Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

田畑の冬支度 実景とレイアウト風景

稲刈りが終わり農家が一息つける10月下旬には例年JA主催旅行がありましたが、コロナの影響で中止された様です。 冬を間近に控えた11月中旬は、春先の田起こしから田植までと同様に田畑の表情が豊かになります。 11月17日撮影写真でその様子を紹介します。

稲刈り後ワラボッチにして天日干しされた稲わらは全て片付けられ、水田にその姿はありません、天日干し期間は10-20日の様です。

稲わらの多くは肥料として田畑に鋤き込まれますが、様々な細工物原料にもなります、昔ならわら沓や蓑、現在でも正月飾りはその年収穫した稲わらで作ります。 ここは野菜収穫後の畑鋤き込み用に積んであります。

こちらの白菜畑の脇にはうず高く積み上げられてます。 白菜だけでなく野沢菜収穫もこれからであり、大地が凍る来月下旬前までに稲わらを粉砕して鋤き込み来春に備えます。

このブロッコリー畑は収穫後トラクターで株を掘り起こし踏み潰し、この日稲わら粉砕機で粉砕作業中でした、作業後再度トラクターで攪拌整地すれば畑の冬支度完了です。

その冬支度完了したジャガイモ畑はこんな冬姿になります。

セロリ栽培ハウスも鋤き込み完了、トラクター入れないので小型機械使っての作業です。

ここはトウモロコシ仕舞畑の想定ですが、収穫後株と稲わらを敷き込んだ冬支度姿を水田にも撒いた粉砕フィールドグラスで表現してます。

一方このキャベツ畑は収穫したまま、これから稲わら粉砕鋤き込みです。

こちらの蕎麦畑も収穫したままの姿、農家の仕事は山ほどあり定年なし、サラリーマンで良かったと本当に思います。

精米時大量発生する籾ガラはそのままでは冬季ジャガイモ保存する断熱材くらいしか用途がありません、想定時代はリンゴを木箱で送る際の緩衝材に使われてました。 硬く分解せず焼かないと肥料にならないのです。


現在ではホームセンターで売ってるドラム缶に煙突付けた籾ガラ焼き炉使うのが一般的ですが、この日昔ながらの籾ガラ焼きを見ました。 籾ガラに火を付け塚にして煙突を立て半日かけて蒸し焼きにするのです。

従来線笠松信号所近くの仕舞畑には鋤き込み用稲わらを積み、籾ガラ焼きを再現しました、煙突立てると煙出てないと不自然なので脇に倒してあります。 住居から離れた田畑には用具保管小屋があるのが普通で、想定時代は耕運機が普及し軽トラも使われ始めてました。

このブロッコリー畑は整地後長ネギを植え替えてあり、このまま冬を越させます、左奥畑の脇に稲わらが積んであります。 使い切らずそのまま放置も多くあり、時代を問わず農村風景小物に使えると思います。 畑の様々な表情を見てきましたので今度は水田を見ます。

この水田は10年ほど前に登場した超合理化米作り水田です。 最新型コンバインには稲わら一括処理機能がある様で、稲刈り後いきなりこの姿になります。 このまま冬を越し来年は水を入れて田起こし代掻きを同時に行い田植えする手を掛けない米作り水田です。


背景には担い手不足があり、親から田畑を引き継いだからと言って仕事辞め専業農家になるのは難しく、多少収量や食味が落ちても家の財産を守り継承する苦肉の策なのです。

干したワラボッチを粉砕するとこの姿になります、やはり新型コンバインには稲わら粉砕機能付きがあり、それで稲刈りするといきなりこの姿になります。 ワラボッチで干してから粉砕する、先に粉砕してから乾かす、風情は別にして高効率なのは間違いありません。

ワラボッチ水田を多く作るのが当初設計でしたが、撮影ポイントに使えずワラボッチ製作が大変な事もあり、干したワラボッチを粉砕し鋤き込み前の水田を多く製作しました。

同じ農家の水田、手前が鋤き込み作業後after、奥がこれから鋤き込み作業beforeです。

丁度この日が奥の水田の鋤き込み作業日だった様で、小型トラクターが鋤き込みアタッチメント付けてスタンバってました。

ワラボッチはコンバインが脱穀排出したワラ束をまとめて立て掛け組み、水田毎に所有者の性格が出て面白い物です。 やはりここ10年ほどですが、ワラボッチにせず稲わらロールにする例を多く見る様になりました。 現代レイアウト風景小物に使えると思います。

冬支度完了の水田はこんな姿で来年4月中旬まで半年近くを過ごします。

担い手不足に加え自由化で競争力強化と生産性向上が農家に求められており、大規模化と機械化が進んでます。 『農機ローン払う為に働いてる様なモンだ』の声も聞かれます。

水田入口はコンバイン・軽トラ・トラクターが出入りし、柔らかい地面なのでこの様に轍が刻まれそこに雨水が溜まってます。

その様子再現を2ヶ所で試み、ここには水溜りを作りましたが、こげ茶色ベース+グロスポリマーメディウムで成功したとは言えません。

最後に用水路の様子、ここは幹線用水路です。 春先水田に水を張る時期の水量が一番多く10倍以上、9月までは水田水管理や野菜畑へのポンプ汲み上げで5倍程度の水量です。 需要がほとんどなくなったこの時期以降は取入口で絞り最小水量になってます。


ではまた。

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