半世紀前のTMS 1963年6月号
設計完了後一ヶ月、県道洞門製作に着手しましたが進展思わしくなく、今回はTMS1963年6月号の紹介です。 改めて読んでみると新しい発見があったりするものです。
表紙はV型シリンダーのギヤードロコ、ハイスラー機関車です。
見開きページに興味深いカワイモデル社告が載っています。 「C59後日ものがたり」と題する発売新製品に対する厳しい誌上評価への感謝と改善完了報告です。 お粗末な電気設計で平然とユーザーを騙し続けるどこかのメーカーに見習って欲しいです(爆)
巻頭グラビアに交通博物館でGWに開催された運転会が紹介されてます。 当時の模型界事情は解りませんが、現在のJAMの様なビッグイベントだったのかもしれません。 この写真はOゲージのグループ、全6グループに加えて中庭でライブ運転もありました。
この濛々たる発煙、一体どうやって出していたのでしょうね。 当時の一般技法は機械油を電熱線で熱する方法、だとしたら匂いがひどかったかもしれません。
こちらは16番のグループの様です。
このグループは13mm1/80と10.5mm1/70ナロー、中央に木曽森林鉄道ボールドウィン、ガソリンカーも見えます。 廃止は昭和41年からなので現役車両のモデル化です。
この号はタンクロコ特集号の様です。 織姫鉄道作者はTMS誌上にEタンクロコE10/4110を発表しており、今回はC/Dタンクオンパレードです、本文製作記紹介は割愛します。
4500形式はドイツ生まれのマレー式タンクロコ、東北地方で働き大正時代に短い生涯を終えた機関車です。 他にも9020/9750の輸入テンダーマレー機が存在しました。
作者は蒸気機関車スタイルブックの図面と写真を頼りに製作しています。
【1962年版スタイルブックより】
つまり設計データはこのページだけです。
表紙写真のハイスラー機関車製作記です。 作者はゲテモノロコマニアを自称しており、すでにシェイギヤードロコを製作してます。
外側伝導軸のシェイに対し、自動車の様に車体中央伝導軸のV型2気筒です。
常連作家が阪神国道線1型と筆者馴染みの東急玉電デハ80型をモデル化してます。
当時16番標準モーターDH-13を搭載してます、筆者も2基持ってました、鉄道模型用モーターはこんなに大きかったのです。 一回り小さい床下搭載可能なDH-10もありましたが起動性とトルク不足で評判は良くありませんでした。
陸蒸気からこだままではB20とE10登場、オハ60系は61系先駆けとなる鋼体化第一世代と説明がありますが見た事ありません。 EF15は当時一番見馴れた電機でした。
長距離旅客列車に電車が使えると証明し、電車時代の幕を開けたモハ80系、と言うより「湘南電車」です。 クモユニ先頭の長~い編成両数を数えた幼時記憶があります。
筆者も所有する蒸気機関車スタイルブック広告が出ています。 ¥950はTMS半年分以上ですから結構高い買い物でした。
裏表紙定位置のカツミ模型店は豪華版カタログ広告を出してます。 この人もしかしたら当時の社長さん?、東京オリンピック前年の好景気、定価¥140は据え置きです。
ではまた。