Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

半世紀前のTMS 1966年6月号

前回に引き続き、先月連載した機関庫の風景のネタ本TMS1966年6月号の紹介です。

【TMS1966年6月号表紙】
表紙はTCCレイアウトです、組立式は誌上紹介されてたと思いますが、シナリー付き固定式は見た記憶がなく未発発表の様です。


★作品グラフ
同号発表作品の紹介です、製作記は割愛します。


1.C11 2題
1年ほど前にトビー模型店が発売したC11は、製品紹介で高い評価を受けてました。 そのキットのディテールアップ工作事例です。

TMS編集部中尾氏の執筆です。 当時の16番蒸気キットは簡単組立可能な塗装済キットと、追加工用未塗装キットが用意されてました。

初心者向けの塗装済キット組立上の注意点と共に、中級者以上向けの比較的簡単にできるパイピング等の技法が紹介されてます。

TMS誌上に秀作蒸気を発表してたM氏が、キット発売前に自作された初期型のC11です。

現在のKATO C11と並べてもスケール差をほとんど感じません。 現在のN車両は57年前の16番車両と肩を並べてる事が解ります。


2.阪神電鉄7801系
関西在住の方にとっては昔懐かしい車両かも知れません、7801系4連です。 当時関東私鉄では京王特急も小田急急行も6連、開通したばかりの田園都市線は4連でした。

作者は阪神沿線にお住まいで、至極当然の選択をされた訳です。 車体はペーパー製ですが、多用されてるHゴム表現などを工夫してます。

昭和40年代の新型私鉄電車らしい軽快感のある外観です。

実車のMT2両ユニットに合わせて模型も2両ユニット化して配線2本を通し、HL/TLと室内灯集電性能を向上させてます。


3.軽便風の客車と貨車
軽便風の『風』は軌間16.5mmだからです。

ペーパー車体、木製屋根の工作です。 軽便風客車ならオープンデッキの方が雰囲気が出ますが、作り易さを優先した様です。

製作記から図面だけ転載します。 30mm車体幅は2400mm、国鉄車輛より400-500mm狭く10.5mm軌間レールに乗せないとらしくありません。


★新製品紹介
C50/オハ31系に続く第2弾N車両が取り上げられてます。


1.KATO 103系
KATO 103系4車種の新製品紹介です。

紹介記事冒頭に『関水金属の9mmゲージ製品は、外観設計バランスの良さにおいて世界の9mmゲージのトップをゆく物であり、16番製品と同じ観点で比較する事ができる』と激賞してます。 TMSに9mmゲージ推進意図があったにせよ、提灯記事とは思えません。


16番車両と並べて比較してます。 小さくても出来は良く価格は半分、しかもレイアウト製作の最大障壁だったスペースは3.5倍広くなるメリットを雄弁に物語ってます。

発売された各形式毎に写真掲載し詳細に解説されてます。 9mmゲージで鉄道模型を始める初心者向けにMM'ユニットとパンタ位置、4/6/8両の編成法、また発売予定のないクモハ103の改造法も解説されてます。

パンタの収納性能に若干難ありとしてますが、出来は褒めてます。

モハ103の動力ユニット部です。 この5年後にKATOキハ20系4両を購入し分解調査した経験がありますが、両軸モーター前後台車駆動方式でした。 この箱物駆動方式はKATO初期製品だけだった様です。

台車側枠について『ディテールは素晴らしいと言うか、小さいだけに物凄いとさえ表現したくなるほどで、このまま16番サイズにしても通用するくらいだ』と激賞してます。

最後に従来の16番模型車両と全く異なる設計思想や構造について、写真入りで詳細に解説してます、この辺りは読者啓蒙活動の感じです。


2.大型貨物蒸機3題
16番大型蒸機新製品が紹介されてます。


カツミは1961年にD51標準型を発売しており、初期型をなめくじドームとテンダー台車変更で追加発売してます。 完成品価格¥11,400は貨幣価値換算するとザッと7-8万円です。

D52戦後改修型は新製品です。 カツミはC62やC57四次型も発売しており、国鉄大型蒸機のラインナップが豊富でした。 D52には発売中C62設計思想を流用してる様です。

実車と同じく従輪を2軸化しナンバープレートを変更するだけでD62ができます。 カツミの蒸機キット組立には一通りの工作技術が必要で、初心者には完成品を薦めてます。


★金沢のレイアウト2題
金沢の二つのレイアウトをIMSが取材してます。


1.金城鉄道
最初は1900x2800mmサイズの個人レイアウト金城鉄道です。

電化後の北陸本線をモデルにし、EF70/ED70が牽く客車列車やキハ82系/モハ471系優等列車が走るレイアウトです。

線路配置図はありませんが、写真と記述から立体交差で折りた畳んだエンドレスともう一つのエンドレスがバックストレートの渡り線で連絡してます。 その結果左右全て同方向R曲線が3本、しかも全て勾配区間で、俗にローラーコースターと揶揄されてた線形です。

余ったエンドレス内側に留置線、機関庫、貨物駅があり、典型的と言うか変化に乏しいレイアウトっぽいレイアウトです。

一番目立つストラクチャであるトラス鉄橋下から駅方向の眺めです。 長手2800mmをもってしても駅有効長は5両分が精一杯です。


2.金沢児童会館レイアウト
もう一つは公共施設児童会館に設置されたレイアウトです。

金沢市の石川県児童会館に1965年秋に完成したレイアウトです。

2.5mx5.0mの大型サイズで地元北陸本線車両の他、子供に人気の高い新幹線超特急も走ります。 観覧席ありとは書いてありますが、来館者が運転できたかは解りません。

全体を3区分したブロックコントロールで、併設された路面電車を加え4列車同時運転可能な設計になってます。


ではまた。

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