Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

TOMIX腕木式信号機の切替制御 その2

現在TOMIX腕木式信号機切替制御開発と湖南電源安全性保証回路設計見直し作業を並行して進めてます。 双方で秋月調達部品が発生するので、まとめて発注する算段です。 腕木式信号機の電気的解析は、若い頃の線区初訪問時の様な期待感でワクワクします。

【9割方稲刈りの終わった水田】
秋が深まり稲刈りもほぼ終わり、もう半月もすれば暦の上では冬です。


3.切替必要パワー下限値の計測 直流駆動編
開発目的①の基礎データ収集、従来線は直流駆動なので切替可能下限電圧の計測です。

【中山平駅下り方出発信号機】
実験用信号機を中山平駅出発信号機にしました。 レイアウト縁/SWボックスから近く確認が容易だからです。 また実験準備で半動作モードを発見したので、照明オンして色灯で切替確認する方法で計測します。

【過去記事掲載画像より】
試験前に静特性としてソレノイド抵抗値を比較します、TOMIXポイントは7.4Ωでした。

TOMIX腕木式信号機ソレノイド抵抗値は6.4Ωでした。 ソレノイド使用巻線が同じと仮定すると、腕木式信号機基部に収納する為ソレノイドを小型化し、巻線長が短くなり抵抗値が15%低くなったと考えられます。

信号機切替SW右側2個は2基連動、SW設置スペースがなく動画撮影用アクセサリーとして笠松信号所通過/出発信号機を連動にしました。 KATOポイント4個2ヶ所を連動配線して問題なく動作したので、信号機も動作確認した上で安易に連動配線を採用しました。

連動ソレノイド抵抗値は2個並列で半分の3.2Ωになるハズなのに何故か4.5Ω、再計測しても結果は同じです。 いくらTOMIXでもそれはないと思いながら一つだけ気になりました。

【TOMIX HPより】
気になったのは長~い信号機切替配線、中山平出発信号機はSWボックスに近く約1/4に短縮使用しました、配線抵抗が高く9Ωから6.4Ωに下がったと仮定すれば理屈に合います。

そこで配線短縮なしの単動笠松信号所引上線出発信号機を計測すると6.4Ω、配線抵抗は無罪でした。 これ以上調査するにも配線は風景の底に眠ってる、残念ですが原因不明です。 前回触れませんでしたが連動の存在も従来線直流電源駆動採用の理由です。

【単動腕木式信号機試験結果】
ポイントSWオン時間バラツキが大きいので、各試験電圧10回3セット計測しました、単動腕木式信号機試験結果は、4.6Vで0/10、4.8Vで10/10と作動/非作動が明確でした。 

【連動腕木式信号機試験結果】
理論的には電源容量とSW接点容量OKなら連動も同じになりますが、正体不明の抵抗値問題があり確認が必要です。 試験結果は単動より0.4V高電圧が必要でした、 この試験結果から多くの事実が読み取れます。 

まずTOMIX用法解説のポイントコントロールボックスN/パワーユニット(サイドコネクター)の組み合わせで十分な切替パワーを得られる事が確認できました。

ポイント切替波形に重ねて見れば明らかです。 動作確実性はOKですが、適正マージンかオーバーパワーかの信頼性はコンデンサ切替式試験結果が出ないと何とも言えません。

TOMIXポイントSWオン時間バラツキは4.65V-4.75V動作不安定領域切替可能回数差に表れてますが、電圧差は小さくデジタル的に作動/非作動が明確になってます。 この事実は、ポイント切替試験の広い不安定領域の大部分が、完全選択式SW付きスライダーを離れた場所から駆動する切替必要パワーが一定しない構造欠陥が原因だと証明してます。

従来線の直流12V切替用法は、単動の場合切替必要パワー下限電圧の2.5倍、切替パワー2.5x2.5、6.25倍(パワーは電圧の自乗に比例する)で完全なオーバーパワー状態でした。 連動の場合2.3x2.3の5.3倍で若干落ちますがオーバーパワーに変わりはありません。


そう言えば破損した2基はいずれも単動腕木式信号機です、単動より少しストレスが軽い連動が生き延びてるのは偶然ではない様です。

筆者が設計者なら上記考え方で設計します、コストや標準化で10倍能力部品採用はしても、コストアップして無駄な能力アップする事は絶対にありません。 KATOは両渡線ポイントマシン4個切替が設計条件なので高電圧を採用し部品選定を適合させたに過ぎません。


4.従来線腕木式信号機制御改修仕様
TOMIXが切替必要パワー下限値7-10倍でOKの冗長設計なら破損は発生しませんでした。 実際に2基破損してる事から筆者もやるであろう常識的設計と推定されます。 未破損品は何とか持ち堪えてるだけでいつ破損しても不思議でなく改修が必須と判断しました。

従来線腕木式信号機制御は切替SW近傍に三端子レギュレータで電圧低下させて信頼性向上します。 単動/連動試験結果から7Vで切替パワーを現状の1/3、切替必要パワー下限値の単動は2.1倍、連動は1.8倍への改修を決定しました。

現行12V配線を外して上図2部品をユニバーサル基板実装し、絶縁テープでグルグル巻きにして空きスペースに押し込む改修工事で、7V三端子レギュレータ到着後に実施します。


ではまた。

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