Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

カーブポイント検討完結編

コロナ禍の先行きが予断を許しません。 当地は発症者は居ても感染ルートを追えるケースのみで、県内では長野/松本エリアが市中感染リスクがあるレベル2になりました。 買物で街へ出るのは7-10日に一度、2月末から盆地外へ出てません。


Pecoコード55カーブポイントを使い引上げ線/駅構内線有効長確保した上で、分岐角10度/分岐Rで差別化した美しい線形両渡り線実現の目論見は潰えました。 14度より実感的で信号扱所通票授受ホーム直線も長くなる魅力満点のアイディアでした。

【『大逆転!?カーブポイント検討顛末記』より転載】・・・現設計
後一歩の処まで来れたとなると、納得してコレで行こうと決めてた線形が何だか野暮ったく実感に乏しい様に思えてきました。


1.諦め切れない!
当社は従来線を含め本線有効長930mmに統一し変更できません。 コード55採用には更に基台寸法50mm拡大が必要、床がないので張出しスペースしかありません。 それでも何とかならないか、筆者は諦め悪いんです、人生最後のレイアウト製作ですからね。

前回検討結果の図解まとめです、コード55採用すると倉元駅カーブホームを辞め駅構内側ポイント端を上昇させても引上げ線有効長が45mm短縮します。 逆に引上げ線基準にすると倉元駅構内線が45㎜上昇します。 もう20-30mm何とかならんのか?

【コード80両渡り線レールカット】
現設計は両渡り線クロス1方向と接続4番ポイント双方で14.5mm短縮し、4番/7番ポイント分岐角度差を合わせ込み寸法最小化する前提です。 切断部分はジョイナー付かず突き合わせギャップ、両方向できないので上下バランスが崩れてます。

【『大逆転!?カーブポイント検討顛末記』より転載】
この検討結果は分岐角10度統一コード55の特徴活かし両渡り線4方向全てのクロス/ポイントを1枕木分4.6mm各9.2mm短縮する前提なので線形バランスが整います。


で、製品写真見ててアッと気付きました、コード55クロスフログ端から出口までコード80より長いのです。 写真判断で4-5mm長く、短縮限界長さは裏側ジャンパー線カシメ位置で決まりそうで、こうなると現品確認しかありません。


2.コード55小型クロス現品確認
手元にあるコード80かどちらか一方の無駄が確定する発注です。 すでに気持は完全にコード55へ傾いており、後はどう使うかの問題でした。

結局の処、筆者がやろうとしてる事は、コード55小型クロスと個別ポイントを短縮して組合せ、この両渡り線3方向の定位/反位を入れ替える検討と同じになります。

【コード80クロス調達先ページ】
以前使った調達先で調べると¥2,100+送料、でも取り寄せ品で3週間から1ヶ月、納期保証できないとの話で、そんなに待てません。

【今回調達先ページ】
在庫有りで探すと前者5割増しの高値、他に¥3,500何てのもありました。 でも背に腹は代えられません、ポチッしました。

【Hatton社HPより】
現地調達価格は9.5ポンド¥1,500、やはり利用者が少ないPeco国内調達は高価です。

3日後ゆうパックで到着、送料¥870も高過ぎ、でも時は金なりとも言いますからね。

開封するとクロスレールが金縛りになっておりピンと来ました、コード80クロスと全く異なる設計で、形はクロスでも電気的にはポイントと解りました。

【TOMIX30度クロス】
コード80クロスは2組のレールが完全独立し電気的にはTOMIXと同じです。 違いは櫛歯型通電板を貧弱なコイルバネでペラペラ裏カバーで押し付ける玩具設計TOMIXに対し、ジャンパー線をカシメた高通電信頼性設計Pecoの差です。

【Pecoコード55小型クロス裏側】
良く見えない目でワイヤーを注意深くほどくと左右フログ各1本、中央上下各1本計4本のワイヤーと左右交差レール接続ジャンパー2本があります。 フログが一体でクロスなのに使いこなしはダブルスリップと同じ切替制御が必要です。

【Pecoコード55クロスの電気ブロック】
電気的には上記4ブロックになっており、進路により接続切替しないと両極性給電されず通過できません。 

フログ端から出口まで17mm、4方向絶縁ジョイナー接続で12.5mm、突き合わせで16mmが短縮限界です。 喜んだのも束の間結果は見えてます、検討結果も4.6mm短縮してるので短縮増加はそれぞれ両側16mmと23mm、有効長不足45mmには届きません。


コード55採用には基台延長するか、固まってる風景設計見直すしかないと考え始めましたが、ふと思い付きでもう一つ別の検証を行いました。


3.掟破り(?)の検証
コード55クロスで駄目なら、コード80クロスとコード55ポイントでどうなるの検証です。 4方向ジョイナー接続可能なクロス7.5mm、ポイント4.6mm短縮の条件です。

コード80とコード55のレール自体は同じでジョイナーで直接接続可能です。 コード55は枕木にレールを埋め込み高さを低くしてオーバーサイズ感を軽減する設計です。 混用すると敷設時の高さ調整や見た目の問題がありますが、それはそれとして。

クロス25度でポイント各10度、その間はR700/5度で接続されスイッチバックらしい線形になります。 しかしポイント端間距離はカーブポイント長の影響で585mmになりました。 現行レイアウト設計図に移植すると意外な事に有効長変化なしで収まりました。

最初の図に落とし込むと本線角5度の違いで引上げ線有効長が確保されると解りました。 しかし5度違いの影響は大きく、信号扱所下り方カーブ半径を小さくしなくてはなりません。 それにコード55/80混用問題点も見えず行き詰まりました。


4.突破口は緩和勾配
もう他に手はないのかとスイッチバック両渡り線資料画像を眺めていてハッと気付きました、本線ポイント端と引上げ線ポイント端の高さが違う様に見えるのです。

従来線笠松信号所はKATO両渡り線を本線勾配33.3‰で敷設したので、引上げ線には124㎜の緩和勾配を設け、そこが有効長起点です。 本線ポイントとクロスは本線勾配でも、敷設は難しくなりますが引上げ線/駅構内線ポイントはその必要ありません。

現設計は経験固定概念から両渡り線ポイント端から緩和勾配になってます。 クロスから緩和勾配に設計変更すれば引上げ線有効長が長くなります。 と言ってポイント端出発信号機は実感に欠けるので、有効長延長は約60mmです。


右往左往の挙句にコード55採用決定し悩み甲斐がありました。 あーでもない、こーでもないと悩み出口を探す作業もレイアウト製作の楽しみだと思います。 他にも気になる部分があり、他基台製作前に設計全般を見直し確定したいと思います。


ではまた。

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