Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

地球時計の針 前編

鉄道模型関連ブログに相応しくないタイトルに???の読者も多いと思います。 元旦更新に新型コロナ関連の雑感を書きましたが、そこからの類想です。 宇宙論と進化論に興味を持ち公開書籍から学んだ知識ベースの読み物ですので、誤りがあってもご容赦ください。

【表紙画像:下り勾配疾走】


◆宇宙創世と太陽系
私達が住む宇宙は、およそ140億年前に何もない無からビッグバンにより始まったのが数々の状況証拠から間違いのない定説になってます。 相対性理論という摩訶不思議な時間空間理論を発見したアインシュタインでさえ、受け入れる事ができずに間違いを犯しました。

【ビッグバン理論の宇宙モデル】・・・ウィキペディアより
水素と微量ヘリウムしかなかった創世紀宇宙のわずかな密度ムラから引力で恒星が生まれ、核融合反応で重い元素が生成されました。 質量が大きい恒星ほど短命で百万年ほどで燃え尽き最後は超新星爆発して残渣を宇宙空間に撒き散らすプロセスが繰り返されました。


一方で核融合反応を引き起こす最低質量をわずかに超えた小型の恒星は長寿で、創世紀から現在まで輝き続けてます。 これらの恒星は赤色矮星と呼ばれており、暗いので望遠鏡で見る事はできず、仮に惑星系があっても重い元素が存在せず生命誕生可能性はありません。

【太陽系】・・・ウィキペディアより
太陽系は初期宇宙の恒星燃えカスや宇宙空間のチリやガスから約46億年前に形成されたとされてます。 太陽は銀河系中心部から離れた片田舎に位置するG型主系列のごくありふれた恒星で、寿命は約100億年、現在その折り返し点を過ぎた人間なら50歳の辺りです。


◆奇跡の惑星地球
幾つかの確率論的偶然が重なり、太陽系第三惑星に生命が誕生・進化し、最近わずか100年ほどで宇宙の構造・進化を理解するに至ったからこそ『奇跡』と感じるのであって、サイコロ十数個振って全部1が出た天体に住んでるだけと考えるのが正しい理解だと思います。

【地球】・・・ウィキペディアより
太陽系最大惑星木星は恒星になり損なった天体で、数倍の質量があれば核融合反応で光り輝き、太陽系は連星系になってました。 連星系は恒星同士が引き合って回転するので惑星の存在が難しく、原始地球はどちらかに飲み込まれるか系外に弾き飛ばされ、宇宙の迷子になってた可能性が高いと言われてます。 従って『奇跡』と考える人類出現はありません。

【シリウスAとB(左下45度の白点)】・・・ウィキペディアより
連星系は宇宙にありふれた存在で、地球から見える太陽を除いた最も明るい恒星シリウスも連星系です。 肉眼では太陽2倍質量の若い星シリウスAだけが見えます。 シリウスBはAより質量が大きく、早く寿命を終え外殻を吹き飛ばし燃えカスの白色矮星になってます。


◆地球時計
地球時計とは誕生からの46億年を1日24時間とし、何時何分に何が起きたか見る遊びです。 とは言う物の1日の7/8相当21時までの事は良く解ってません。 生命の起源は古代人も考えた謎で宗教的/哲学的説を除けば、生命誕生に必須な有機物が無機物から生成された化学変化説と、隕石などで地球外から有機物が飛来したとする説があり結論が出てません。


『はやぶさ2』が持ち帰った小惑星岩石分析テーマにはこの謎解明の手掛かり探しも含まれてます。 どちらの説が正しいとしても人類が星クズの子供であるのは間違いありません。 140億年前の宇宙誕生の謎は解明されてるのに、その1/3に過ぎない住んでる地球生命誕生が前半午前か後半午後かさえ解らないのは、生命体痕跡を地殻変動が消し去ったからです。

【地質時代】・・・ウィキペディアより
地層や化石で歴史を追える最も古い時代が5.42億年-4.884億年前のカンブリア紀で、地球時計は21:10-21:27の17分間です。 この紀の地球は海に覆われ、生命種の急拡大(カンブリア爆発)が起きたと言われてます。


地球時計21:27-21:41の14分間がオルドビス紀、オウムガイや三葉虫に加え魚類も現れましたが、紀末に種の22%、属の49%が原因不明の大量絶滅しました。 地球時計21:41-21:50の9分間がシルル紀、原始大陸への生物進出が始まり、植物が登場した紀です。

地球時計21:50-22:07.5の17.5分間がデボン紀、原始大陸衝突が始まりアンモナイトが登場、多くの魚類化石が発見される魚の時代で、陸上ではシダ類が繁殖し両棲類や昆虫が登場しました。 紀末の大きな気候変動と海水面低下で海洋生物種の82%が大量絶滅してます。


地球時計22:07.5-22:26.5の19分間が石炭紀、大森林が形成されこの地層から石炭を産するのが命名由来です。 植物を分解する菌類進化が進んでおらず、炭素が石炭として固定された結果、現在と反対に大気中二酸化炭素濃度が低下し地球は寒冷化、氷河時代に入りました。 両棲類から進化した爬虫類や哺乳類の大半がこの気候変動でまたも大量絶滅してます。

【パンゲア大陸】・・・ウィキペディアより
地球時計22:26.5-22:41.5の15分間がベルム紀、太陽光反射の南極付近ゴンドワナ大陸氷河が移動して溶け温暖化が進行、大陸は一つに纏まりパンゲア大陸になりました。 爬虫類/哺乳類/鳥類の直系祖先が現れ、シダ類に加えイチョウ/ソテツ類裸子植物が栄えましたが、地殻変動の激しい紀で末期の火山活動による温暖化で90%-95%の種が大量絶滅してます。

【三畳紀の原始恐竜】・・・ウィキペディアより
地球時計22:41.5-22:57の15.5分間が三畳紀、原始恐竜やネズミサイズの哺乳類が登場した紀です。 三畳紀生態系頂点に立ってたのはワニの仲間で、哺乳類は捕食者から逃れるか弱い存在でした。 ベルム紀末史上最大の大量絶滅から隙間を埋める様に生物進化し多様性を回復しましたが、火山活動または隕石衝突による気候変動で紀末に大量絶滅が起きてます。


地球時計22:57-23:14.5の17.5分間がジュラ紀、三畳紀末火山活動で地球は温暖化、植物は大型化し被子植物が現れました。 三畳紀にパンゲア大陸分裂が始まり、大量絶滅を生き延びた恐竜/哺乳類/魚類が種を増やし、始祖鳥が現れた恐竜主役の紀です。 ただし映画『ジュラシックパーク』に登場する恐竜は次の白亜紀の生物でありジュラ紀ではありません。

地球時計23:14.5-23.39.3の24.8分間が白亜紀、皆さんご存じのティラノサウルス・トリケラトプスなど恐竜主役の紀です。 地球は温暖湿潤で大陸分裂が進み、その地理的隔離が生物進化多様性を後押ししました。 ある日突然終りが来ます、現在メキシコに残るクレーター跡の巨大隕石衝突で数百年太陽が覆い隠され海洋生物種の75%、陸上生物種の50%が大量絶滅しました。 恐竜は現在の鳥類に繋がる種を除き全滅しました。


地球時計の残り時間は20.7分になりました。 既存知識に加え公開するなら正確にと調べ直すと知らなかった事や誤解がボロボロ、つい長くなり2回に分ける事になりました。


ではまた。

謹賀新年

皆様、明けましておめでとうございます、本年もよろしくお願いします。

年末寒波で日本海側は大雪、長野県北部は1mを超える積雪です。 当地は降り残りの薄雲が掛かって雪が舞う程度、4-5cmの積雪で今シーズン初の雪かきを大晦日にしました。


12月30日県内新型コロナ感染者数が12人と10月8日以来2桁になり、今後が心配されます。 年末年始に2年振りに帰省する家族や、友人との再会、成人式出席で帰省する新成人も多いと思われ第6波が現実になりそうです。 ご挨拶だけでは物足りないので雑感を少々。


◆新型コロナに想う事
今年はコロナ3年、次々現れる変異株はコロナウィルスの生き残りを賭けた生命活動です。 医療/防疫技術未発達の中世にコレラやペストが大流行し人類を脅かした歴史があります。 根拠のない推測ですが、新型コロナも過去の伝染性疾病と大差ないのではと思います。


変化したのは人類、病原菌繁殖を助けるキャリア人類の移動が桁違いに大きくなってます。 中世の移動距離は徒歩で30km/日、馬車で200km/日、現在は20000km/日で地球の裏側まで行けます。 その差距離百倍、面積1万倍の分だけ繁殖チャンスを与えてるのです。

穿った見方と嗤われるかもしれませんが、コロナウィルスと人類の地球覇者を掛けた戦争中ではないでしょうか? 高が細菌と見下し、覇者には知能が必要と考えるのは人間の驕りに思えます。 敵は既に数百万人、人類の0.1%を殲滅し更に新手を繰り出し続けてます。


最終的に人類がこの難局を知恵で乗り越え勝利する事を信じたいですが、コロナ禍が人類に与えた生活スタイルや考え方への影響は甚大で、決して元に戻る事はないと思われます。 筆者個人はこの未曽有の事態発生がリタイア後だった事に感謝してます、スミマセン。


ではまた。

2021年を振り返る

新型コロナに振り回された2021年が暮れようとしてます、年末恒例の年間総括です。 重症化リスクが高い高齢者ワクチン接種は7月に終り、1-3月に3回目接種が行われます。 生命危険リスク優先の措置ですが、一番の被害者は現役勤労世代と子供達だと思います。

【新規入線長野式集煙装置付D51】
前回書いた様に2021年に延伸線建設は停滞し、結果的にシリーズ物や古い雑誌紹介、雑感で食いつないだ1年になってしまいました。


◆Wさんレイアウトで遊ぶシリーズ
現代の平均的鉄道模型趣味人、電気が苦手な知人Wさんの依頼を受け、フィーダー/ギャップ設置と駅構内線形設計を請け負いました。 昨年末の1回含て8回、今月の給電レール長検証含めると9回のシリーズになりました。 ユニトラック敷設レイアウトの参考資料です。

図面のない文書情報メールコミュニケーションの難しさがあり、何度かやり直しがありましたが、今となっては笑い話です。 当初依頼のフィーダー/ギャップ設置より、筆者ツールによる線形設計で建設目途が立ったと大変喜んでいただけ何より嬉しい事でした。


◆大苦戦の湖南電源シリーズ
『がおう☆』さん湖南工場に業務委託した入線整備バーターでお約束した湖南電源完成に大苦戦した1年でした。 元はと言えばコンパレータ2回路あるから2CHにした貧乏人根性が諸悪の根源で、昨年末にはラッチ回路応用の新安全性保証回路が完成してました。

【右側に追加した安全性保証回路基板】

連載7回で組込み・動作確認・走行試験を行い、追加入線整備依頼車輛と共に3月納品しましたが検収試験で問題発生、返送される事になりました。 調査すると常点灯時20V前後ヒゲなど指摘事項以外にも2CH化起因要改善点が見つかり、自分の甘い判断を呪いました。

【常点灯性能をを劇的に改善する奥の手回路】
動作理解自信がなく非公開自社用奥の手回路(推奨しません)で常点灯と蒸機速度表示問題を解決、ノッチ加速度をスローに改修、最大出力電圧確保の損失低減、ヒゲ退治を経て新基板製作まで17回連載しました。 結果的に計24回1/5が電源関連記事になりました。

ところが視力低下が進み基板半田付けに自信持てなくなりました。 LED照明付拡大鏡作業台発注ミスと再発注納期遅れがあり届いたのはつい先日、年内送品できなくなりました。

一方で当社から委託した入線整備はとっくの昔に完了し7月末には届いてます。 完成した8620や新型キハ58編成見たいですが開封してません。 湖南電源改修完了して送付し検収試験合格するまではと封してます。 『がおう☆』さんもう少しお待ちください(滝汗)


◆半世紀前の鉄道雑誌シリーズ
ネタに困ったら著作権切れ鉄道雑誌紹介は拙ブログ常套手段で、今年も使ってます。 でも若い読者には新鮮に映る事もある様で、記事作成で読み込む筆者にも発見がありました。

元旦に始まり春先までに、この2冊で8回記事作成してます。

その後の3冊TMSで7回記事作成しました。 共通テーマは筆者レイアウト製作方向性を決めた摂津鉄道です。 思い出深い作品で、ああそうだったと夢中になって読み返しました。

鉄道ピクトリアル誌からは9600とD50/D60特集号を7回に渡り紹介してます。 まだ8620とC55/C57特集号が手元にあり出番待ちです。 以上半世紀前の鉄道雑誌で22回記事作成しました、読み込むと忘れられた様々な出来事があったからで、食い延ばしではありません。


◆時刻表をしゃぶり尽くしたシリーズ
東海道新幹線開業前夜、1964年9月号の時刻表復刻版を入手しました。 サン・ロク・トウ大改正後で従来線主役の最後の月です。 車両種類や優等列車数はヨン・サン・トウ大改正後に及びませんが、準急廃止・特急大安売り・夜行列車減少があり一番好きな時代です。

【1964年9月時刻表復刻版】
5月末から9月末の間に数回に分け、旅の思い出やら廃止路線・時刻表分析など思い付くまま書き続け、『国鉄黄金時代回想録』シリーズは19回に及びました。 長距離旅客輸送を航空便に、貨物輸送をトラック/宅配便に奪われる前の国鉄が輸送の主役だった時代でした。


◆フィーダー給電距離調査シリーズ
ジョイナー接触不良による電気区間境界部速度差問題発覚は4月でした。

【問題発覚した中山平入口】
疑問を感じると何が起きてるか解明したくなるのがエンジニアの性、70過ぎてもその習性は変わらず9月末に確認実験を開始しました。 その結果、ジョイナーとポイント内部SW接触抵抗は予想以上に大きく、それが敷設後の経時変化で更に大きくなる実態が解りました。

フィーダー/ギャップ設置法は電気関連記事で解説済みですが、フィーダー給電距離=設置密度は公開情報がないので、新しい基準として給電レール長を造りました。 経時変化含めるとジョイナー1ヶ所がS248相当、ポイント内部SWがS248x2本相当の結果でした。

そして誰でも簡単に使える基準として、走行列車による給電レール長の目安を公開しました、問題発覚から計測・まとめまで15回、従来線改修工事で4回、計19回のシリーズになりました。 長年ユニトラック遣ってきた筆者も盲点で、2021年の成果だと考えてます。


◆生野駅建設シリーズ
当社メインステーション生野駅は写真で頻繁に登場してますが、ブログ開設など全く念頭になかった初期の製作で記録がなく、これまで一度も製作について紹介してませんでした。

残ってたわずかな写真に図面作成や新撮写真を加え、市販キット加工・組合せ使用した生野駅製作法を紹介しました。 KATOローカル駅舎と近郊型ホームのドッキング、嵩上げホーム加工、長スパン跨線橋など筆者のこだわり満載で、全7回シリーズになりました。 

以上6回のシリーズ連載で年間更新125回中99回の8割を占める異例の1年になりました。 さて来年はどうなりますことやら、皆様どうぞ良いお年をお迎えください。


ではまた。