Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

TOMIX N-1001-CL PWM改造②

PWM低周波化改造の続編です。


第二章:速度調整ボリュームMin側のヒゲ
速度調整ボリュームMinでDCフィーダー出力にヒゲが出て完全0V にならない問題を解析し対応策を決めます。 必要があればコンデンサと同時に他部品も切り替えます。


2-1. 三角波振幅変化の検証
三角波振幅が3.6V-7.8V、4.2Vから3.7V-7.7V、4.0Vに減り、速度調整ボリューム可変範囲が原因と仮説を立てました。 ボリューム両端と電源及びGND間に並列抵抗を入れヒゲの様子を観察しましたが変化ありません。 原因は直流電位ではない事が解りました。


2-2. 常点灯領域の動作検証
となると常点灯領域の動作にヒントがありそうだと推測し詳しく調べました。

KATOキハ52走行開始直前、常点灯ダイヤルをステップ4に合わせました、ヘッドライトと室内灯が点灯し走行しません。

この状態で計測した三角波とDCフィーダー出力波形です。 発振周期53μsec、パルス幅6μsec、平均電圧は12x6÷53=1.36(V)で走行可能電圧1.5Vよりわずかに低い値です。

時間軸10倍拡大で観察します。 三角波が右上り充電から右下り放電に変化すると、DCフィーダー出力がONし、1.8μsecの放電時間で6μsecのパルスを発生させています。

常点灯ダイヤル0にするとPWM三角波放電時間が0.3μsecに短くなり、DCフィーダー出力パルスは消え0Vになります。

トグルスイッチで発振周波数を96Hzに切り替えました。 オシロスコープ時間軸を1/100にして観察すると三角波放電時間が40μsecへ130倍も長くなっており、その間DCフィーダー出力にパルス(ヒゲ)が発生しています。 つまり、低周波数化する為にコンデンサ容量約200倍増加で長くなった放電時間が原因でヒゲが発生すると結論付けました。

その結論を追加検証する為、トグルスイッチを元へ戻し速度調整ボリュームMax側を確認しました。 PWM三角波は0.2μsecで充電し、ゆっくり放電するMin側と逆の形で、DCフィーダー出力は直流最大電圧になっています。

トグルスイッチで発振周波数96Hz、オシロスコープ時間軸1/100に切り替えて観察すると三角波充電時間が150倍の30μsecになっており、その間DCフィーダー出力に20μsecパルスが発生しています。 Max側は長くなった充電時間が原因でヒゲが出ています。


2-3. 結論
①TOMIX変則方式PWMを低周波化した場合、大容量充放電時間増大に起因する速度調整ボリューム両端のヒゲをなくす事はできない。
②三角波とVcompを電圧比較するPWM基本方式ではこの問題は発生しない。
③自作電源は基本方式採用なので、N-1001-CL PWM改造ではヒゲを許容する。


第三章:PWM低周波化効果確認
3-1. KATO蒸機スロー走行性と常点灯の両立

KATO蒸機はスロー走行でヘッドライトが点灯しない速度帯があります。 その現状性能を定量評価した上で、低周波PWMの改善効果を確認します。

露太本線N-1001-CL低周波PWM-1
実験結果を動画にまとめました、結果は以下の通りです。
①KATO蒸機の安定スロー走行できる下限速度は、実速換算30km/h。
②ヘッドライト安定点灯可能な走行下限速度は、実速換算48km/h。
③低周波PWMはヘッドライト安定点灯して、実速換算19km/hでスロー走行可能。


ではまた。

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