Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

電源製作⑨入力回路

電源製作9回目は入力回路、どんな部品使って過電流保護しどう表示させるか、出力回路の難しいトランジスタ特性図は出てきませんし、比較的容易に理解できると思います。


9.入力回路
設計はこれまでのシリーズで解説してきた「機能設計」と、ディレーティングで解説した「信頼性設計」、もう一つ重要な「安全性設計」があります。 ここで手を抜くと筆者と『親爺ぃ』さんがJAM用電源で発火事故を起こした様なビドイ目に逢います。


9-1.電源ジャック
安価な汎用ACアダプタを使用する設計ですので2.1mm標準品を使います。

秋月調達可能部品からケース取付用のコレを使います、ケース背面に取り付けます。


9-2.電源スイッチ

電源スイッチはコレを使います、電圧電流定格をクリアしてれば他部品でも結構です。 2回路あるので両切りにします。 毎回必ずACアダプタをコンセントから抜く、プラグを外すなら同じですが、差しっぱなしの使い方もあるので、より安全な設計にします。


★両切りと片切り
差しっぱなし使用時の雷サージ(誘導雷)懸念から両切りにしました。 片切りの場合は3Pトグルスイッチが使え少し安くなります、ただし必ず電源プラス側にスイッチを入れてください。 間違ってもTOMIXの様にマイナス側に入れない事(爆)


9-3.過電流保護素子
ポリスイッチを使います、選定基準はトリップ電流が定格電流1.25倍以上で最小の物、KATOはこの基準に従い2AハイパーDに2.7Aトリップポリスイッチを使ってます。 電源は常に定格電流動作でなく上限なので、安全サイドの部品選定が良いと考えてます。

その考え方に基づき1CH/1.2A仕様にコレを推奨します。 1.2A仕様KATOスタンダードSXはハイパーDと同じ設計思想で1.7Aトリップポリスイッチを使ってると思います。

1CH/2A仕様はコレです。 筆者自身用は3CH/1.2Aで最大2CH使用、1.2x2=2.4ですがあえてコレを使います、両CH定格電流なんて使い方をしない個人的選択です。

2CH/1.2A仕様はコレです、推奨品トリップ電流を定格電流約1.1倍で選定しました。

ポリスイッチは過電流自己発熱でトリップして回路遮断する素子です。 KATOはラッチ(状態保持)してリセットボタン方式ですが、個人用にその必要はなく返って使いにくいと思います。 トリップ後温度が下がり上図の様に自動復帰しますが、過電流原因が除去されてないと青矢印の経路で再トリップするので安全性は確保できます。


9-4、パイロットランプ
使用者に電源ON/OFFと過電流保護動作を知らせるパイロットランプを設置します。

電源ON/正常動作は緑、過電流保護動作中は赤で表示します。


9-5.回路設計
上記部品を設計意図通り動作させる回路設計は以下の通りです。 《汎用部品》《安価》《確実動作》に留意して設計しました。

パイロットランプ制御用TR03に出力回路で使用した2SC1815を使います。 C*は電源スイッチON時一瞬赤が点灯する場合に備え、実験確認で要否と容量値を決めます。

電源スイッチONの通常動作時は赤ラインに電流が流れます。 R17を通してパイロットランプ緑が点灯し、赤はTR03がONしてアノード/カソード間電圧0Vで消灯します。 

出力ショートでポリスイッチがトリップして回路遮断すると、電流供給されなくなるパイロットランプ緑が消灯し、TR03がOFFして赤が点灯します。 ショート原因が除去されポリスイッチが自己復帰すると元の状態に戻り緑が点灯します。


10.今後の進め方
10-1.通常方式速度制御電源先行組立
設計完了してから組み立てる方法もありますが、「高性能・高機能」の「高性能」部分の設計が終了したので、通常方式速度制御電源を先行組立します。 「高機能」部分を分離して進めた方が解り易く、通常方式速度制御を選択される方にも好都合だからです。

一部変更してますが、最新の自身用電源回路ブロック図です。 これまですでに黄色部分が設計完了しました。 中央ブロック先行組立を通じ、製作方法/動作確認/コスト検証を行い、完成してから「高機能」部分の設計を行います。


10-2.設計方針変更
電源製作をブログ記事にしてなかったら間違いなく当初計画通り9V電源で製作しましたが、以下の理由により12V/3A電源の設計に変更します。


①本シリーズを参考に電源製作される方の大多数は12V電源
おそらく12Vが60%、12V/16V兼用が25%、16Vが10%、9Vは5%と推定します。 ならば12Vをメインに製作した方が本シリーズの情報有用性と利用価値が高まります。


②補助電源は12Vの方が使い勝手が良い
走行電源は9Vにこだわりますが、補助電源は12Vの方が実験利用等に便利です。 またKATOスタンダードSX評価を通じ、9V電源PWMデューティー100%と12V電源PWMデューティー75%は同走行電圧で12Vの方が常点灯性能が高いと考え方が変わりました。


③9V化メリットのコスト差を享受できない
9V仕様は12V仕様より約¥700部品コストが安くなります。 ACアダプタコスト差¥600と「高機能」で必要な9V三端子レギュレータ及びアルミ電解コンデンサです。 筆者は本シリーズ実験用12V部品も調達済みなので9Vにしても余剰部品が変わるだけです。


次回から章を改め「電源組立」として通常方式速度制御電源を作ります。


ではまた。

《臨時休業します》普段の顔

少々夏バテ気味です、レイアウトルーム作業は制約、と言って自室で仕掛り中機関庫製作進める気力も出ず、JAMも迫ってるので本日臨時休業します。 『イノッチさん』が手話サークル40周年イベントをアップされてたのに倣い、普段の顔を紹介します。

【7/24朝刊】・・・県内で猛暑日ないのは諏訪と軽井沢だけ
筆者が住む茅野市では、長年継続した高齢者クラブを廃止する地区が増えてます、それは新興団地に限らず古い部落も同じです。 高齢者が増えてるのに何故?、「温泉/カラオケのマンネリ化」「年金制度改定で勤労高齢者増加」「役員なり手不足」など副次的要因もありますが、根底にあるのは「人の絆希薄化」「地域コミュニティの崩壊」です。

【昼下がりの中山平】
当地区も会員数が減り続け、市助成金基準閾値30名確保が困難になった昨年、『若い人で何とかしてくれ』と筆者を含め2名しか居ない60代に運営が委ねられました。 年会費廃止や非会員参加型イベント開催などでトンネル出口が少し見えてきたところです。

【参加者募集回覧】
昨年会員獲得事業として実施した『石窯焼きピザ昼食会』を今年も企画しました、焼き上がるまで待ってるだけの反省に基づき、今年は『ボッチャ大会』を並催しました。 前日は石窯運搬組立と百均ガムテープでコート作りと買い出し、準備は役員の仕事です。

【当日配布資料】
参加者22名、足の悪い高齢者も居ますがやって見てビックリ、『温かい内に早く食べて!』と声が掛かってもゲームに熱中、昼食後2回戦をして15時頃まで楽しみました。 是非またやりたいの強い要望があり、年度下期ボッチャリーグ戦を企画中です。


地域団体の会長は割の合わない仕事です、上手く出来て当り前、何かあれば苦情が出る、会員の皆さんの考え方はバラバラ、こちらを立てればあちらが立たずです。  でもね、今回の様に70代80代のジジババが子供の様に目を輝かせて夢中になって笑い興じてる姿を見ると、皆さんの役に立ってると実感できるし、やり甲斐を感じられます。


ではまた。

KATOスタンダードSX露太本線スペシャル

KATOスタンダードSX性能評価番外編、oomoriさんオファーの実験結果です。

【前号より転載】
①はコラボレーション企画でなかったら多分自分でやってたと思います。
②はスタンダードSX唯一の要改善点で、N用非純正12Vアダプタ使用者に最も顕著に影響を与えるので、面白いテーマです。
③はKATOがTOMIXの様な出鱈目しないと信頼して省略しましたが確認は必要ですね。

【『KATOスタンダードSXの性能評価 その2』より転載】
廉価品への特注ボリューム使用は考えにくいので、通常B特性ボリュームに部品外付けでノンリニアな制御特性を作り出してるのは間違いなく、その解明が鍵になりそうです。


1.基板分解調査
暑さボケか本性か、ここでもチョンボやらかしました(滝汗)

基板裏面に固定ネジはなく、ホルダーステーがケースから出てるだけです。
(最初の撮影写真は出来が悪く改造終了後に再撮影した写真を掲載しました)

ディレクションスイッチは6Pで、基板裏の赤丸が端子、黄丸が機構的固定足の様です、とするとかなり大型のガッチリしたスイッチです。

ツマミ穴止めネジ外してと当りを付けて探したがありません。 構造推理は電気屋の苦手科目、『そんな所に電解コン置いたらケースに干渉するよ』なんて同じ設計チーム機械屋さんに言われ、35年前すでに彼らの頭の中は3D CADと感心した事があります。 それを言ったら『見えない電気見えるアンタ達の方が不思議な人種だよ』と返されました。


余談はさて置き困りました、基板部品面を見ないと回路解析が進みません、圧入式もあるかと強目の力で引き抜きを試みましたがビクともしません。 という次第で基板分解調査を断念して先に進めました、実験室環境悪化前の時間との勝負でした、ところが・・・。

記事作成用写真撮影でアレーッ、一番ありそな場所にちゃんとありました(遅) 予想を越えた小径ネジが隠れてました、しかし熱暑の中今更やり直す気力も体力もありません、面目ありませんが本筋ではない内部調査は中止しました、oomoriさんご了解ください。


2.速度調整特性改善
2-1.データ収集

oomoriさん要求仕様は上記の通りです。 基板分解調査断念したからできませんでは面目丸潰れ、見える計れる場所のデータから設計内容を割り出す手法を取りました。

まず、速度調整ボリューム中央端子と左端子間のツマミ位置による抵抗値変化を計測しました、目盛0で1.6Ω、5で797Ω、10で815Ωでした。 中央端子と右端子間は目盛が逆転するだけで同じ結果でした。 ここで何となく姿が見えてきました。

次に12Vアダプタを接続し、速度調整ボリューム中央端子のツマミ両端0と10、不感帯両端0.5と8.6の電圧を計測しました、両側の遊びを詰める基礎データ収集です。


ここから先は説明不能です、理論と経験によるカンピューターも駆使、推理し仮説立案、ならばこうなるハズと実験で検証する、そんなステップです。 能書き並べるより結果が重要、完成した速度制御特性改善『露太本線スペシャル』は以下の特性です。


2-2.12Vアダプタ使用時
オリジナルスタンダードSX非純正12Vアダプタ使用時は、走行開始2V前提で目盛3~8.6、速度調整有効範囲56%と狭く、使い勝手に問題がありました。

『露太本線スペシャル』は速度調整有効範囲74%、全体をB特性に近付けて自然な操作感を狙いました。 一度曲げた鉄棒を真っ直ぐ伸ばすのは難しい道理で、完全でなくともほぼ目標達成しました、これに伴い最大出力デューティー1.3%/0.15Vを捨てました。


2-3.16Vアダプタ使用時
オリジナルスタンダードSX非純正16Vアダプタ使用時は、純正13.5Vと17Vの設計範囲内なので12Vアダプタほど顕著ではありません。 目盛2~8.7、速度調整有効範囲67%確保されてますが、自然な操作感にはやや問題があると思います。

『露太本線スペシャル』は速度調整有効範囲76%になりました。 ほぼB特性で目盛5の出力電圧2V上昇とも、出力電圧4V-8V目盛1ステップ前倒しとも言えます。 12V仕様と同じく制御特性を優先し、最大出力デューティー1.4%/0.22Vを捨てました。


2-4.改造内容
最初にお断りします、これはoomoriさん依頼に基づく筆者実施の改造です。 メーカー保証対象外になり、製品固体差により同じ結果になるとは限りません。 情報開示しますが推奨はしません、改造実施される場合は自己責任でお願いします。

速度調整ボリューム右端子、高電圧側に直列抵抗を追加して1.3-1.4ステップある遊びを詰めます。 収集データから560Ω~1kΩが適当と判断し、最初に1kΩで特性評価したところ、良好な特性で最大出力デューティー比が許容内だったので一発で決めました。


[註]1kΩを下げるに従い最大出力デューティー比が上昇すると同時に目盛7以上の制御特性はオリジナルに近付きます。 最大デューティー比は抵抗有無の出力電圧比で簡単に計測可能です、100%になる抵抗値が設計マージンを吐き出したポイントです。

oomoriさん納入品なので安全性と見栄えを兼ね熱収縮チューブで保護しました。 1kΩ追加影響は目盛0付近では圧縮され無視できるという筆者仮説は計測で確認できました。 さてここから目盛5で最大出力の約50%、B特性へ近付ける操作感改善の改造です。

理屈は省きます、速度調整ボリューム左端子、低電圧側とGND間に並列抵抗を追加して制御特性を変化させます。 最初に当て推量で33kΩを入れたら特性変化不足、ならばと33kΩ並列で16.5kΩにすると目盛5で出力7.8VとB特性超えてC特性側まで振れました。 最終的に10kΩ2本直列20kΩに決定し熱収縮チューブで保護して半田付けしました。


2-5.筆者見解
デューティー100%にこだわり0.15V惜しむより使い易い制御特性を優先すべきと筆者は考えます。 スタンダードSXを非純正12V(純正13.5V)アダプタで使用し、この改造を加えた最大出力11.44Vは、純正12VアダプタTOMIX制御機器群同条件最大出力約11.2Vより高いので、実用上の問題はないと思います。


多分KATOには「PWM電源はデューティー100%出力可能な事」という社内品質規格なり設計基準があり、守らないと設計審査をパスしない設計者が選んだ道だと推察します。 規格・基準はユーザー利益を守る為に存在すると考えますがいかがでしょうか?


3.ポイント切替性能確認
ポイント切替性能評価を省略したのは問題ないと確信していたからです。 昨年ポイント切替電気講座で『がおう☆』さんに依頼した実験でスタンダードSXの前の前、KATO1Aパワーパック[0.5Aでした7/25訂正]でソレノイド抵抗4.8ΩPecoポイント切替可能と知っていたからです。


『KATO製全てのパワーパックは全てのポイント切替可能な事』という規格/基準で設計されているのは間違いありません、ユーザーの事考えれば廉価品でも両渡り線切替可能は当然です。 最高級機でさえポイント切替満足にできないTOMIXと全く異なります。

【KATO両渡り線ソレノイド4個一括切替波形】
12V/3Aアダプタでは20/20回問題なく切替可能でした、純正13.5Vアダプタも問題ないと思います。 ただし非純正12Vアダプタで電流容量が少ない(例えば1.5A)場合は両渡り線切替ができないかもしれません、それは非純正品使用者の責任です。


ではまた。