Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

半世紀前の鉄道P誌1965年4月号➋8620特集

さて、この特集真打8620です。

【鉄道P誌1965年4月号表紙】


◆8620の基本事項
8620は9600と共に大正期製造ですが、無煙化達成直前まで長く働き続け愛されました。

8620は大正3年から昭和3年に687両が製造されてます。 先行製造された8600型と8700型の中間に位置する事から8620型と命名されました。

【蒸気機関車スタイルブック1962年版より】
登場当時は東海道本線の急行列車やお召列車牽引機を務めた事もある花形機関車でした。

8620/C50/C58/DD13の重量と出力比較表を転載します。 8620は高速性と汎用性重視設計です、改良型C50はほぼ同等性能です。 使用可能線区が重なるC58出力は25%向上しており技術進化が解ります。 DD13が無煙化には約不足でDD51が必要だった事も解ります。 


◆ディテール
では各部のクローズアップ画像を見て行きます。

本務機として使われた8620にはデフ後付けが多いですが、オリジナルはデフなしスッキリ顔、この時点の最古参11号機は大3年の製造で車齢50年です、高萩機関支区撮影です。

キャブのアップです、溶接多用前なのでリベット打ちです。 キャブ下Rが8620のチャームポイントだと思ってました。

関西土地勘が薄いので『東灘』がどこの機関区の支区か解りませんが、大阪-神戸間に蒸機の溜り場があって、『写真撮らせてください』に『良いけど気を付けてな』の答えが返って来る時代だったと思います。

8620は1Cの軸配置ですが、構造的には先台車と第一動輪だ連動する『島式1軸心向台車』を採用しており2Bと言えました。

形式名変更後、例えばC50ファーストナンバーはC50 1ですが、8620ファーストナンバーは8620です。 2号機が8621、80号機が8299になります、では81号機は?、解説します。

81号機は18620のナンバーになります、160号機が18699、161号機が28620の様に繰り上がります。 下から4/3桁目の『86』は固定、下2桁の20未満はありません。

80台毎に5桁目が繰り上がる8620特有のナンバリングで、ラストナンバーは88651です。 88651は592号機になり製造数と合いませんが、国外に送られた両数を含むからです。


◆全区にで活躍する8620
8620は一部の簡易戦を除く国鉄線何処でも走れる汎用性が特徴で各地で活躍しました。

四国はC58と8620の天下と言って良く、電化時期も遅かったので蒸機時代末期まで9620本務機が見られた場所です。

福塩線は陰陽連絡線の一つで、広島-松江を結ぶ芸備線/木次線と襷がけに三江線と福山-江津を結んでましたが、三江線が廃止され、福塩線非電化区間も風前の灯状態です。

五能線は花輪線と共に8620が本務機として活躍してた路線です。

言い写真なのに撮影場所も撮影日時も記載されてません。 線路2本見えるので非電化複線路線?、それとも駅構内線でしょうか?

8620は神戸臨港線で港の荷役にも働いてました。 税関前の踏切警報機が鳴って遮断器が降りてくる前を蒸機が貨車を牽いて通る姿が見られました。

埠頭内は専用軌道ではなく一種の併用軌道になってます。

そこで神戸港で働く8620には警報用のベルが取り付けられてました。 カランカランとベルを鳴らしながら埠頭内荷役作業に従事したのです。

都会の中を車の通行遮断して蒸機が走る、昭和40年代までしか見られなかった風景です。

この号発売時には半分弱の278両の8620が現役でしたが、その多くは入換機運用でした。 九州若松の貨物操車場で活躍する8620です。


◆変わり種8620アラカルト
両数の多い8620には様々な変わり種が存在しました、神戸港のベル付きもその一種です。

入換機運用でフロントに注意喚起ゼブラ塗装した8620です。

チャームポイントのキャブ下Rがない角々キャブです。

運転席前の庇を3倍近く長く伸ばした8620です。 [豊]は豊岡機関区だと思います、山陰本線下り西行列車牽引時に西日を遮り前方視界確保が目的だはなかったかと推定します。

門鉄型デフに桐のマークが付いてます。

テンダーに赤十字、デフ裏にゼブラ塗装です。

これも角々キャブ8620です。

動力逆転機装備の9620です。

特徴の一つであるランボード段差がない8620は9600風に見えてしまうから不思議です。


ではまた。

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