Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

半世紀前のTMS 1967年4月号➋

前回の続編、同号掲載その他の記事Part-1です。 昨日1月12日は最低気温-5℃、最高気温0℃で今シーズン初の真冬日でした、本日予報最低気温-9℃の一番寒い季節です。

【TMS1967年4月号】


5.機関庫を作る
特集シリーズ『シーナリーガイド』を始め数々の記事を執筆されたK氏の機関庫を作る連載第1回が、この号に掲載されてます。 

序文でいくら細密に製作された蒸機でも単体では見栄えがしない、居るべき場所に居てこそと書かれてますが、風景重視の筆者は全く同感です。 同じく序文で機関区はスペース的に難しいので機関支区用機関庫を作るとありました。 またこの設計図面自体は1/150表記、記入寸法は1/80になっており、16番とN双方に配慮した時代背景が現れてます。

側面図はKATO木造機関庫に酷似、KATOはコレ参考に設計した様です。

【阿波池田機関支区機関庫】
この機関庫設計プロトタイプになった阿波池田機関支区の三線機関庫です。 機関支区は機関区間距離が長い場合に置かれ、阿波池田は多度津/高知機関区間、土讃線/徳島本線分岐駅です。 関西本線亀山/奈良機関区間の草津線分岐駅柘植機関支区を以前拙ブログで紹介してますが、必ずしも分岐駅とは限らず常磐線高萩にも機関支区がありました。

通り抜け可能で前後扉なし、側面窓が大きく中が良く見えるので強度確保がポイントになります。 屋根裏に4x6mm、腰板に3x3mm4段重ねでガッチリした骨格を作ってます。

図面通り製作された機関庫正面です、右脇に付随した物置が良いですね。

当社生野機関支区に設置したKATO木造機関庫です。 物置がないだけで基本形状は同じ、プラ製強度維持の為に中柱幅を広く、屋根を高くしたので重厚な雰囲気になってます。

同じく図面通り製作の機関庫側面です、トタン屋根の質感が堪りません。

KATO木造機関庫側面は煙突を4本にしただけです。 屋根を高くしたので窓上が広く、ステッカーチューンには便利ですが、K氏オリジナル設計の方がスッキリし軽快で好きです。

C57/C58/8620/9600が良く似合いそうです。 これで完成してると思いますが、機関庫を作るは連載第1回で次号に続きます。


6.貨物列車雑記帖
この記事執筆者は摂津鉄道の作者S氏です。 国鉄職員の氏は峡谷風景レイアウト製作を志し、湖東線(米原-大津間)貨物列車緩急車からありふれた農村風景を眺め、これこそ日本の風景レイアウトに相応しいと摂津鉄道コンセプトを固めたと述懐されてます。

現在消滅した混載貨物列車ですが、当時も模型の世界で注目度が低く、貨物列車にも興味を持って欲しいという氏の想いが込められた記事です。

貨車には形式・車番・自重・積載重量など様々な情報が記載されてますが、プロならではの初めて聞く話もありました。


★専用貨車
同一区間で定期的に一定量貨物輸送、例えば北海道から原木を関西製紙工場へ輸送する様な場合に貨車確保する為に運用指定された貨車です。

写真右側が運用板、写真撮影添付しかできない細かな文字です。


★専属貨車
特定駅から特定貨物を定期発送する場合、着駅から別運用せず発駅へ回送する貨車です。

良く見掛けた△△駅常備と記載された貨車が専属貨車でした。


★社車
国鉄線乗入れ可能な私鉄貨車を社車と呼称したそうです。

車番に2重アンダーラインを入れるのが規則で、ほとんど社紋・ロゴが入ってました。

5年前に真岡キューロク館で見た蒲原鉄道の社車です、この時点で廃止30年経過しており、どの様な経緯で新潟から流れ着いたのか不思議でした。


★私有貨車
荷主が製作した貨車で、他の貨物輸送はしない専用貨車です。

タンク車に多いのはご存じの通りで、マーク・ロゴは貨物列車に彩りを沿える存在です。


★貨物列車の組成

懐かしいEH10牽引の貨車集結法の規定で組成された貨物列車です。


★貨車の積荷
これも「そうだったんだ」と知らなかった事がありました。

家畜者に牛馬フィギュアは解りますが開戸輸送は知りませんでした。

左はチキに線材、右はトラに鋼管の輸送例で、模型の世界でも無蓋車は手を加え易い車種です。 当社ではトラに木材を積載してます。

長尺貨物輸送で使われる遊車は始めて聞きました。 無負荷の遊車にウェイト積載しないと浮き上がり脱線しなかったのかと心配になります。

更に長い貨物はこの様にしてたと解りました。 100mほどのロングレールで輸送し現場で溶接してた様で、長年の謎が解けました。

S氏は国鉄貨物輸送は大きな変革期に入っており、今後コンテナ輸送が中心になるだろうと述べておられますがその通りになりました。 現在のJR貨物輸送はコンテナ列車とタンカー列車、まれにシキを使った大型重量貨物輸送があるだけで、他は市場を失ってます。

これだけまとまった国鉄貨物列車に関する記事は他に例がないので詳細に紹介しました。

失われた物への愛惜に過ぎないですが、蒸機が牽く混載貨物列車は昭和の鉄道風景になくてはならないと思います。


ではまた。

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