Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

レイアウト2題

いや-っ、中2日に戻したら体は楽になりましたが、ポイントとアクセス数の減り方が半端ではありません。 大の月8月に2万割り込みそうな急ブレーキで、当分様子見するかどうか考えてます。 今回はTMSに掲載された16番レイアウト2題を紹介します。


◆TCC組立式レイアウト
TCCという名前はTMS誌上に何度か登場しており、前年交通博運転会にも参加してた事から『東京☆☆クラブ』の頭文字で☆☆は何だろうと思ってました。 そのTCCの組立式レイアウトが完成し発表されてます。

記事によると数年前のTMS読者の声欄をキッカケに結成された『東京カプラーサークル』がTCCとの事でした。 当時の16番模型ファン一番の悩みは『走らせる場所がない』でした。 個人レイアウトはスペースと資金で高根の花、貸レイアウトはまだ存在してません。

そこで同好者のクラブに入会し、定例運転会で走行させるのが一番近道でした。 TCCも結成以来数年かけて運転会用組立式レイアウトを製作した訳です。 線路配置図掲載されてませんが、7*8両編成2列車同時運転可能な3.5mx4.5m程度の組立式の標準的サイズです。

2列車運転が一番容易な複線エンドレスを採用してません。 制御盤線路配置図を拡大して読み取ると、リバース付き内周エンドレスと折り畳んで立体交差を設けた外周エンドレス、両エンドレスは両渡線と連絡線で接続され、8線ヤードを備えた線路配置でした。

メインステーションにホームはあれど上屋・跨線橋・駅舎はなし、この組立式レイアウトストラクチャの目玉はトラス橋です。 立体交差部で組立式定石の定点固定をしてます。

TMSで公開された『組立式レイアウトのすべて』を最大限活用した設計を採用しており、デユアルキャブコントール方式の2列車運転です。

公共施設会場を借りて定例運転会をするので、車1台で運搬可能なサイズが望ましく、分解すると非常にコンパクトサイズになります。

TCCレイアウト紹介ページの下に発売直後のKATO103系広告が掲載されてました。 4連で¥4,800、運転席下/床下造形は簡略化されており、固定編成前提のドローバー連結です。


現在のKATO103系はリニューアルされており、同じ4両セットが¥7,100で当時の1.5倍です、他の物価上昇率を考えるとザッと現在の4倍の価格で、かなり高価でした。 と言うより現在は、非常に精巧な模型を安価に入手できる幸せな時代だと思います。


◆団地押入レイアウト
世の中は1964年東京五輪開催で戦後復興を終え、1970年大阪万博へ向け経済発展の坂道を登ってる時代でした。 地方から上京した人達の住居は共同トイレ風呂なしの木造アパートか文化住宅と呼ばれた棟割長屋が相場で、住宅公団の団地は人気が高く、入居申込が数十倍に達する事も珍しくありませんでした。 そんな団地居住者製作のレイアウトです。

ご覧の様に押入1/4を占有したサイズです。 2DKは家族用団地で親子4人に十分と考えられてました。 作者は姉と二人暮らしの恵まれた環境、だからこそ姉に苦情を言われながらもレイアウト製作できたのでしょう。

普通の押入は3尺x6尺ですが、団地は畳も押入も一回り小さい『団地サイズ』で、寸法図ありませんがレイアウトサイズ750x850mm、最小曲線半径R270と推定されます。 折り畳みエンドレス+ポイント3個、駅以外ほぼ全て勾配区間にして立体交差を実現してます。

奥のトンネル部分の山は地表製作しただけで、まだこれからの状態です。台枠は150mm(5寸)と背が高く、制御盤を台枠に組み込んでます。

裏から見ると四の字型台枠に筋交いを入れて補強してあり、全面に板を打ち付けるフラットトップにしてません。 駅を基準に上下勾配があり、場所により基台高さを変える必要があったからだと思います。 1CH/ポイント3個なので制御盤サイズが小さくて済んでます。

Nに換算すれば400x450mmのテーブルトップサイズです。 作者はお座敷運転する際の準備と片付けが面倒で、小さくて良いから固定式レイアウトと書かれてますが、その気持ち解ります。 これほど狭小スペースで大きな破綻なく良くまとまってると思います。

➊折り畳んだエンドレスが2回島式ホーム・小上屋の駅を通ります。
➋左手前は踏切が2線を跨いでおり、終端線車止めがあります。
➌右手前は2線車庫で、小型DLや寸を詰めた2軸貨車が見えます、本線には色灯式信号機が立ってます、全部で5基、列車進行で切り替わります。
➍中央奥に鉄橋があります、フラットトップにせずトンネル内立体交差下側線路の路盤を谷底にしたからこそできた風景です。

左奥山に植樹がされ野立看板が建ってます。 地表面には茶ガラが撒いてあります。 右下鉄橋袂に信号機が見えます。


少々小型過ぎる樹木と、写真では確認し難い草花を上記の素材/方法で自作してます、固定式レイアウトならではの楽しみです。

短い島式ホームから線路を渡った右側に、ホームサイズとバランスの取れた平屋根の小さな駅舎が建ってます。

駅舎室内照明と駅名板を光らせる照明を組み込んでます。 街灯設置してますしホーム照明もしてるでしょうから、夜景写真がないのが残念です。 これも固定式の楽しみです。

作者はラジオ工作マニアでもあり、その経験を活かし様々な工夫を盛り込んで制御盤を製作されてます、掲載回路図を転載します。

補修時に半田ゴテ使えるAC100Vコンセント、モーター/照明点灯試験用DC出力、お座敷運転用フィーダー出力を備えた制御盤です。


ではまた。

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