Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

湖南中央駅制御⑥構内線Arduino制御

前回で湖南総合運転所中央駅の制御法と回路構成が決まりましたが、まだ設計は完了してません、Arduinoスケッチ設計に必要情報が不足してます。 ハードウェア設計は完了してもソフトウェア設計要求仕様がまとまってないのです。

がおう☆さん提供PR画像】・・・中央駅モジュール分割部
地上9線、地下ヤード6線、立体的な15線をモジュール分割し、問題なく境界部走行可能にする敷設技術はスゴイと思います、当社には絶対無理です。


3.Arduino制御論理
これまでの制御法解説でこんなボタン設置して押したらこんな制御すると個別の制御と論理は決まましたが、ではArduino制御の入出力は何本とか、ボタンA制御してる時にボタンB押したらどうする等についてはどこにも書いてありません。
3-1.ArduinoのIN/OUT
まずはArduino入出力信号から明確にして行きます。 中央駅は中央からモジュール分割され、それぞれにArduino MEGA搭載予定と聞いてます、筆者はそれぞれ1基で入出力端子数が足りるか心配してました、それほど大規模システムなのです。

【『Arduinoユーザー必見!倉元駅制御』より転載】
当社延伸線倉元駅はArduinoによる進路選択でポイント/信号機一括制御を予定してます、入出力端子数は36でArduino MEGA1基で間に合います。

制御対象要素数を比較すると中央駅は倉元駅の3-4倍、信号機数は近くても制御出力1本の腕木式に対し色灯式は3-4本必要です。 そこで機関区/機廻し線と構内1/2番線にトグルスイッチ/プッシュロックスイッチを積極的に使い、ポイント/従属接続フィーダー半数を直接駆動するハイブリッド設計を導入しました。

それでも入力制御信号22、出力制御信号64の計86にもなってしまいました、機能分割にもよりますが各モジュール1基のArduino MEGAで何とかなるピン数に収まりました。


3-2.同時進路選択仕様確定
ボタンAが選択され制御A実施中にボタンB入力があった際、制御Aをリセットし制御Bを行うかリセットせず制御Bを追加するかは全く異なります。 ソフトウェア(スケッチ)設計はこの仕様を決めないと先に進めません、先送りした同時押し問題です。

まず外回り本線到着進路から見て行きます。 本線3番線の他に副本線2/4番線進路があり、B131選択中にB121/B141選択された場合はB131制御をリセットし選択ボタン制御を行う必要があります、つまり三択です。

外回り本線出発進路は2-6番線から可能で何と五択です。 線路配置図頂戴した2年ほど前にコレ見た瞬間拒絶反応でした、『どうする?』って聞いたら『手伝って』と言われるのが恐くて1年以上言い出せませんでした(笑)

内回り本線到着進路は本線7番線の他に副本線5/6番線と折返し4番線進路があり、四択になってます。 ダブルスリップの機能や恐るべしです。

最後の内回り本線出発進路は5/6/7番線の三択になってます。 多列車同時運転湖南総合運転所中央駅は、2外F/2内F/支2F/1機F/2機F/気区Fとフィーダーブロック6個の接合点になっており、他条件含めた同時選択可能条件を明確にする必要があります。

見てきた様に両本線の到着/出発進路は一つに制限しなくてはなりません、上図外回り本線はピンクの2枠、内回り本線はグリーンの2枠です。
同一番線に複数ボタンがある場合も一つに制限です、制御方向が反対でも従属接続フィーダーの接続先が異なるからです。 上図のオレン、4枠です。
Pecoダブルスリップはポイントマシン2個で4進路切替を行っており、ダブルスリップ通過進路選択は一つに限定です、上図赤枠です。
両本線は各1個のフィーダーブロックで、中央駅制御だけならB122出発とB141到着は両立しますが運転は1列車です、従ってピンク2枠とグリーン2枠で一つに制限です。
[註]B121が支線出発機能を果たす場合をオレンジ文字で表記しました。

上記4条件の適用で左端各進路選択時に同時選択可能進路選択は上表の通りで、これ以外の進路選択入力時はリセットが必要です。 本線進路選択時に同時選択可能ボタンが多く折り返し運転進路選択時に少なくなってます。 これで難しい知恵の輪が解けました。


スケッチ設計必要情報は以上で揃いましたが、実際に有り得る運転パターンで気になる事があり、考え落ちバグ検出を含め検証を行います。


3-3.検証シミュレーション
筆者が気になってるのは構内運転機関車付け替え作業です、編成列車進行方向遵守運転では問題なくとも、逆行を伴う構内運転で何が発生するか?、許容できるのか?対策が必要か?検証しないと後で落とし穴に嵌るリスクがあるからです。

【検証条件】・・・トワイライトエクスプレスでも良いけど馴染みがない・・・
上記条件で検証します。 運転者は2内F選択B161進路選択6番線到着運転内回り本線左方6番線開通場内信号機JX進行表示センサーD通過検出でJX停止表示ロックしてます。 以下この様に運転者操作を青字、制御を赤字で表記します。 なお解説済の従属接続フィーダー切替/選択表示LEDについては省略します。

電機連結開放B162進路選択すると、B161制御がリセットされ内回り本線左方ポイント定位3番線開通右方6番線開通出発信号機J6A進行表示します。 電機を右行運転し内回り本線上一時停止センサーB通過検出で場内信号機JX停止表示ロック解除出発信号機S6Aは進行表示から停止表示になります。

次にB152進路選択でB162制御がリセットされ内回り本線右方5番線開通します。 ディレクションスイッチ左行切替電機を5番線進入運転一時停止します。 再度センサーB通過検出しますが制御対象がありません。

2外Fを選択B153進路選択でB152制御がリセットされ内回り本線右方ポイント定位7番線開通します。 5番線は外回り本線左方に開通し、電機を左行運転し外回り本線上一時停止、センサーC通過検出しますが制御対象がありません。 この状態で2内Fは空き、例えば第1本線から第2本線に向かう別運転者が選択可能になります。

次にB122進路選択でB153制御がリセットされ内回り本線左方ポイント定位7番線開通します。 この状態で内回り本線ポイント全て定位7番線開通ですが進路選択されてません、次の運転者選択としてヨシとします。


一方、外回り本線左方が2番線開通し、出発信号機S2Aが進行表示します。 ディレクションスイッチ右行切替電機を右行運転し2番線一時停止ンサーC通過検出でS2Aは停止表示になります。 ついに出ました、2番線S2A進行表示は変です。

2機F選択B129進路選択でB122制御がリセットされ外回り本線左方ポイント定位3番線開通2番線第2機関区開通します。 この状態で2外Fは空き、別運転者選択可能になります、ポイント全て定位3番線開通、進路選択なしは上記内回り本線と同じです。


ディレクションスイッチ左行切替電機入庫、第2機関区内はマニュアル操作なので省略し、図は別(色変更)電機が右行運転で2番線出庫した状態です。 

2外F選択B129進路選択解除B122進路選択外回り本線左方2番線開通出発信号機S2Aが進行表示します。 ディレクションスイッチ左行切替電機を左行運転し外回り本線上一時停止センサーC通過検出でS2Aが停止表示します。

構内電機回送運転シミュレーションようやく最後です。 B163進路選択でB122制御がリセットされ外回り本線左方6番線開通し、出発信号機S6Bが進行表示します。 ディレクションスイッチ右行切替電機右行運転し6番線で客車連結センサーC通過検出でS6Bは停止表示になります。 また出ました逆行運転時の異常です。


センサー検出までのわずかな時間ですが、逆行時出発信号機進行表示現象は4番線右行終着列車の2番線機廻し、電機入替作業でもS4Bで発生します。 完全対策には外回り本線左方に逆行運転スイッチを追加するしかありません、依頼主の意見を聞くと。

以上のような回答で不問にしてもらえました。 逆行スイッチ付けて解決してもコレ何だっけとなる様に思えます。 やっと肩の荷が下りました、ヤレヤレ。

なお拙ブログまとめページ「レイアウト制御」に中央駅制御を追加しました。


ではまた。

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