Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

半世紀前のTMS 1966年8月号

前回更新で紹介した16番レイアウト須津谷急行電鉄のネタ本紹介です。
◆農業倉庫の話 前編
◆農業倉庫の話 後編
◆トラス橋の基本知識
◆N用トラス橋製作法
この号掲載記事で以上4記事も公開しており1冊で6回の更新です。 著作権切れの手持ち冊数が減ってるので、徹底的にしゃぶり尽くしてます。

【前号より転載】


1.作品グラフ&製作記
同号掲載その他の記事は作品グラフからです、製作記は読者が興味を持てそうな部分に絞っての紹介です。

トップバッターは小田急の通勤用HE車です。 HE車とは「経済性に優れた」の意味で、つまりは安物電車とも言えます。

作者は熱烈な小田急ファンで自社名を頭文字がOERになる様に決めており、TMS誌上に小田急車両を次々と発表してます。

デハ2400系4連はTcMM’Tcの固定編成で、先頭制御車全長16mに対し中間電動車全長19.3mと大きく異なってるのが特徴です。

車体は全真鍮製で、プレスドア等にエッジングを使ってます。

この形式床下機器の特徴的な抵抗器は、スプリングベルトと帯板で丹念に作られてます。

作品グラフ2番手は南海の木造凸電です。 作者は南海最新型凸電を製作発表しており、最新型と最古参2両の南海凸電を揃えたかった様です。

木造ボディはスジ彫りでなくエッジングを使ってます。 また2本のポールはヘッドライト切替スイッチの役割を持ってます。

製作記は割愛し、珍しい車両なので図面だけ掲載します。

作品グラフ3番手はフリーのガーラット式蒸機です。 シリンダー2組蒸機としてマレー式が知られており、旧東海道本線箱根越え補機に使われた実績がありますが、これは国内実績がないと思います。

この作品はカワイモデルのキット改造コンクール入選作で、C11タイプタンクロコ2両の下回りを使い、上回りを自作してます。

作品グラフ最後はKATO C50の改造2例です。

1例目は2-6-0のC50を4-4-0への改造です。 スケールモデルが次々発売され、待てば良い現在と異なり、蒸機はC11/C62発売までC50だけの時代がしばらく続き、TMSに8620やC11への改造が発表されてました。

 

下回り主台枠を切り欠き、動輪抑え板を短縮して止めビスを追加し、サイドロッドも短縮し切断面処理をしてます。

下回り加工前に外したリターンクランクは、動輪輪芯がプラ、クランクピンがステンレス鋼なので、カシメで再組立してます。

2軸化した先台車は0.7t真鍮板の新製で、先輪を嵌めて下を少しカシメるだけで抑え板はありません。 曲線通過の為に左右スライド可能です。

下回りの改造でC50が6760タイプに生まれ変わりました。

上回り改造はありませんが、軸配列変更でフロントヘビーになり駆動力が落ちるので、空きスペースに鉛ウエイトを詰め込んでます。

2例目はディテールアップ改造です。 筆者が所有する1970年代C11/C62(いずれも休車)と比べ稼働中D51/C57/8620/C12は格段に進化してます。 当時のN車両が、16番標準レベルから見て物足りなかったのは事実で、手を加え細密感・重厚感アップを狙ってます。

Aは手摺の製法で車体に0.5mm穴を空け接着固定してます、連結解放テコも同じ製法です。 ボイラーを跨ぐハシゴは船舶模型用をヤスリで細くした物で、テンダー背面にも取り付けてます。 汽笛は16番用ハンドレールノブ加工、つかみ棒は0.4mm真鍮線加工です。

他にもシリンダーブロック上や油ポンプの箱を削り出して取り付け、キャブ下給水ポンプパイピングも行い、上回りの細密感が向上してます。

下回りにはブレーキ装置を追加してます。 0.3mm真鍮線・真鍮板を中心にブレーキシューは0.5mm真鍮板から外形だけでなく厚さも加工、しかも半田付け組立には絶句します。

KATO50周年記念時のリニューアル発売C50には及ばないかもしれませんが、16番技法でN車両をここまでディテールアップしたのは凄いです。

テンダーは背面のハシゴが追加装着されてます。


2.製品紹介
製品紹介ページには木曽森林鉄道B1タンクロコを販売してたつぼみ堂から追加発売されたナロー客車2種と貨物車、運材台車が紹介されてます。

B1タンクロコと同じく軌間16.5mmと10.5mmの2種が用意されてます、縮尺は1/76から1/70です。 ナローの雰囲気優先なら断然10.5mmですが、在来線も新幹線も日本型車両全てを16.5mm軌間で走らすのが16番コンセプトですので、止むを得ないでしょう。

【同号つぼみ堂広告ページより】
B1タンクロコと客車2両、貨物車1両、運材台車3組6両で〆て¥4,880、貨幣価値換算すると3.5万円-4万円と結構なお値段になります。

客車はオープンデッキのナローらしいスタイルで、ボギーのB型と2軸のC型の2種です。

貨物車はC型客車と下回り共通で少し背が低く、妻面に窓があるのが特徴です。 運材台車はこの様に連結して2両1組で伐採した木材を運搬する森林鉄道に欠かせない存在です。

もう一つの製品紹介は、多種多様なペーパー車体キットを販売してた小高模型から発売された、車体に組み合わせる台車18形式です。

それまで一般的だったドロップ製よりダイキャスト製のこの台車は彫りが深く、実感的なのが特徴でした。  筆者もオハ35ペーパー車体キットを組みTR23を数組持ってました。

この製品は簡単に使えるのが特徴で、台車と車輪セットに加え台車枕梁までセットになっており、ペーパー車体キット付属の木製床板に穴を空けてネジ止めするだけでOKでした。 他に床下機器も各形式用が販売されており、安価で簡単に車両増備が可能でした。


ではまた。

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