Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

ドライブイン擁壁の設計

レイアウトは限られたスペースに立体的な地形造形する為に、どうしても急傾斜地ができ、石垣や擁壁で処理する場合が多くなります。 ドライブイン擁壁設計の前段として、当社の実施例を紹介します。


◆当社の擁壁
様々な表面形状の石垣パネル市販品を使えば、擁壁製作は簡単です。

【笠松信号所付近城跡の擁壁】
この様に形状カットして設置し塗装・ウェザリングで完成、傾斜角だけ注意すればOKです。 風景製作簡略化の強い味方です。

【小川堤防法面】
しかし擁壁設置場所が直線とは限りません。 カーブした小川堤防法面は台形加工した5枚の石垣パネルを貼り合わせてます。 同様な台形加工貼り合わせは写真左側の本線築堤やループ線トンネル出口にも使ってます。

【グラマラスな擁壁】
始めて自作したのが笠松信号所下の擁壁です。 横方向補強材で隠れる部分にV字型切り込みを入れてはぎ合わせ、トンネル出口から線路際にせり出してくる複雑形状の擁壁を作りました。 トンネル出口部別体の2体構成で、自作しない限り実現不可能な形状でした。

【県境トンネル出口の擁壁】
当社で最も背が高く長い擁壁で、前写真の製作経験を基に自作しました。 一見平面に見えますが平面パネルでは作れない形状で、トンネルポータル整合部で曲がっており、右端は他部分より傾斜を緩くしてあります。 最初の2作の補強材正方形は15mmピッチです。

【作り直した擁壁】
この場所は当初台形加工石垣パネル2枚で手抜き工事しましたが気に入らず、自作で作り直しました。 カーブ設置なので設置時直立する様に展開図は扇形になってます。 先行製作の2ヶ所と差別化する為に補強材幅を広くし16mmピッチに、塗色を明灰に変えました。

【雪崩覆い奥の擁壁】
4番目の自作擁壁が雪崩覆いの奥です、形状は平面で市販品も使えましたが自作しました。 線路は下り勾配、擁壁は水平でトンネル出口と右端で高さが違うのです。 コンクリート打ちっぱなしの目地だけで補強材なしの22mmピッチ、色はグッとトーンを落しました。


◆ドライブイン擁壁の設計
これまでの擁壁製作経験と前回予備実験の結果を基に、ドライブイン擁壁を設計します。 頭の中で完成地形をイメージしながらの作業です。

【4体構成の擁壁】
2面とコーナーの3体構成で考えてましたが、県道洞門側に45度曲がった擁壁を加えた4体構成にした方が洞門出口付近地形がより自然になると判断し変更しました。 ドライブインの位置と角度も微修正してます。

【高さは3-4段】
擁壁は見た目のバランスも重要で鍵はピッチです。 雪崩覆い出口線路標高は▲7mm、路盤は▲10.6mm、ドライブイン敷地との標高差45.6mmです。 ここに傾斜角76度の擁壁を設置すると擁壁長は47mm、従来線と同じ15mmx3段+補強材2mmでドンピシャです。


線路側➊の擁壁は3段と決まりましたが、➋➌➍全て3段のラインではドライブインを雪崩から守るには十分な高さとは言えず、少なくとも部分的に図示した4段の高さが必要です。 以上の条件で4擁壁を設計します。

寸法は入れませんが15mmピッチ、左端は15x3+2で47mm高、予備実験結果から上部を5mm張出してます。 ドライブイン建物幅をカバーする全長があり、本線勾配25‰に合わせて右側が次第に低くなってます。

45度コーナー部で線路から離れるに従い3段から4段へ高くします。 ここで高さ変更するのが一番自然で見た目も良いと判断しました。 このパーツの左右縦柱は設置せず、➊➌パーツ縦柱に挟まれた形にします。

45度コーナーパーツに接合する右端は上部が高さの0.1倍6mm張出してます。 追加した洞門側45度コーナーパーツに接合する左端は下部が5mm張出してます。 左手洞門側に向かって低くなる地形なので、赤点線部で折り曲げ傾斜を緩くするオプションを考えました。

しかし製作面倒でも次第に低くした方が素直な地形になると考え直し、この様にします。

追加した洞門側45度コーナーパーツは➌と接合する右端下部が5mm張出し、左端は洞門角度が90度近いので直線にしてあります。 擁壁➊➋➌及び洞門ユニット最終設置位置により変更の可能性が残されてます。


ではまた。

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