Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

TOMIX電気設計の検証 その5 被害者救済策

今回は予告したTOMIX制御機器被害者救済策の実証実験です。


7-2.動作確認と改善効果
TOMIX制御機器15V駆動に変更した場合の各部動作と改善効果を検証します。

実証実験用部品が届きました。 15V/3.34A仕様ACアダプターとセメント抵抗47Ω/10Wです。 セメント抵抗は列車走行ダミー負荷用、ACアダプターは実験終了後、

【『ポイント切替電気講座⑦KATO その1』より転載】
上記筆者の大チョンボ、KATOポイント切替実効電圧10V⇒13V改修に使用予定です。 ソレノイド4個入り両渡り線を駆動するので3.34A仕様を選びました。

皆さんにお薦めする電源はコレ、15V/1.6A仕様ACアダプターです、プラグ形状も極性も純正品と同じ、そのまま挿して使えます。

15V/3.34A仕様ACアダプターで電源供給したDCジャック入力電圧は15.26Vでした。

無負荷時のDCフィーダー最大出力は純正の11.84Vから14.96Vへ3.12V上昇しました。
★ご注意
①最高速が高くなります。(KATOとほぼ同等になります)
②マスコン式制御機器では加速が早くなる可能性があります。
(回路解析未実施で不明)
③マスコン式制御機器ではブレーキの利きが強くなる可能性があります。(同上)
マスコン/ブレーキ制御回路が、一番簡単安価に実現可能な筆者自作電源と同じ『コンデンサ充放電制御式』なら加減速変化なしですが、無責任にコメントできません。

無負荷時の金属皮膜抵抗で浮かした回路系マイナス端子電圧は、5.2mVから6.9mVへ上昇しました。 制御機器内の消費電流が29mAから38mAへ増加した事を意味します、入力電圧25%上昇で消費電流31%増加、妥当な範囲です。

そして肝腎のポイント切替アルミ電解コンデンサ充電特性を計測しました。 充電電圧が13.95Vに上昇し、ソレノイド電流が29%アップします。 また充電開始から2Tで12Vを越えるので、0.2秒程度のパチパチ切替に対応可能な応答性が確保されています。

1M列車走行時ソレノイド電流波形です。 ポイント切替パワーは現行回路の4-5倍あり、切替不良を解消します、また破線の様にポイント2個切替時パワーも現行回路の倍あり、サイドコネクターにポイントスイッチN-Wを装着して使用可能です。


7-3.筆者懸念の確認
TOMIX制御機器15V駆動で懸念される事が2点ありました。
①速度調整ボリュームMinで電圧0Vにならない、またはMax側に不感帯ができる。
②2M列車走行時ポイント切替後コンデンサ充電電流で保護回路が動作する。


どちらも電源15V化に回路設計を最適化しない『簡単改善策』では起こり得る事です。 電気が苦手でもできる『被害者救済策』なので、どちらかがNGなら成立しません。


★懸念①:速度調整ボリュームvsDCフィーダー電圧
速度調整ボリュームは回転角300度、N-1001-CLは10段階の目盛が印刷されています。 まず純正ACアダプターで計測すると、わずかに回すと常点灯パルスが出力されます。 ところがボリュームMax側は目盛8で最大出力電圧になり目盛8-10変化なしです。

速度調整ボリューム目盛8でDCフィーダー出力電圧と波形を計測しました。 PWM制御のヒゲがわずかに発生し、最大出力電圧11.84V⇒11.82Vでした。 ボリューム8-10全く速度変化なしは相当杜撰な設計、これもTOMIX電気設計の出鱈目さです。


テスター計測可能なので所有されている方はご確認ください、固体差も大きそうです。 ではKATOはどうなんだ?、と当然の疑問が湧きました。

KATOハイパーD速度調整ボリュームMin側は余裕ゼロ、微調整ツマミを回した瞬間に出力パルスが出ます、個別調整してる様です。 Max側は目盛9.3-10で変化なし、目盛9のDCフィーダー出力電圧は13.71V、最大出力の94%でした。 KATOはまともな設計です。


で、本命のTOMIX15V駆動を計測しました。

結果は上表の様にMin側が少し狭まりMax側が少し広がりました。 速度調整ボリューム操作に支障が出る懸念は払拭されました。 TOMIXの杜撰な設計に助けられましたが、60度変化なし回転角20%も無駄遣いするTOMIX設計は、いかにもオモチャ的です。


★懸念②:保護回路誤動作
列車走行ダミー負荷47Ω/10Wセメント抵抗は12Vで0.26A、15Vで0.32Aの電流が流れ、N車両とほぼ同じ消費電流です、最大電力4.8Wなので大電力用セメント抵抗を使います。

大掛かりな実験装置です、列車走行ダミー負荷47Ω/10W2本を切替可能にし、ポイントは友人へ譲渡済みなので手元にあった10Ω/10Wセメント抵抗をダミー負荷にしました。 2M列車最高速(最大電流)走行条件でポイント切替して確認し、コンデンサ充電電流による誤動作は発生しませんでした。 保護回路誤動作懸念も払拭されました。


これまでの回路解析は無負荷状態計測と理論検証で進めてきました。 今回初の負荷状態計測で新たに判明した事実があります、また筆者勘違いも発見しました。 次回負荷状態解析と筆者レイアウトでの実用試験後に結論を出します。


ACアダプター発注はもう少しお待ちください(笑)


ではまた。

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