Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

ポイント電気講座⑦Pecoその2

ポイント電気講座7回目です。


6-3.ダブルスリップ
限られたスペースに理想の線形で長い列車を走らせたい、この夢実現に最も効果的なのがダブルスリップとカーブポイントだと思います。 カーブポイントは通常ポイントの形が歪んだだけなので、電気講座としてダブルスリップを取り上げます。

とは言う物のローカル線の当社には無縁の存在、調査目的に購入できるお値段じゃない、
そこで本稿は『がおう☆さん』と『た625さん』から情報提供を受け執筆しました。 お二方、ありがとうございました。

【TOMIXダブルスリップ】
ポイントフェチ垂涎の的ダブルスリップはTOMIXとPecoの2社です。 TOMIXダブルスリップ5基を10年近く使用された『た625さん』の評価は「通電不良・切替不良・脱線が多発する欠陥商品」です。 本講座では電気特性について簡単に解説します。

【TOMIX両渡り線】
ダブルスリップは両渡り線をギュッと凝縮した線形で機能的にも同じです。 TOMIXはこの考え方の設計で、中央にギャップを設置し4方向から給電する方式なのでフィーダー不要です。 またポイント切替は直進/スリップの2モードで、使い易い設計コンセプトですが、それを実現する技術が伴い安心して使えるかとなると???です。

【Pecoダブルスリップ電気設計の基本形】
Pecoダブルスリップは両渡り線凝縮形でなく、機能的には同じ2個の背中合わせポイント凝縮形の考え方で設計されてます。 従ってポイントはトング側から給電の法則により、ダブルスリップには必ずフィーダー設置が必要です。

【Pecoコード55ダブルスリップエレクトロフログ】
フィーダーは両外側レールから給電します、図中央赤丸・青丸部はそれぞれ電気的に一体化されています。 左右にトングスライダーがあり2x2の4切替モードです。

電気ブロックは上下外側レールと中央クロスが一体になりフィーダー設置する2ブロックと左右フログの4ブロック構成です。 そして面白いと言うか面倒臭いと言うか左右フログは非給電、つまり走行不能状態で販売されてます。

【Pecoダブルスリップ裏側】・・・『がおう☆さん』提供
裏にリード線4本、真中2本がフィーダー、上下2本がフログ、これをトングの動きに合わせ切り替えないと走行できません、使い易さはTOMIXに比べたら天地の差です。

トングの動きと開通方向の関係です。 エレクトロフログは開通方向のみ両極性が給電される『選択式』なのでフログは上図の様な極性になる必要があります。 はてフィーダーとフログをどの様に配線したら良いでしょうか?、知恵の輪です(笑)


《答え》
①上下各2枚をじっくりご覧ください、右トング切替と左フログ極性が同期してます。

②左右各2枚をじっくりご覧ください、左トング切替と右フログ極性が同期してます。
③つまり、フログは反対側トングの動きに合わせ接続を上下に切り替えればOKです。

Peco純正品でダブルスリップ切替制御するにはポイントマシンPL-10にアクセサリースイッチPL-13を連動させてフログ極性を切り替えます。 この時に注意事項があります。

【筆者ポイント切替電気講座実験装置】
PL-10動作電流は約3.3A、TOMIXの2.5倍、KATOの5倍です、ポイント切替には電流容量が大きい太い配線を使用してください。 瞬時なので発熱発火等のリスクは低いですが、配線抵抗による電圧降下が大きく切替不良の発生原因になります。

また、サーボ切替の場合はショート防止の為、トングが双方レール非接触のスローアクション中に切り替える必要があります、詳細は『親爺ぃさん』の記事をご覧ください。


6-4.ダブルスリップの応用
代表的なダブルスリップ応用例についてフィーダー/ギャップ設置を解説します。

複線エンドレスに待避線付き中央駅、全てのホームとヤードが往来できる線形で、2電源2列車運転の想定です。 右側カーブポイントの併用でKATOで6両編成目一杯のスペースに8両編成停車が可能になるダブルスリップのメリットを活かした応用例です。

TOMIXで構成すると、フィーダー不要のダブルスリップと完全選択式のメリットでほぼつなぐだけで運転可能です、ギャップが必要なのはたった1ヶ所です。

Pecoで同じ線形を構成すると、電気設計が非常に面倒になります。 コレ本講座の期末テストになるかもです(笑) フィーダーはダブルスリップ2ヶ所追加です、分岐側対向場所に設置必要なギャップは7ヶ所、筆者なら運転パターンを考えこの位置設置です。


さて内回り/外回り本線用パワーパックにF1/F2を接続、それではダブルスリップF1a/F2aはどう配線しますか?、エンドレス運転するからF1aはF1と、F2aはF2と一緒ですか?。 間違いではありませんが以下の様にするとさらに運転を楽しめます。 

F1aとF2aに双方のパワーパックを選択するトグルSWを設けます、現在の切替位置は待避線を含めた内回り/外回り本線2列車運転可能モードです。


①外回り列車が左方向へ発車後エンドレス周回中または3・4番線到着までの間に、F2aを切り替えるとF1(PP1)でヤード⇔1・2番線間の列車入替運転が可能です。
②2番線から内回り列車が発車後エンドレス周回中にF1aを切り替えるとF2(PP2)で1番線⇔外回り本線間の折り返し列車や留置始発列車の運転が可能です。

③ポイント制御にArduino採用の場合(サーボ/PL-10を問わず)は、制御アルゴリズムによりF1a/F2aをリレー切替しトグルSW操作を自動化する事が可能です。


上記配線を行わずダブルスリップ内回り/外回り本線間を通過するには、F1/F2を1台のPPで制御するか、双方PP極性/電圧を揃えるしかなく、いずれの場合も1列車しか運転できません。 この様にフィーダー配線を工夫すれば運転の楽しみが広がります。


ではまた。

ポイント電気講座⑥Peco その1

ポイント電気講座6回目です。


6.Peco
6-1.インサルフログ
Pecoには『ポイント電気講座②ルーツから学ぶ』で紹介したポイント界のレジェンド、エレクトロフログの他にインサルフログが製品化されています。 エレクトロフログは『選択式』、インサルフログは『非選択式』と誤った情報が流布された為、不遇を囲ってる可哀相なポイントです(笑)

この間違いは『親爺ぃさん』が2016年4月に指摘されています。 当講座ではインサルフログの電気的特性と用法について筆者アイディアを含め解説します。

【使用写真はエレクトロフログです】
エレクトロフログの3電気ブロックに対しインサルフログは5電気ブロック構成です、と言ってもフログは絶縁物(insulator)で開放なので実質4ブロックです。 直進側・分岐側それぞれのトングと内側レールはフログを跨いでジャンパー接続されています。

インサルフログの定位反位電気極性は上図の様にトング接触/非接触で決まり、ポイント開通方向のみ両極性が給電される『選択式』ポイントです。 エレクトロフログとの違いは非開通内側レールがフログ同極性でなく開放に(青点線)なっている事です。

【『ポイント電気講座④KATO その1』より転載】
アレッこの解説どこかで聞いた覚えありませんか?、フログとトング非給電の違いはありますが、ポイント出入口の電気極性はKATOと全く同じです。 インサルフログは『非開通内側レール開放式』であり、KATO同様に比較的簡単に使いこなす事が可能です。


Pecoは何故複雑な製品体系にして2種類のポイントを用意したのでしょうか?、使い易くする為でしょうか?。 一長一短はあれどエレクトロフログは第一世代、インサルフログは第二世代の見方もできますが、Pecoレール進化の歴史調査ができず解りません。

【筆者案のインサルフログ非選択式化】
インサルフログ非選択式化について冒頭の『親爺ぃさん』を含めトング/フログ間ジャンパーを切断し分岐側をジャンパーする方法が公開されてます。 筆者案はジャンパー2本追加です、改造が簡単でトング補助給電機能が加わりより信頼性が高いからです。


筆者改造案2電気ブロック化の定位反位電気極性は上図の様になります。 ポイント開通方向に係らず双方向に両極性が給電される『非選択式』ポイントに変身します。

【『ポイント電気講座⑤KATO その2』より転載】
この改造で電気極性はKATO非選択/フログOFFと完全に同一になります。 DCC採用、または電気が得意でない方にはインサルフログがお薦めです。 ただしPecoはトングにスプリングアクション機能がないのでスプリングポイント使用はできません。

何故エレクトロフログ大改造でDCC化するのか?という筆者疑問に『ジュンパパさん』から答えを頂戴しました。 コード55はダブル/シングルスリップと大型クロッシング以外インサルフログ設定がないのです。 益々Pecoの両フログ位置付けが解らなくなりました、今後設定範囲が拡大すればDCC/Pecoユーザーの朗報になると思います。


6-2.延伸線ポイント合理化検討
ポイント電気講座に私事を持ち込んで恐縮ですが、インサルフログ解説をして設計検証を思い立ちました。 延伸線はコード80採用なので両フログ選択余地があります、何かの参考になればと考え、アイディアを紹介します。

筆者は信頼性重視でPecoへ乗り換え、以下理由でコード80を選択しました。
①ポイント/クロッシング角度が大きいコード80の方がスペース効率が良い。
②中型/大型ポイント組合せ使用により変化に富んだ線形を実現できる。
③コード55はレールオーバースケール感は改善するが、広軌感が強調される。
低線路密度ローカル線の当社には可能な選択ですが、複雑な線形実現にはポイント種類が豊富なコード55を使用するしかないのが現状です。

【『露太本線のJAM初訪問記』より転載】・・・『た625さん』JAM2017出展品
『親爺ぃさん』の布教活動によりArduino制御採用者が増えてます、『サーボスローアクション』『Pecoエレクトロフログ』『リレーフログ補助給電』の3点セットです。 かく言う筆者は先駆者達が技術確立したらタダ乗りを目論むチャッカリ者です(爆)

倉元駅スイッチバックのギャップ/フィーダー設計で選択式が必須条件になるのは8ヶ所中ただ1ヶ所、機関車駐在所分岐P8だけで他は非選択式使用可能です。 ここにインサルフログ非選択式改造ポイントを使用するとリレー補助給電が不要になります。

さらに各ポイント構内運転パターン検証により、3ヶ所はスプリングポイント化が可能と解りました。 完成したばかりの信号扱所梃子数との不整合は目をつぶります。

【スプリングポイント】
ジャンパー給電で不要になるトング線バネを外せば、トングはスムースに動くと思われ(未確認です)、スプリングアクション機能を追加すればサーボが不要になります。

大きな効果を期待できる合理化案と言うより手抜き案です。 まだアイディア段階ですが、インサルフログの便利な用法として是非挑戦したいと考えています。


ではまた。

ポイント電気講座⑤KATO その2

ポイント電気講座5回目です。


5-2.非選択式の特性と用
前回KATO市販品状態の解説をしました。 『非開通内側レール開放式』(筆者命名)によりルーツポイントの選択式を使い易くした方式とご理解いただけたと思います。

KATOは電気特性変更が簡単にできます、裏側の選択/非選択ネジ締め位置を市販状態の選択から非選択に変えてみます。

内部接点導通変更により、定位反位電気極性はこの様に変化します。 ポイント開通方向に係らず双方向に両極性が給電される『非選択式』ポイントになります。 フログは開通方向トングと同極性になりますが、コマンドでポイント切替制御するDCCなら無電区間がないこの仕様が適してるのかもしれません。(筆者はDCCに詳しくありません)

フログ選択ネジをOFFにするとフログが常時開放になりますが、ポイント開通方向に係らず双方向に両極性が給電される『非選択式』ポイントは同じです。 フログは双方向無電区間ですが、短距離なので列車走行可能です。 上記2種の非選択モードは全線常時給電が要求仕様のDCCが主用途ですが他の用法もあります。

【従来線中山平駅】
KATOユーザーはご存知だと思いますが、ポイントトングは軽い力で動き元へ戻ります、非選択/フログOFFでスプリングポイントとして使用可能です。 非DCC露太本線中山平駅に採用し、これまで2度触れましたが反応ゼロ、興味がないと理解しましたが、何を言ってるか解らなかった(失礼!)と思い直し、改めて解説します。 なお、非選択/フログONは車輪でフログ部ショートが発生しスプリングポイント使用ができません。

レイアウト建設着手前に何十回も書き直した中山平駅線路配置設計図です。 KATO4番右ポイントx3、2番Y字ポイントX2、既製線路で構成した典型的国鉄ローカル駅です。 図中赤丸がギャップ位置で2ヶ所はショート防止、2ヶ所は運転用です。

摸式図ですY字ポイントはダミーなので無視できます、貨物側線P3は選択式、本線P1P2は定位固定非選択式です。 左方向から1番線到着列車が右方向から2番線に列車到着の後、F2を逆転すればポイント切替せずに発車できます。

列車が非開通方向から給電されたトングレールを押し広げて通過します。 2軸軽量貨車でも脱線せず、念の為設置したP1P2連動ポイント切替スイッチは使ってません。 ポイント操作不要、フィーダー切替だけで2列車運転できるので大変便利です。

【『ポイント電気講座①プロローグ』より転載】
このスプリングポイント機能はKATOだけのメリットです、紹介したリバースループ線は一方通行にする事でポイントは反位固定の非選択モード、配線も操作も不要です。

この機能は走行方向一定の複線エンドレス駅でも運転操作省力化に使えます、上下各1電源1列車運転の例です。 TOMIXはもちろんKATO『非開通内側レール開放式』もギャップ不要で線路つなぐだけで運転可能です。 下記3運転パターンだと思います。


【通過】P1P2定位で通過線走行。
【停車】P1反位でホーム停車、P2反位で発車。
【留置】P1反位でホーム停車、P1定位で給電停止留置。⇒P2反位で発車。

上下線出発側ポイントP2P4を非選択/フログOFF定位固定し、その近くにギャップ設置するとポイント操作が半分になります。 反位でもOKですが高速でスプリングポイント通過はチョットね(笑) 留置だけ少し違和感ありますが省力化効果は大きいです。


【通過】P1定位で通過線走行。
【停車】P1反位でホーム停車、そのまま発車。
【留置】P1反位でホーム停車、P1定位で給電停止留置。⇒P1反位で給電し発車。


5-3.KATO両渡り線にはご注意
KATOユーザーの筆者が一度だけ痛い目に逢った事があります、両渡り線です。

両渡り線は4個のポイントが対向した線形です。 分岐側が対向した場所にはギャップの設置法で、Pecoも完全選択式のTOMIXも中央部全てのレールにギャップが設置されています。 しかし何故かKATOだけはこの様に両外側レールにギャップがありません。

通過型スイッチバック使用なので対角方向引上げ線と発着線が構内フィーダー、残る対角が本線別電気区間の設計です。 当然全レールにギャップ設置してるハズと思い込み線路敷設後の試運転でショートしまくって始めて気付きました。

【笠松信号所】
KATOサービスセンターエンジニアに直接問い合わせたところ、複線エンドレス組込み用に設計し、フィーダー給電距離短縮目的でこうしたとの事でした。 1エンドレス1電源なら仰る通り、でも長大エンドレス複数電源で使えばショートします。

ラチが空かないので道床部分切断が問題ない事を確認し、敷設後ポイントにギコギコ糸鋸でギャップを設置、奥は背景壁設置後だったので路盤まで切りました。 KATO両渡り線はあるべき場所にギャップがなく、用法によってショートしますのでご注意ください。


ではまた。