Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

樹木の作り方

当社は風景製作主目的なので全く気にしませんが、運転重視のレイアウト製作者にとって、樹木は悩みの種ではないでしょうか。 完成品では経済的負担が大きいし、自作は車両工作ほど楽しくない、その結果小型の樹木が申し訳け程度に生えたレイアウトが多いのは今も昔も変わりません。 TMSに掲載された樹木製作法の紹介で、現在でも有用情報です。

記事執筆者はTMS編集部中尾氏です。 最初に市販品は実感に乏しく小さ過ぎると酷評してます。 海外ではコケから自作する方法が一般的だが国内では材料入手が困難、様々な材料を試した結果、そこそこの外観で製作容易なスポンジ利用法を紹介すると書かれてます。

『プラスチック・スポンジ』と書かれてるのは、現在も同じ形で使われてる食器洗い用スポンジです。 中尾氏は単純形状の小さな樹木がレイアウト風景を不自然にしてる原因、車両を縦にしたくらいの高さの樹木が線路脇にあって当然とも書かれてます。 

最初の工程はスポンジを指先大に千切る作業です。 機械裁断された平面部を残さぬ様にの注意がありますが、これは現在のフォーリッジクラスターにも当て嵌る注意点です。

千切ったスポンジピースを先に染色します、現在は不要な工程かもしれません。 しかし緑のラッカーでなく、青・赤・黄を混ぜて緑色の様々な色合いを出すのは参考になります。

大量生産の場合は千切る前に染色、フォーリッジクラスターの製作です。 当時の模型用塗料と言えば何でもラッカー、溶剤はシンナーでした。

作例として針葉樹杉と枝の拡がった末広形広葉樹を取り上げてます。 針葉樹杉の幹は丸箸、一方の細くなった部分を切り落として200mm程度にし、枝の替わりにナイフで切り起し、スポンジピース保持部にしてます。

一方広葉樹は自然木の枝先利用で、先が拡がった枝ぶり部分を使ってます。 樹種を選べば簡単な方法ですが、枯れると折れ易い欠点があり、粗忽者オーナー当社は非採用です。

針葉樹幹は先に濃い茶色に着色ですが、工程写真が見易い様に着色せず進めてます。 樹冠の方から瞬着で順次スポンジピースを接着してます。

つまり切り起した箸のメクレ部分に接着するのですが、接着剤が多いと見苦しく、少ないとポロッと外れ易くなります。 筆者経験では短くても針金の枝を出し、スポンジピースを刺して瞬着固定する方法が、工作確実性、形状保持性両面で優れておりお薦めできます。

樹冠から幹を廻しながらスポンジピースの形を確認しながら一つ一つ接着するのがコツと書かれてますが、推奨針金枝でも全く同じです。 実感的樹木製作のポイントです。

自然木枝利用の広葉樹は針葉樹の様な引っ掛かりがないので、まず枝先に貫通させ、枝の股部分に接着し、その先はスポンジピース間に橋渡し接着で葉の製作をしてます。

柔らかい素材間に同じ柔らかい素材を瞬着接着するの意外と難しく、片側が外れて変な形にブラブラ何て事が起こります。 現在はフラワーアレンジメント用針金が百均で簡単に入手可能ですので、撚り上げて枝を作る方法が、先の一手間で後が楽になりお薦めです。

フォーリッジクラスターは千切るだけで断面が不規則な形になり二次加工の必要がありませんが、このスポンジは指先大に千切っただけでは不十分で、ピンセットで小さく摘まみ取る二次加工が必要です。 摘まみ取った小片は不足場所に濃い目ラッカーで固着してます。


そして最後に仕上げ塗装をしてます。 明る目の緑または元色に白を混ぜで葉表面を塗ると、凹凸の出た部分だけ着色され、陽が当たった様な陰影で立体感が増すと書かれてます。 これは使える技法です。

完成した2タイプの樹木、16番スケールで10mの大きな木、Nスケールでは20m近い大木になります。 写真外観はフォーリッジクラスター製樹木とほぼ同じです。

少し小型100mmクラス樹木製作の別法も紹介されてます。 小さなピースを積み重ねるのではなく、ピンセットで細かく千切り取り樹形を作る方法です。 フォーリッジクラスターでも同じ手法が取れると思いますが、手間が掛かり材料利用効率が悪そうです。

ピンセット千切り取りだけで樹形を整えるのは難しい様で、千切った細かいピースをラッカー固着して仕上げてます。

で、完成した樹塊がコレ、当然写真上が樹冠と思いきやさにあらず、反対に使っても面白い樹形になると書いてありました。

この樹塊に幹を貫通接着すれば完成、写真左は上下反転使用してますが効果は疑問です。 以上半世紀前のTMSで紹介された樹木製作法でした。


ではまた。

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