Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

半世紀前のTMS 1967年4月号➊

チョー寒いです、凍結防止ヒーターを節電モードにしてた洗面所とトイレが凍結、慌ててフルパワーモードに切り替えて昼過ぎに解凍しました、氷点下2桁近い連日の冷え込みです。

【TMS1967年4月号】
というのは前振り言い訳で、困った時のTMS頼みになりました(汗)


1.見開き天賞堂広告
この号は筆者高校2年の春で定期購読してた頃です。 大学入学後の金欠病で一括売却した中に含まれてたハズですがほとんど記憶がありません。

見開きに国内初完成品ライブスチームが載ってます、天賞堂が米国から生産委託を受け国内ついで販売が米国型蒸機の背景です。 完全注文生産で価格表示なし、30万円なら買う、40万円なら買わないという製品でなく、欲しいかどうかで決める層が対象だからです。

同じくイタリアリマ社の輸入代理店をしており、欧州型DL/EL広告が載ってます。 輸入品でも当時の16番車両のほぼ半額で、Nが取り付き易い鉄道模型だった事が解ります。


2.作品グラフ&製作記-1 EF64
巻頭を飾り製作記掲載の1番手はEF64です。

後方鉄道模型社製EF61とのツーショット写真です。 このタイプの電機は両側台車に縦型モーター4軸駆動、中間台車は左右に動く構造でその上の空間にウェイトを置く方式が通常ですが、この作例は異なります。

蒸機や床下伝動に多用されてた横型モーター1基全軸駆動方式です。

【巻頭グラフ作品紹介記事より】
ジョイント類を自作し、車体枕梁を浮かせて3台車のレール追従性を良くする設計を採用し、実物同様の強い牽引力を実現してます。 こんな記事に接すると、16番は走らせ改造を加えるだけでなく、「作る」楽しみの余地が大きい鉄道模型だったと改めて感じます。

車体は0.4t真鍮板の抜き曲げ加工、車体取付部品も全て素材からの加工です。 当時のモデラーから見れば、待ってればどこかが製品化してくれる現在Nが羨ましいでしょうね。

これが1M6軸駆動の機構図、中間台車と前後台車は自作ユニバーサルジョイント接続です。

床板は1mm厚アルミ板、枕梁を浮かせ3台車上下動可能な様にスプリングが仕込んであります。 非常に凝った複雑な構造です。

下回り組上げ状態です、レール追従性改善による駆動力向上の実際効果と共に「ここまでやった感」もあったと思います。 趣味には自己満足で得られる喜びも含まれますからね。


3.作品グラフ&製作記-2 B20
2番手は国鉄最小蒸機B20のスケールモデルです。

B20を参考にした入門用Bタンクロコ市販品がありましたが、コストとの兼ね合いで大幅に簡略化されており、ディテールまで再現したスケールモデルは非常に珍しいと思います。

【蒸気機関車スタイルブックより】
連結面全長わずか7m、保線区モーターカーに毛の生えた程度のサイズです。 D52と同じく戦時設計された引込線入換機で、角ばった簡素な外観に共通性が見られます。

【蒸気機関車スタイルブックより】
完成したのは戦後、活躍する場所はほとんどなく、1960年代には小樽築港と鹿児島両機関区にマスコット的に2両在籍してました。

キャブ0.4t、ボイラー0.3t真鍮板加工です。 この真鍮板加工が蒸機自作の壁になっており、キット加工かペーパー箱物しかできませんでした。

作者がプロトタイプに選んだB20 10号機です。


4.作品グラフ&製作記-3 京浜急行デハ500系
作品グラフの3番手は京浜急行のデハ500系2連です。

写真だけだと16番に見えますが、TTゲージ12mm軌間、1/110スケールです。 レイアウトスペースと作る楽しさ両立可能な次世代ゲージとしてN登場前に検討されたゲージです。

デハ500とクハ550の2連で、戦後新鋭700系登場までは京急唯一のクロスシート車で、特急/急行に運用されてた形式です。

作者は『陸蒸気からこだままで』のペン画を担当されたK氏、製作時はN発表前のこの号数年前、レイアウトスペースに悩んだ挙句の浮気と本文中に書かれてますが、パーツ一つないスケールモデルを完成させるのは、並大抵の努力と工作力では不可能でした。

【京急デハ500設計図】
元車輛が小型なので車体幅と長さは25mmx160mmでNと大して変わりません。 当時としてはグラマラスなデハ500車体はペーパーでは無理、驚くことに真鍮板加工です。

さすがに駆動系はスペースがキツく、一番省スペース可能な両軸モーターベルト駆動です。 この駆動方式は筆者も16番キハ20に採用しましたが、難点はギア比を大きくできず超俊足ランナーになってしまう事、このモデルも超俊足だったと書かれてます。


筆者はTMS記事「両軸モーターの作り方」通りに製作しましたが、その方法は縦型モーターを万力固定、回転軸に木片を当てて様子を見ながら金槌で叩き出す乱暴な方法でした。


ではまた。

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