Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

電源製作⑦出力回路完成

電源製作7回目は12Vで基本設計した出力回路を完成させ、9V仕様、12V/16V兼用仕様へ展開し特性確認を行います。 専門的な設計解説はやっぱり人気ないです(笑)


7.出力回路設計の完成
7-1.12V専用仕様
一番利用者が多い12V専用仕様からまとめます。 12V/16V兼用仕様にする際は使用部品が一品種だけ変更になりますのでご注意ください。

回路図は前回制御可能デューティー比改善の実験回路②そのままで、特性確認は終ってるので割愛します。 でもまだ回路設計で大切なやる事が残ってます。

部品選定で後で説明しますと言ったPcです。 トランジスタは効率100%でスイッチングできません、効率低下は熱に変わり、どこまで耐えられるかがPc(許容コレクタ損失)です。 10Wと1.5W、6倍以上違う二つの数字が並んでます。

【周囲温度対許容コレクタ損失特性】
仕様書特性図右上注記通りトランジスタ単体で1.5W/25℃が上限、この値に近付くと発熱し超えると熱破壊します、温度上昇でPcは下がり50℃で1.2Wです。 電源設計予備講座でディレーティング条件を75%/50℃に設定したので0.9W以上は放熱板が必要です。

【電源最大電流対トランジスタ損失特性】
別の特性図で確認します、消費電流1.2A(赤点線)でベース電流22.6mA時のVce(トランジスタ損失)は0.7Vと解ります。 0.7Vx1..2A=0.84W、0.9W以下なので放熱板なしで大丈夫です。 って、そうなる様にベース抵抗をピンポイントで決めたのです(笑)

評価用負荷は0.5A/12Vです、0.5A特性図Vceは0.2Vなので計測しました、結果は0.12V、出力電圧12.07Vでした。 特性図より低いのは実験使用品hFEが最低値80より高いからです。 では1.2A時は?、良い質問です、多分出力電圧11.8V前後に低下します、hFEが低いハズレを引いた場合は11.5V~11.6Vです、でもこれで高性能なんです。

【『TOMIX電気設計の検証その6』より転載】
TOMIX N-1001-CL実測データです、1.2A仕様の半分弱、0.5A強で出力11.13Vまで落ちてます。 1.2A流したら10.5V程度の性能です、何たってTOMIXですからね(爆)


7-2.12V/16V兼用仕様及び16V専用仕様
16番用16V専用とN両用12V/16V兼用仕様の回路は全く同じ、電源製作④で解説したゼロ調整ボリューム調整位置が少し違うだけです。 兼用調整は16Vで少し遊びがあり、16V専用調整すると遊びゼロになる替わりに12Vで出力0Vにならなくなります。

12V/16V兼用及び16V専用はR13/R14を1W品に変更します。 16VのR13消費電力は0.5W、実験は1/2W、部品定格100%で行いましたが信頼性確保には1Wが必要です。

電源電圧が高いほどトランジスタが苦しくなる様に思えますが今回の用法は逆で、ベース電流が31mAに増えてVceは0.5V、0.5Vx1..2A=0.6Wと余裕です。

評価用負荷電流は0.68Aに増え特性図で0.23VのVce計測結果は0.15V、出力電圧16.23Vでした。 写真撮ってて10Wセメント抵抗に触れアチチッ、5.6W/本なんだけどね。

最後に特性確認、12Vは終ってるので16Vだけ、縦軸5V/目盛に切り替えてます、電圧が高い分同じ1V出力でもパルス幅が狭くなりました。 そして12Vで0.55V/4.6%まで制御可能だったデューティー比は、0.95V/5.9%までに少し悪くなりました。


1V出力の上記矩形波なら常点灯性能十分と考えてますが、12V/16V兼用KATOスタンダードSXの追加評価を予定してますので、最終結論は評価後に先送りします。


7-3.9V専用仕様
開発予告で『9Vで十分ですよ』とは言った物の、果して9V電源作る人居るかどうか自信ありません。 特に電圧ロスが大きいテープLED室内灯採用者は高速不要でも常点灯輝度が高い12Vがお薦めです。 推奨責任もあるので筆者自身用回路を解説します。

9V仕様で変更するのはR13/R14 のみで330Ω1/2Wにします。

470Ωではベース電流が不足してVce1.1Vとなり損失1..32W、放熱板付けないとトランジスタが持ちません。 330Ωで12V仕様と同じベース電流、同じ損失になります。

評価用負荷電流は0.38Aに減り特性図で0.16VのVce計測結果は0.09V、出力電圧9.25Vでした。

電圧が低い分同じ1V出力でもパルス幅が広くなりました。

出力電圧を下げると0.5V付近で安定出力が得られなくなりました。 12Vで0.55V/4.6%まで制御可能だったデューティー比は、0.5V/5.6%までに少しだけ悪くなりました。

最後に中身を開示せず見せびらかす様で恐縮ですが筆者がスパイスを振りかけた採用回路特性です。 入出力パルス幅共に1.25μsec、0.25Vまで安定出力が得られました。


ではまた。

機関庫の製作⑥塗装その2と部品組立

機関庫の製作6回目です。 今回は部品を塗装してウェザリングを行い組み立てます。 本来は7月6日投稿予定だったのですが、ご承知の様に雨続きで屋外塗装作業ができず、遅れてしまいました。

煙出し屋根壁をマスキングして屋根の上塗りをしました。 ダークグレイ系から少し光沢のあるジャーマングレイを選びました。 下の細い4本は土台用1tx2.5mm材です、天面と前面塗装、接着面と底面になる奥と裏は塗装してません。。

土台用に調達した材料です、切り出すより買って楽する、仕上がりも綺麗です。

ジャーマングレイは屋根に似合う色でした、でも土台には光沢が邪魔します。 切り貼りすれば端面が見える場所も出るので、結果的には下塗りになりました。

側壁/妻面壁/煙出し妻面壁の経年表現として、信号扱所/詰所よりニュートラルグレー比率を減らして上塗りし、その後軽目にウェザリングしました。

煙出し屋根を大屋根に接着、こちらは風雨に晒されたヘビーウェザリングです。


次は工程設計で悩んだ窓ガラス製作です。 市販キットは窓枠と窓桟一体ですが、側壁に窓枠を付けガラス素材に窓桟塗装する方法で工作を容易にしました。 使ってみてカッティングマットの便利さが良く解りました、コレなかったら作れなかったと思います。

①カッティングマットに70x100mmガラス材外周位置4ヶ所に両面テープを貼ります。
②詰所付属ガラス材を貼り、18mm幅マスキングテープを20mm間隔で貼ります。
③カッティングマット縦ラインガイドでカッター刃を寝かせて滑らせ、中央を気持0.6mm幅(笑)剥ぎます。
④横ラインガイドで5.5mm間隔上下3本づつ剥ぎます、窓開口部13x21.5mm、ガラスサイズ20x26mm、余裕込みで10枚分です。

カッティングマットに貼ったまま段ボール塗装台に乗せマスキングしました。

①梅雨明けで絶好の塗装日和、マホガニーを吹いて乾燥させました。(この後雨続き)
②周囲マスキングを外しカッティングマットが姿を表しました、仕上がり確認は後廻しにして四隅の両面テープを慎重に剥がし裏返します。
③光に透かして見てカッター刃が通っている場所はありません、しかしガラス材は0.2t、0.05-0.1mmはマスキングテープ切断時に切り込み強度低下してるハズです。
④ガラスに触っただけで破損リスク回避の為、梱包用極薄透明テープで裏打ち補強、ところがこのテープを気泡なしで貼るの非常に困難でした。

透明テープ裏打ち後にガラス部マスキングテープを外しました。 目分量での工作にしてはそこそこの出来栄えで9枚は使えそうです。 裏打ちで質感が少し落ちましたが、古いガラスの汚れや歪みと言う事で良しにします。

①室内壁を建コレ箱紙にケガキ、窓部分を切り抜きます。
②切断位置に切り込みを入れマホガニー塗装しました。
③設計サイズに切り出し、ガラス板と位置合わせしGボンドで貼り付けます。
④ガラス板を内壁基準で切り側壁内側からまたGボンドで貼り付けます。

8ヶ所の窓にガラスが入りました。 窓桟をスケールに近い太さで作れたのは良いのですが、近くに配置する詰所とバランスが取れるかどうか気になります。

窓のない出入口脇側壁内壁です。 窓切り抜き内壁と一緒に塗装してから鉛筆でスジ入れし、再度マホガニーを吹いて鉛筆のテカリを消しています。

側壁両サイド内側に接着、外から見える内壁がそれらしくなりました。 土台取付まで進めたかったのですが、目が疲れる細かな作業の連続、ここらで時間切れです。


ではまた。

電源製作⑥出力回路 その2

電源製作6回目は制御可能デューティー比改善がテーマです。 電子工作ブログじゃないし、機関庫やりかけだし、高性能のクリアで良いじゃんと思いながらも乗りかかった船、三つ子の魂百まで、回り道と解っていてもやりたい、ま、趣味ですからね(笑)


6.出力特性改善の考察と検討

【『電源設計⑤』より転載】
デューティー5%、0.6V未満が制御不能になる要因は次の二つです。
①コンパレータ出力最小パルス幅1.1μsecがデューティー2.2%に制御下限を制限する。
②加えて出力回路の立ち下がり応答遅れで最小パルス幅が2.5μsecに制限される。


6-1.コンパレータ出力最小パルス幅
コンパレータ出力最小パルス幅1.1μsecの原因はすぐ解りました。

コンパレータ出力0.1Vの波形です、この時のパルス幅は1.2μsec、更にVcompをわずかに下げたパルス幅1.1μsec以下で安定動作が損なわれます。 三角波頂点船底状丸味が原因で、オレンジ図示した様に鋭角なら更に狭いパルス幅出力が可能になります。


三角波頂点丸味はオペアンプ応答速度で決まっており、改善するには応答速度が速いコンパレータICで矩形波/三角波発生回路を再設計する必要があります。

【ヒゲ付き三角波】
頂点鋭角で歪みなし、しかもこんなヒゲを出したら出力電圧0Vにできなくなります。 加えて12V/16V共通化条件もクリアしなくてはならず、1ヶ月の仕事を捨ててのやり直しは労多くして益少ないと判断しました。


6-2.出力回路応答遅れの犯人は誰だ?
コンパレータ出力パルス幅改善を諦め、出力回路応答遅れに的を絞って解析し、改善策を検討します。 応答遅れの原因は間違いなくトランジスタ、TR01とTR02どっちでどれだけ遅れているかの確認から始めます。

川上から順番にのセオリーで入力(コンパレータ出力)とTR01出力を比較します。

パルス出力が安定する1Vで解析を進めます。 コンパレータ出力の立ち上がりで0.1μsec応答遅れがありますが立ち下がりは瞬時応答、コンパレータとTR01直結は正解、ベース抵抗なしでドスンと接地して瞬時OFF、2SC1815は無罪放免、良い仕事してます。

となると怪しいのはTR02、入力のプローブを外しレンジを10倍に切り替えて出力に繋ぎ替えました。 2SA1359が2μsecオーバーラン、『車は急に止まれない特性』を如何なく発揮してました。 犯人は逮捕したけど、さてどうやって泥を吐かせるか?


TR01出力波形にヒントが出てます、オーバーラン時出力より0.7-0.8V低く、これじゃTR02ONします。 トランジスタ過渡特性に踏み込むしかなくなり気が重くなりました、大学/企業研究者や半導体開発技術者の専門分野で、筆者は小学生レベルです。


6-3.応答特性改善策の模索
6-3-1.スピードアップコンデンサ
R13の470Ω1/2Wと並列に1000pFのスピードアップコンデンサ付けてみました。 効果はあまり期待できないけどダメの確認、苦しい時は藁にもすがるです(笑)

結果はご覧の通り、TR01出力波形が鈍るだけで出力電圧変化なしダメ確認終了です。


6-3-2.R14抵抗値変更
実験回路①設計でR14の2.7kΩには全く触れませんでした。 トランジスタ動作安定化の抵抗はベース抵抗の10倍基準で5-20倍にしとけば間違いないと先輩に教わりました。

10kΩじゃ20倍少し超えるし、2.7kΩなら5.7倍だから良いかと安易な決め方しました。 でもR14抵抗値下げれば早くTR02をOFFさせる効果があるので思い切って1倍、470Ωにしました、1/6Wで十分ですが品種削減で1/2Wを使います。

波形で効果が確認できました、立ち下がり応答遅れが2μsecから1.6μsecに20%改善し、立ち下がり波形が急峻になってます。 なおこの変更でベース電流が24mAから22.6mAに減り、オーバードライブ1.6から1.5に減りますが許容範囲内と判断しました。

応答特性が改善すれば安定出力下限電圧が下がるハズです、確認の結果コンパレータ出力最小パルス幅1.1μsecで出力0.55Vに下がりました。 これで制御可能デューティー比も市販品を上回る性能を実現したので一旦ここまでとします。


6項番外.諦めの悪いオヤジへのご褒美
それでも応答遅れが気に入らず、勝つなら圧勝と公開トランジスタ工学関連学術論文から過渡応答に係る部分を拾い読みしたけど半分も解りません(笑)、でも『アレッ、もしかしたら』の仮説に基づくアイディアを実験したらトンデモナイ物できちゃいました。

【応答遅れほぼゼロ!】・・・合成写真ではありません。
作った本人が驚く応答特性です、アイディア採用のマイナス側面もありますが、設計部分変更で対処可能です。 理論的説明はチョッとですが現象は100%理解できてます。

筆者はこのアイディアを採用しますが下記理由で技法として公開せず推奨もしません。
★実用性能にほとんど影響がなく、公開して読者に提供できる価値がない。
★どこにもない最高の電源を作りたいという自己満足がそもそもの目的。
★その道の専門家から突っ込まれても理論的説明ができない。(+鬱陶しい)
情報は独り歩きするので公開リスクがメリットをはるかに上回る。

コンパレータ出力最小パルス幅1.1μsec時の出力、デューティー2.4%、電圧0.3V以下まできっちり出ます。 室内灯微点灯域を0.6Vから0.3Vに下げても別に偉くないですね。

時間軸5倍1/500万秒にしないと真の姿が解りません。 デューティー2.4%(公開情報は4.5%)から100%まで矩形波出力可能な、常点灯という特殊用途に最適な電源コア部分が完成しました。 最後は嬉しさの余り自慢話になっちゃいました(汗)


ではまた。