Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

ブラックジャックセオリー➋

今回はセオリーを導き出した確率計算結果について解説します。 ギャンブルに興味をお持ちでない方はスルーしてください。 競馬必勝法の怪しい広告からギャンブル、そしてラスベガスへと話が発展しましたが、この話題は鉄道模型村の住民には人気がない様です。

【前号より転載】
ブラックジャックセオリー解説は1回では無理でした。 セオリー解説しても確率計算結果の証拠を開示しないと、何故勝率49.5%でこのセオリーが正しいのか数学が得意な方は納得できないでしょうし、内容が少し異なる他のセオリー表の解説と何も差がないからです。


5.ブラックジャックセオリー(Cont.)
◆確率計算結果
★ディーラー表示札と最終ハンド
ディーラーが17以上(A/6はS)までHする旧ルールで、2-Aの表示札に対し、最終ハンドがどうなるかの確率です。 H/S/DD/SPを判断する基礎データになります。 なおディーラーソフト17Hのルール改正で表示札6とAの最終ハンド17確率が少し下がり、その下がった分が18/19/20/21/Bを引き上げる結果になります、影響については後述します。

ディーラーにはDDやSPがなく機械的にH/S、そしてBするので、比較的簡単な計算ですが、例えば表示札2の裏向き札10で12、その後4枚Aを引き続けて16、5枚目をHする様な特異なケースも含まれます。 表から明らかな様にディーラー表示札6が最もBし易く、Aが最もし難い事が解ります。 ディーラーが強いとされる表示札10も23.1%のB確率があります。


10補正とA補正はディーラーがBJだとその時点でゲーム終了なので、BJでなかった場合の最終ハンド確率です。 またディーラー表示札Aのインシャランスは69.2%のBJでないケースに半金払って、つまり34.6%出費して30.8%のBJを救う支払超過で確率的に損です。


★プレーヤーがハード17以上までHした場合の最終ハンド
プレーヤーにはH/Sの他にDD/SPの選択肢がありますので、最適解を知る為の基礎データとして、ハード17以上(A/6、A/7 H)までHした場合の最終ハンド確率計算結果です。

ディーラーがSするソフト18(A/7)でHした最終ハンド確率も計算してあります。 この他ディーラー表示札2-6を検証する為に、Bしない11までHや12までHした場合の確率、そしてDDやA/A SPの1枚しか引けない場合の最終ハンド確率など、全部で6表必要でした。 それらのディーラー1表、プレーヤー6表の確率計算結果からセオリーを導き出しました。


★H or S:ディーラー表示札7-Aの場合
ディーラー表示札7-Aと2-6ではディーラーB確率が大きく違いますので分けて検証してます。 Hして勝ち負けの確率とSして勝ち負けの確率を比較し有利な方を選びます。 

左上ディーラー表示札7で手札15の場合、Hして勝ち28.8%、負け65.1%で差は▲36.3%、合計が100%でないのは引き分けがあるからです。 一方Sして勝ち26.8%、負け73.2%で差は▲46.4%、こちらは合計100%です。 判定結果はHが10.1%負けが少なく有利です。


前回書いたディーラー表示札10で手札16はSがわずかに有利ですが0.1%の微小差です。 ソフト17のA/6は17でSするよりB覚悟でHした方が確率が高く、これがA/6Hルール変更の背景です。 ソフト18のA/7はディーラ表示札7の場合は17の可能性が高くSが有利、表示札8の場合は引き分けの可能性が高くSが有利ですが、表示札9/10/AはHが有利なのです。


★H or S:ディーラー表示札2-6の場合
ディーラーBの可能性が高い表示札2-6は、Bリスクを冒して12でHするか否かがポイントになり、同じく確率を比較し有利な方を選びます。

手札12でディーラー表示札2/3の場合は、Bのリスクを冒しHの方が確率が高く、表示札4-6はS、手札12以上は常にSの結果です。 ここでもソフト17のA6は全てHが有利です。

この様な検証作業をしてセオリー表の赤枠部分、手札12-16とA/6、A/7が決まってます。


★H or DD:全てのディーラー表示札
DDは手札9/10/11の場合に賭金倍で1枚だけ引いて勝負する選択ですからBはありませんが、結果が16以下だとディーラーがBしない限り勝てません。 一方Hの場合はディーラー表示札2/3の場合12まで、表示札10の場合15まで、表示札7/8/9/Aの場合16までHですからBするケースもあります。 どちらが有利かは確率計算結果に頼るしかありません。

ディーラー表示札7-Aの検証結果です。 手札11では表示札Aを除き、手札10ではA/10を除きDDが有利と解りました、手札9でのDDはプレーヤー不利でしてはなりません。 なおDDは掛金2倍なので、左上表示札7手札11の場合、DD勝ち59.1%、負け33.7%、差+25.4%の2倍+50.8%とDDせずHの勝ち60.3%、負け30.0%の差30.3%を比較して決めてます。

ディーラーBの可能性が高い表示札2-6の検証結果です。 手札10は常に(表示省略してますが11は更に高勝率)、手札9は表示札3-6でDDが有利と解りました、手札8でのDDはプレーヤー不利でしてはなりません。

この様な検証作業をしてセオリー表の赤枠部分、手札8-11のHかDDかが決まってます。 DDが有利な場合は手札がソフトハンドA2/A3/A4/A5/A6/A7にも存在します。 非常に煩雑な確率計算結果は省略しますが同じ手順で判断してます。


★H or S or SP:全てのディーラー表示札
SP検証は少々面倒で、例えば7/7の場合14、ディーラー表示札2-7ならSP、8-AならHです。 14の場合と7を分け2勝負にした場合を比較をします。 前回解説した様にA/Aを除くSP2枚目カードによりDDや再SPもあり、SPは賭金2倍でなく3-5倍のケースも起こります。

また2勝負に分けるので判定方法も変わります。 左上ディーラー表示札7で手札A/Aの場合、SPして勝ち58.6%、負け34.2%で差は+24.4%、これを2勝負2倍した+48.8%とSPせずHした場合の勝ち55.9%、負け35.2%で差+20.7%と比較し+28.1%の結果を得てます。


ディーラー表示札7-Aの検証結果はA/Aと8/8が常にSP、9/9は勝ちと引き分け可能性が高い表示札7/8がS、他はSP有利です。 7/7は引き分け可能性が高い表示札7だけSP、他は14としてHです。 6/6、3/3、2/2の結果省略ですが、3/3と2/2は表示札7だけSP有利です。

ディーラー表示札2-6の検証結果はA/A、9/9、8/8、7/7全てSP有利です。 9/9は確定ハンド18としてSしたくなりますが、例え結果が13でSになったとしても計算結果が示す様にSPがかなり有利なのです。 6/6、3/3、2/2は紙面の都合で割愛しますが同様に検証しました。

この様な検証作業をしてセオリー表の赤枠部分、手札A/A、9/9、8/8、7/7のH/S/SPが決まってます。 以上一部端折りましたがセオリーがプレーヤー最善の選択である証拠を解説しました。 でもこれだけではセオリーに従った場合の勝率が解りません。


◆プレーヤーの勝率
筆者は一連の計算を就寝前2時間と休日を潰して1ヶ月以上掛け手計算で行いました。 一番有利なセオリーマスターと共にプレーヤー勝率、つまりカジノ取り分がどの程度のギャンブルなのか知りたかったのです。 類型Cのギャンブラーは研究熱心なのです。(笑)

ディーラー手札は表示札しか解らないので13通り、ただしAと10の場合にBJを含みます。 一方プレーヤー手札は2枚なので13X13の169通りです、勿論1/169しかないA/Aもあれば頻度が高い20もあります。 実際の勝負は13X169、2197通りの組み合わせがあり、全ての勝ち負けを計算・合計して始めて勝率が解ります。 それをやりました、好きですからね。

【毎回500ポイント賭けた場合の期待値】
当時は$5テーブルが主流でしたので、賭金$5(¢500)想定でディーラー13通り、プレーヤー169通り掛け算の2197組合せ条件の期待値を計算した処、マイナス$92.51になりました。 この計算結果から以下の様にプレーヤー勝率を算出しました。

結果はセオリーに従えば100回に1回弱しか負けないプレーヤーに有利なギャンブルと解りました。 でもそれはディーラーがソフト17でSした旧ルール条件での話、ソフト17でHのルール変更影響検証が必要です。


★ソフト17Hルール変更の影響検証
A/6を17でSしてたディーラーがHした場合の最終ハンドは、プレーヤーの確率計算結果から正確に解り、以下の通りです。

10が多く17の確率が最も高い34.2%、最終ハンド17で変わらずディーラー勝率に影響与えないので無関係です、一方B確率21.2%は100%負けです。 最終ハンドが17から18-21へ上昇するケースが各11%強、計44.6%ありディーラー勝率を向上させます。


正確さを求めると最初のディーラー最終ハンドの表から計算全てやり直すしかなく、とても無理です、でもソフト17でHして18/19/20が最終ハンドになる確率はプレーヤー勝率計算表から求める事ができます。 最終ハンド21は推定値ですが差は微小で無視できます。 

プレーヤーが500ポイント賭け手札10/10、10/9、10/8、10/7及び9/8でSした場合の期待値と、ディーラーがソフト17でHして最終ハンド18-20になった場合の期待値は同じです。 期待値を頻度で割ると1勝負当たりの期待値が解り、その差から17⇒18-21の期待値向上=勝率向上が計算で求められます。 引き分け除く21の勝率向上推定値を95%にしました。


17⇒18-21の発生頻度は同じで計46.6%なので、28.3%/55.8%/87.2%/95%(推定値)の平均値66.6%を掛けた29.7%が17⇒18-21の勝率向上です。 ここから17⇒Bの勝率低下21.2%を引いた8.5%がソフト17でHした場合のディーラー勝率向上効果です。

全体のディーラー勝率向上効果は、8.5%にソフト17発生頻度を掛ければ解ります。 結果は0.139%、プレーヤーは118.8回に1回負けが89.3回に1回負けと分が悪くなってます。 数十テーブルに最大7人で24時間営業、最低賭金$25、$100テーブルもあるので、カジノの利益は大幅に増えたのは間違いありません。


6.注意事項
ブラックジャックをプレイする上での必要最小限注意事項です。

以上はラスベガスの注意事項です、ソウル、マカオは経験がないので解りません、一度だけ経験のあるニースのホテルカジノではBJの際にチップ要求されて驚きました。[続く]


ではまた。

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