA1359ご臨終でした。 ここでポリスイッチ計測を断念し、生き残った1CHで本命金属皮膜抵抗0.47Ω試験をする事にしました。


5.金属皮膜抵抗の動作確認

ポリスイッチを金属皮膜抵抗に交換し、Hyper-Gは出力を死んだACHからBCHに切り替えました。 原理はTOMIX/KATOと同じ、最初に波形確認しばがら動作原理を解説します。

出力電圧1.2V常点灯域の電源出力と金属皮膜抵抗両端の波形です。 電源出力は約10%オン90%オフのPWMで1.2V出力になってます。 金属皮膜抵抗両端は電源出力オン時のみ1M車相当ダミー負荷に流れる340mAで0.16Vで両者は完全に同期し瞬時応答してます。

出力電圧を10V時の電源出力と金属皮膜抵抗両端の波形です。 1.2V常点灯域と比較しオン/オフ比が変わるだけで、金属皮膜抵抗両端電圧は0.16Vで変化しません。 この0.16Vが1.3Aでは0.61V(1.3x0.47)となり出力電圧に関係なくトランジスタをオンさせます。


ポリスイッチは自己発熱動作素子なので出力電圧により動作が変化しますが、金属皮膜抵抗は損失がある替わりに出力電圧で動作が変化しないのが特徴です。 横軸数μ秒はトランジスタ動作に十分な時間で、ラッチ回路をオフして回路遮断しその状態を保持します。


6.誤算その3
自信満々出力電圧1.2Vでショート試験しましたが、ラッチ回路をオフし回路遮断しません、そんな馬鹿なともう一度やりましたが動作しません。

三度目は金属皮膜抵抗両端電圧レンジを1目盛0.1Vから0.2Vに切り替えて計測しました。 ショート時は0.88Vでトランジスタを十分オンできる電圧に達してます、瞬時電流は1.87A(0.88÷0.47)です。 ここで4日間足踏み状態が続き公開予定が大きく遅れました。

筆者電気関連知識総動員で何で動作しないのか検証しましたが、まだ答えが見つかってません。 ラッチ回路応用の基本は変更しませんが過電流で確実に回路遮断する回路を考えます、進展有ればまたお知らせします。


ではまた。

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