Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

半世紀前のTMS 1967年4月号➌

前回の続編、同号掲載その他の記事Part-2です。

【TMS1967年4月号】


7.レイアウトセクション
ローカル駅の現代風に言えばモジュールレイアウトが掲載されてます。

500mmx1500mmサイズにローカル駅を再現したセクションです。

交換施設のある対向式ホーム駅で、階段踏切が設置されてます。 駐泊所がなくても給水を行う駅があり小型のタンクが設置されてます。

反対方向には貨物側線があり木材積込中です。 作者は浪人生で受験勉強息抜きに毎日1時間、3ヶ月でこのセクションを完成させたそうです。

樹木は生け花用の実植物使用、この時代のローカル駅は摂津鉄道の影響が色濃く現れておりコレもその一つです。 バランス良くまとまってます。


8.古典ロコ三題
今から百年前は当時から見れば50年前、古典ロコ製作記はTMS誌上で良く見ましたが、コレは何とNゲージの自作蒸機製作記です。

作者の故郷山陰地方昔のローカル線風景をスペース節約で再現したいとNスケールを選び、いつ発売されるか解らないので自作したと書かれてます。 製作された形式は50年後の今日でも発売されてないと思いますが、パーツも満足にない中でスゴイと言う外ありません。

最初は6250型、動輪を旋盤加工で自作、16番と同じくリム部で絶縁(と書いてあるがどうやって?)し、スポーク部は糸鋸加工との事です。

モーターも10mm径7mm厚ローターで自作しテンダー内に収めてます。

2両目は2-6-0軸配列の8550型です、動輪自作は同じです。

自作モーターがテンダーから少々はみ出し、搭載石炭で隠す予定です。

貨車も自作です。 工作法は基本的に16番と同じでも、コンマ何ミリ精度が求められ、ドリル刃は0.3mm-2.0mmの0.1mm刻み、ヤスリは時計用10本組油目が必要と書かれてます。 でもね~、使用工具は解っても使いこなすウデがなければどうにもなりませんよね。

3両目はDタンクロコ4030型、レイアウト急勾配区間用の製作で、このロコ用に回転軸が90度異なる縦型モーターを自作されてます。

0.1mm分解能の視力が必要なロッドピン製作方法です、少なくも筆者には猫に小判です。

N黎明期に真鍮板加工自作蒸機があったとは驚きですが、精密成型技術により細密な蒸機が低価格で販売されてる現在は隔世の感があります。


9.客車を楽しむ
TMS編集部N氏執筆の連載シリーズ記事です。

この回の作例は展望車、この時点で廃止されたオールドタイマーです。 市販品の雰囲気を損なう形状修正と室内製作が中心です。

この時代プラ製室内パーツが市販されてましたし、紙と木で製作可能かつボロが目立たないので、16番箱物では室内製作は普通でした。 作例はかなり細かく作り込んでます。

点灯式テールマークも取り付けられてます。

完成形は3体構成になってます、3等級時代の1等車は特別な空間、恰幅の良い紳士のフィギュアでも配置したいところです。


10.運転会グラフ
★TCC運転会(東京)
1967年1月29日開催のTCC運転会の様子が掲載されてます。

鉄道模型に夢中の大人と夢見る子供、筆者も小学6年生の時に夢見る子供として横浜日吉で開催された運転会を見に行った経験があります。

この組立式レイアウトは以前TMSで紹介されてます、2列車同時運転だったと思いますので運転席に座る順番待ちは大変だったでしょうね。


★模型鉄道運転退会(大阪)
1967年1月22日開催のマッハ模型店主催運転会の様子です。

500人のファンが集まったそうで、独立エンドレスを多数重ねた配置です。 同時に多人数楽しめる様にこうしたのでしょう。

手前は学生、その奥は中年サラリーマン、運転列車を見ながら指先のスロットルに全神経を集中する、昔も今も変わりません。


★ライブスチーム試乗会(東京)
1967年2月12日に交通博物館で開催された、この号見開きページ掲載の3.5インチゲージライブスチーム試乗会で、発売元天賞堂の主催です。

米国グレートノーザン鉄道0-8-0テンダーロコで、天賞堂が生産委託されたと思います。

スロットルを握るのは当時の衆議院副議長、国会議員に鉄道マニアが居ても不思議でありませんが、富裕層しか手が出ない価格だったと思います。

補助煙突装着で強制吸気して火力を上げ、蒸気圧を上げているところです、自然燃焼だけでは中々走行可能にならなかった様です。 以上TMS1967年4月号紹介でした。


ではまた。

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