Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

10月10日の水田八態

当地の稲刈りも8割方終わりました。 延伸線に約10面の稲刈り後水田製作を控えた筆者はとても気になり、散歩がてらに観察してます。

【稲穂と秋の雲】・・・10/10撮影


1.ハザカケ
この時期、八ヶ岳反対側佐久平では見渡す限り天日干しハザカケの風景が広がります。 五郎兵衛米ブランド産地で、天日干しでないと名乗る資格がないからです。

当地のハザカケは少数派1割未満です、自家用米や天日干しを付加価値にした自主流通米に限られてるからだと思います、何故ならとても手間暇がかかるからです。 想定時代には4-5寸丸太だったハザ棒は軽量アルミ製に変わってます。

ハザカケ天日干し次工程は脱穀、稲を米と稲ワラに分離する作業です。 偶然脱穀作業の現場に行き合わせました。 コンバインで刈って米と稲ワラを分離し農協ライスセンターで機械乾燥するのに比較すれば大変な労力です。

【露太本線水田より】
想定時代に大型コンバインはありませんから、露太本線にはハザカケ水田が数ヶ所あります。 1段掛けとしてはオーバーサイズですが、最初の写真2段掛けと見れば許容サイズに収まってます。


2.最新型大型コンバイン
米作りの省力化はどんどん進んでおり、最新型大型コンバインは多機能です、当然高価で個人所有は少なく農協レンタルが普通、2割前後の水田がコレで稲刈りされます。

前日まで実った稲穂の水田が1日で稲株だけ残し何もなくなります。 春までこのままで水を張り大型機械で田起こしとしろかきを一緒に行う処もあり、米作り農家を優遇してきた減反政策終了、貿易自由化へ向けここまで来たかと感じます。

こちらもそうです、しかし大量に発生する稲ワラはどう処理してるのでしょうか?、稼働現場を見た事ないので解りません。

【露太本線水田より】
想定時代はワラボッチにして乾燥させた稲ワラ搬出後にこの姿になりました。


3.ワラボッチ
通常型乗用コンバインは刈り取り・脱穀を同時に行い、稲ワラは約百本単位に括って刈り取った水田にポトンポトンと排出されます。

タンクが一杯になるとトラックに米を移し、また刈り取り作業へ戻ります。 稲刈り終了後、米をライスセンターへ運びます。

よく見る光景はご主人がコンバインで稲刈り、奥さんがその後をついて歩き、排出された稲ワラを5-6束づつ乾燥し易い様に立てかける、これがワラボッチです。

従って、1枚の水田稲ワラをワラボッチにすると全面ワラボッチの壮観になります、想定時代に稲刈り機と脱穀機は使われておりワラボッチもありました。 と言う事は機械乾燥はかなり早くから行われてたと思い調べましたが確かな事は解りませんでした。

【露太本線水田より】
全面ワラボッチ水田は2枚だけ、搬出中の部分ワラボッチ水田を2枚製作しました、手間が大変なのとカメラ台としての利用価値がなくなるからです。


4.稲ワラ粉砕
ワラボッチで乾燥させた稲ワラは搬出するか粉砕するかどちらかです。 戦前は縄にしたり雪沓や蓑、農耕用牛馬敷きワラなど様々に使われてましたが、次第に用途が減り粉砕して水田にすき込む事が多くなってきた様です。

この日は粉砕作業現場に行き会いませんでしたが手押し式小型粉砕機です。 作業途中の水田がありました、右側8割が粉砕済みで水田に縞状に粉砕稲ワラが乗ってます、左側3列のワラボッチが粉砕作業前です。

【露太本線水田より】
製作が容易でカメラ台にも使える稲ワラ粉砕水田が数多くあります。


5.粉砕機能付きコンバイン
最近稲ワラ粉砕まで一気に行うコンバインが使われ始めたと聞きました。

どうやらこの水田がソレの様です。 機械で整然と未乾燥なので数倍の高さに積まれてます、始めて見ました。 ワラボッチを組み粉砕する手間が省ける訳です。 でもこれでは乾燥に時間かかります、このまますき込むのか春まで放置するのか解りません。

このタイプの普及が進むと、ワラボッチが並ぶこの季節特有の風景が姿を消すかもしれません、まっ、露太本線想定時代には関係ない事ですが。


6.稲ワラロール
数年前からよく見かける様になったのが稲ワラロール。コンバインが輩出した稲ワラ束をワラボッチにせず、トラクターに専用アタッチメントを付けて作ります。

北海道では直径2m以上の牧草ロールを良く見かけますが稲ワラロールは直径60㎝ほど、これも稲ワラ処理の負担軽減合理化策だと思います。

作業の手間を省くだけでなく収納スペース節減にもなりますし、規格品として牧畜農家や稲ワラ加工品業者へ販売されてるかもしれません。 想定時代になかった風景です。


7.すき込み
稲刈り前水田があるこの時期に冬支度を済ませた水田がありました。

例年11月に行われる農作業です、刈り残った稲株・粉砕稲ワラを田起こしに使うトラクターアタッチメントですき込みます。 土中バクテリアの働きで分解が促進され飼料効果が高まるのではないかと推定してます。 20年前には多くの水田の冬越し姿でしたが、近年この作業を省略し稲株を残したままの冬越しが目立つ様になりました。


8.未収穫
超大型台風襲来三日前のこの日、まだ2割の水田が稲刈り前でした。

強風で稲が倒れたり雨で濡れても稲刈りは難しくなります。 早く済ませた方が良いのに稼働中コンバインを前出1台以外見なかったのは兼業農家の水田なのでしょう。 この週末コンバインレンタルで稲刈りする予定だったのかもしれません。


9.番外・ブロッコリー畑
7月に紹介したブロッコリー収穫、2期作2度目の収穫が間もなく始まります。

専用台車が収穫準備で畑脇に運んでありました。 右奥に蓼科山が見えてます、もう一月もすれば初冠雪、信州の秋が深まりつつあります。


ではまた。

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