Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

KATOは鈍行夜行列車シリーズ化?

久し振りにKATOのHP覗いたらトップページスクロール画面に気になる広告がありました。 KATO以外の車両に興味はなく他社は見ません。 気になったのは2024年5月発売予定の夜行鈍行『山陰』です。

【KATO HPより】
『山陰』には???となりました。 国鉄は1949年6月に鉄道省を引き継ぐ形で発足し、1987年4月に民営化まで38年間存続し、1957年から1974年まで熱烈な時刻表ファンだった筆者の記憶に『山陰』がなかったからです。 その詮索は後回しにして、KATOは3年ほど前にEF13の牽く中央本線普通列車を製品化してたハズと調べてみました。

【KATO HPより】
加齢すると時間が経つのが早いと言いますが、発売予定カタログを遡ると5年前2019年5月でした。 筆者が良く知る1970年前後の中央本線には昼行3本夜行1本の新宿-長野間普通列車が運転されており、所要時間は10時間少々、現在の新幹線の7倍も掛かってました。

【KATO HPより】

牽引機が貨物専用機EF13で暖房用蒸気発生装置が装備されてなかったので、冬場は次位に廃車した古い蒸機の罐を積んだ暖房車マヌ34を連結してました。 山行で馴染み深い列車なの食指が動きましたが、時代設定合っても非電化の当社に居場所がなく見逃してます。

【KATO HPより】
その製品紹介でKATOは超弩級チョンボをやらかしてます。 赤枠には『D51/DD51/DF50茶で非電化区間の牽引やマヌ34をはずしたEF64の組み合わせも楽しめます』と書いてあります。 この解説鵜呑みにした当時を知らないマニアはD51次位マヌ34の絶対有り得ない列車を走らせてるのでしょうね。 マヌ34の背景と機能理解の不十分さが原因のミスです。

【KATO HPより】
『山陰』の解説読むと、寝台券発券システム更新により列車名が必要になり、国鉄の都合で誕生した命名でした。 発券システムマルスの歴史から、『山陰』誕生は1975年3月10日と解りました、筆者と行き違いでした。 良く知る時代の山陰本線夜行鈍行は3本でした。

【関西-山陰の夜行鈍行】
関西と山陰を結ぶ夜行鈍行は2本、1本は京都発下関行の全線789kmを18時間以上掛けて走り、1等車併結ですが寝台車はありません。 もう1本は大阪発福知山線経由浜田/大社行、浜田行に1等車が、大社行に寝台車が併結されており、これが『山陰』になった様です。

【九州-山陰の夜行鈍行】
山陰本線夜行鈍行の最後は門司と米子間に運転されており、下関-出雲市間の利用経験があります。 この列車も1等車併結ですが寝台車はありません。 1969年5月に等級制廃止までの国鉄時代前半は、長距離普通列車の1等車(3等級時代は2等車)併結は当り前で、寝台車併結は非常に珍しい例でした。 山陰本線例は出雲大社参拝客利便性向上が目的です。

【夜行鈍行の寝台車併結事例】
北海道小樽-釧路間夜行鈍行も1等車と寝台車を併結してました。 先行する急行『まりも』との時間差は小樽で1時間、札幌で1時間半、終着釧路で3時間半(6:06着と9:38着)です。 急行『まりも』は函館-札幌間昼行急行、札幌-釧路間夜行急行で1/2等指定席、食堂車併結ですが、昼行運転の都合か寝台車が併結されておらず、その受け皿だった様です。 

【KATO HPより編集】
KATOの解説によれば1980年前後、国鉄時代末期の列車を再現した訳で、『山陰』を選んだのは寝台車併結の編成バラエティと列車名だと思います。 でもチョッと待った、もう10年少々時計戻せば、鈍行らしく列車名なくても1等車、寝台車併結の編成が可能でした。

【KATO HPより】

なまじ印刷済『山陰』サボを取り付けるから、時代と場所が限定されてしまいます。 サボ外して1等車を編成に加えれば、牽引機はDD51/DF50/C57/D51のお気に召すままで、60年前国鉄山陰本線の列車を再現できますし、寝台車外せば全国区の夜行鈍行で通用します。

【KATO HPより】
『鈍行夜汽車』にはグっと来ますが『長距離』は疑問、500km以上でないと長距離とは言えません。 例示の京都-下関間789km、上野-青森間約740kmには東北本線/常磐線経由2本の夜行鈍行が運転されてました。 大阪-新津間590kmの夜行鈍行もあり、サン・ロク・トウ前のこの列車は大阪-秋田間860kmを丸一日以上掛けて走ってました。


個別製品広告に加えこんな広告掲載してるのは、今後夜行鈍行をシリーズ化する計画があるのでしょうか。 旅情を感じる昔の混成鈍行列車は楽しい物です。 時代や路線設定により牽引機や両数の自由度が高いのもレイアウト向きです。 今後の展開に期待してます。


ではまた。

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