Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

遮光技法開発③実験結果とまとめ

クラフト紙・上質紙・ボール紙の遮光性能比較の実験結果です。

従来線唯一の空地、北町踏切脇基台に両面テープで実験装置を固定しました。 上方漏れ光が邪魔しない様に裏面黒色塗装した遮光板をサンプルホルダーに接着しました。 上部サンプルホルダーも一旦黒色塗装しましたが、後述理由で思い直し削り落しました。

基台端にカメラを固定し、マクロモード・スポットフォーカスで撮影します。 撮影条件設定と漏光場所を特定する為の昼景撮影です。 サンプルホルダーに削り落し切れなかった黒がわずかに残っていますが実験に影響ありません。 カメラ設定をマニュアルフォーカス焦点距離7cm、露出F2.5、シャッター速度1秒固定で実験撮影を開始します。

実験1はサンプルなし、梯子部から盛大に漏れます、壁が厚い部分からも漏れており壁材輪郭横線が認められます。 足元の点状漏光は壁と床の微小なすき間と外壁キズで塗装が薄くなった部分です。 遮光した窓下辺の漏光は、0.45t窓遮蔽板端面入射光がボール紙内部を通って漏れています。 サンプルホルダーは蛍光灯の様に光り輝いています。

実験2は0.15t上質紙、予想を越えた遮光性能に驚かされました。 梯子部右端に点状漏光が認められるだけです。 注目はサンプルホルダー部、厚目に黒色塗装した上質紙が透け紙の繊維が見えています、サンプルサイズを大き目に作ったので偶然に解りました。 

実験3は本命の0.15tクラフト紙、梯子部右端点状漏光はありますが、識別限界まで少なくなりました。 サンプルホルダー部からわずかに漏れていますが上質紙とは段違い、繊維密度差が歴然としています。

実験4は0.45tボール紙、さすがに3倍の厚さでサンプルホルダー部漏光なしです。 右端が少し明るくなっているのは塗装していないボール紙端面入射光の影響と思われます。 ところが梯子部右端点状漏光が認められ、上質紙同等か少し劣る結果でした。


ここで一旦実験終了、クラフト紙黒色塗装の遮光性能が十分高い事が証明されました。 しかし梯子部右端点状漏光の原因究明をしないと落ち着きません、疑問は以下2点です。
①なぜ梯子部右端が一番漏れ易いのか?
②なぜ0.45tボール紙が一番漏れるのか?

問題部分の拡大比較です、漏光を強調して解り易くする為、中間調の画質補正を行っています、その結果上質紙とボール紙の差が圧縮して見えています。


しかし結局①の疑問は解けませんでした、②については漏れる訳ないとボール紙黒色塗装が雑だった疑念を晴らす為、再塗装実験を行いましたが同等の漏光でした。 残念ながら疑問は解けずに終りました。 実験装置は新素材性能評価ツールとして現状保存予定でしたが、疑問が解けなかった事もあり、過去の経験から屯所内壁黒色塗装の遮光性能は上質紙より劣るのではないか?という予測を確認したい欲求を抑えられなくなりました。

実験装置を基台から外して光源モジュールも外しフラットブラックを厚目に塗りました、下側サンプルホルダーと窓下辺漏光原因になった遮蔽板端面にも塗りました。


追加実験5内壁黒色塗装の結果はご覧の通りです、0.15t上質紙より大幅に劣ります。 LED最大輝度近接照射はやはり半端ではありません、梯子部からしっかり漏れ右端に①の輝点もあります。 0.15tクラフト紙遮光法への自信を深める追加実験になりました。


★まとめ・・・延伸線ストラクチャの遮光法
①0..15tクラフト紙黒色塗装を主遮光材として使用する。
②保険として部品内壁黒色塗装を行う、ただしはみ出し懸念がある窓周辺を除外する。
③接合部は短冊形0.15tクラフト紙で目張りする。
④建コレ壁接合爪部など複雑形状で見えない部分には黒色絶縁テープを併用する。
⑤必要に応じ室内側を明色塗装し、外観と反射率の向上を図る。


以上の様に筆者のコンセプト「楽して確実」な遮光法に辿り着けました。 公開しましたので、皆様の判断で自由に使っていただきお役に立てれば幸いです。《この項完》


ではまた。

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