Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

従来線フィーダー改修➊

ユニジョイナー経年劣化問題でレイアウト敷設レールに係る様々な経時変化を計測し、結果を『フィーダー設置基準』にまとめましたが、自社適用しなければ意味がありません。

【C57の牽く夕焼け列車】
ユニジョイナー経年劣化シリーズの表紙画像はD51夕焼け列車でしたが今回はC57です。 遠目でも軽快なのはボイラーが約10%細いからです。


1.フィーダー設置基準のおさらい
計測は電圧と抵抗値で行い結果公表しましたが、それはあくまで基礎データとしてです。 『最大給電抵抗XXΩ』では使える基準になりません。

【過去記事より転載】
そこで『給電レール長』という新たな指標を作り、一番簡単で誰でも理解可能なレール長さに置き換えました。 眼に見えるレールの長さにジョイナー/ポイント内SWの経時変化を含めた抵抗値換算値を実レール長に加算したのが『給電レール長』で解り易いと思います。

【過去記事より転載】
レイアウト走行列車の消費電流により、電気区間境界やエンドレス内給電距離による電圧差(速度差)は上図の様に変化します。

【過去記事より転載】
筆者独断で上表の様に基準を作成しました。 『目標値』は差を実感できず問題とならないレベル、『限界値』は差を感知(個人差アリ)できても気にならないレベルです。


2.従来線給電レール長の検証
当社は敷設済の中負荷列車運転レイアウトなので、最大給電レール長7.2mを適用し、コレを越える場所は補助フィーダーを追加します。


2-1.ギャップとフィーダー配置
検証開始前に全線のギャップとフィーダー位置を紹介します。 当社従来線には生野/中山平/笠松の3交換施設があります。

交換施設間の本線3電気区間に5フィーダー、交換施設構内線7電気区間に7フィーダー設置してます。 模式化してますがフィーダー設置位置と極性は正確です。 駅構内線フィーダー設置位置は中央付近がベストだったの反省がありますが、給電レール長は余裕十分です。


2-2.生野-中山平電気区間
ここもおさらいになりますが、他の本線区間と一緒にまとめます。

【過去記事より転載】
問題発覚箇所の中山平入口給電レール長は6.86mで基準クリアし、難工事の補助フィーダー設置不要になりました。 意外だったのは留置線、実レール長1.83mなのに給電レール長7.15mで基準ギリギリクリア、フィーダーから5個のポイント通過で3.8倍になってます。


2-3.中山平-笠松電気区間
全線検証の最初は中山平-笠松電気区間です。

長い電気区間にFYa/FYbの2フィーダー設置で敷設しました。 中山平-FYa間は30年前レールジョイナー未交換使用レールやポイント計測を実施した区間ですが他は未検証です。

中山平2番線-FYa間給電レール長4.75mは既報です。 安全側線Y字ポイントをダミー使用し、1番線/貨物側線ポイントまで同一電気区間なので追加確認し5.97mでした。

設計図面から実レール長を正確に計算して給電レール長を算出した処、以上になりました。 中山平1番線ポイント先貨物側線は4本の短いレールで構成され先端まで7.15mでした。 FYa-FYb間の給電レール長8.38mで基準超えてますが、両側給電なので半分でOKです。


FYb-笠松間は7.10mで基準内に収まり、数値的には補助フィーダー不要です。 しかし生野留置線/中山平貨物側線の行き止まりでなく本線で、しかも笠松引上線フィーダーF3aが両渡線近くにあり、給電距離差がそのまま現れるので補助フィーダー設置を決定しました。


2-4.生野-笠松電気区間
生野-笠松間はレール塗装/バラスト撒布影響確認でループトンネル内一部区間の給電抵抗を計測しただけです。

FXaは生野駅中山平方と同じく左右対称に駅端ポイント先に設置しました。 FXbはダブルループトンネル出口前に設置してあります。

生野-FXa間はポイント3回通過する4番線/機廻線が3.15mでした。 FXa-FXb間は10.69mですが両側給電なので半分でOK、FXb-笠松間が9.77mで基準超え補助フィーダー追加です。


2-4.補助フィーダー設置位置検討
基準超えても9.77mなので補助フィーダー位置はどこでも、例えば笠松信号所両渡線隣でもOKですが、施工し易い場所を選定します。

補助フィーダーはS62Fフィーダーレール組込みでなく、トンネル内レール直接半田付けで行います。 図右下、笠松信号所からトンネルに入った曲線前S248中央を選びました。

S248抑え両面テープ左側です。 ここなら延伸線エリアから半田付け作業が可能です。 左に見えてるのはトンネル内壁、レイルメンテ性重視で100mm区間設置です。 キット箱紙に霧吹きして丸棒で乾燥成形し、内側ダークグレイ塗装で製作してます。

FXc追加で笠松信号所両渡線までの給電レール長は4.15mになり問題解決です。 生野-FXc間は19.47m、良く考えたらFXaをループトンネル入口先直線に組み込んでたら6mと13.5mでフィーダー2ヶ所でOKでした。 何も基礎データなし敷設だったので仕方ありません。

基準をクリアしても補助フィーダー設置を決定した中山平-笠松間は、笠松両渡線対象位置のR381/45度S字カーブ、写真レール抑え両面テープ左側に設置します。 キット箱紙トンネル内壁に加えダークグレイ厚紙追加は動画撮影でトンネル内が見えるの防止用です。

FYc追加設置により笠松信号所両渡線左右の給電レール長がほぼ同一になり、本線通過列車速度差もほぼゼロになります。 FYa-FYc間11.28m両側給電で、給電レール長各5.64mとなりFYb不要ですがそのまま残します。 一連の計測で明らかになった電気的事実を知らず、またフィーダーにS62Fを使用する前提の設計だったので仕方ありません。


ではまた。

生野駅の製作➐その他とまとめ

今回が本シリーズ最終回、その他のアクセサリー類とまとめです。

【表紙画像】


6.その他アクセサリー類
実感を盛り上げるには様々な小物・アクセサリー類が必要で、ここではTOMIX製品に助けられてます。(電気仕掛けはダメだけどね)


6-1.使用キット
定期的に通販会社サイトをチェックし、使えそうなストラクチャを買い集め設置しました。

【線路回り小物】・・・製品紹介ページより
時計塔もハシゴも絶対欲しい小物だったので発売即購入しました。 キュービクル設置は構内建物の項で紹介済みです。

【線路回り小物】・・・製品紹介ページより
給砂塔は最適位置に砂置場設置済みで現品手にすると出来が今一なので設置しませんでした。 梃子小屋主目的で入手したキットです。

【リード付き1608LED】・・・秋月製品紹介ページより
使用キットに入れるのに抵抗ありますが、建設当初は可能だった1608LED半田付けが、視力低下でできなくなり大いに助かってます。 発売当初のポリウレタン線リードが太くなり、使い難くなってます。 当社は数十本在庫有るので当面困る事はなさそうです。


6-2.時計塔
構内の広い国鉄駅には、良く見える位置に時計塔が設置されてました。 生野駅クラスならなくてはならないアイテムで、夜間は照明点灯が必須、その組込みが製作課題でした。

【時計塔 昼】
時計塔は駅で働く国鉄職員に時刻を報せる施設です。 3/4番線ホーム、機関庫から詰所群の真横を除く何処からも良く見える機廻線と4番線間に設置しました。 クオーツ時計はまだなく、機械式時計は日差1分当り前ですから、毎日時刻合わせをしてたと思います。

【時計塔 夜】
課題の照明は時計本体に3.8mm穴を空けリード付き1608LEDを埋め込んでます。 両面光らせるには2個必要ですがスペースがなく1個、光を拡散反射させる手段を追加しましたが多分隙間にティッシュを詰め込んだと思います。 こちら側が電極面で綺麗に光ってます。

【時計塔裏側 夜】・・・ヤード灯改修前写真です。
非電極面の裏側は光量が不足気味で穴の縁が黒く浮き出てます。 時刻は確認可能なので60点のとりあえずOKとしてます。

キット付属のハシゴも時計塔並びに配置しました。 機関区事務所構内連絡用自転車が良く見える角度の撮影です。


6-3.構内線梃子小屋
本線ポイント/信号機梃子小屋は1番線駅舎近くにありますが、機関区や留置線にもポイント/信号機があり、その操作は近くで行います。

【構内線梃子小屋 昼】
燃料掛詰所と機関区事務所間に追加設置しました。 梃子小屋の出来はKATOローカル駅舎付属品より良く、2個入りなので1番線置換も検討しましたが、問題があり見送りました。

【構内線梃子小屋 夜】
追加設置の構内線梃子小屋照明はリード付き1608LEDです。 電流は0.1mA強です、60W白熱電球の感じの照明で気に入ってます。


6-4.機関庫物置
機関区施設セットの中に機関区物置がありました。 一部屋根が伸びて張り出しがあり、他の構内建物より幅広でマッチングが悪く、照明組み込めないので使用できませんでした。

【機関区物置 昼】
ところが本線に向け収斂してゆく機廻線/4番線と機関庫入庫線の間に中途半端な空スペースがあり、少し角度を付けた物置がピタリ収まりました、ドラム缶を並べリヤカーを置いてます。 入口付近の電柱に夜間の使用に備えリード付き1608LED照明を取り付けました。

【機関区物置 夜】
白熱球街灯で物置入口付近を照らしてますが、ヤード灯の改修で解らなくなりました。

【機関区物置 夜】・・・ヤード灯改修前
ヤード灯改修前はこんな状態で、街灯がなければ物置鍵を開けるのも難しい状態でした。 苦労して設置した街灯が結果的に無駄になりましたが、駅構内風景は自然になりました。


6-番外.工事現場事務所
ある物を何でも利用して風景に色どりを与えたいが当社方針で、KATO近郊型ホーム付属のKIOSKを時代考証無視で設置しましたが、ホーム駅員詰所は使い道がありませんでした。

【工事現場事務所 昼】
チョイと色を変えてステッカーチューンし、エアコン室外機(プレハブは夏暑い)取り付け、駅裏工業団地工事現場の事務所に流用しました。

【工事現場事務所 夜】
壁と天井を遮光し、リード付き1608LEDを蛍光灯色で照明してます。


7.まとめ
当社メインステーション生野駅には過剰気味に施設やアクセサリーを配置しました。 初期製作建物群照明に砲弾型LEDを採用し、夜景品質が不十分なのが残念な点です。

【照明固定前の機関庫】・・・過去記事より
これまで改修実施したのは機関庫だけ、砲弾型LED2灯式から3528LED4灯式への改修です。 電球色LEDの色は蛍光灯、電極にマスキングテープ貼ると白熱電球イメージになります。

【現在の機関庫夜景】
広い角度を照らすLEDの多灯使用により自然な照明が可能になり、当社標準技法として延伸線ストラクチャに適用してます。

【夜の生野駅バードビュー】
細かな部分に不満は残りますが、自分が創造した風景を眺めるのはレイアウト製作者の特権であり至福の時間です、この写真は屋根裏天井にカメラを押し付ける形の撮影です。 以上で生野駅製作の紹介を終わります。


ではまた。

生野駅の製作➏構内建物その2・千回目更新

前回の続きです。 また今回が千回目更新になりますので感慨も少々。

【表紙画像】


5-8.追加使用キット
生野駅構内建物はKATOキット総動員になってます。

【鉄道官舎】・・・製品紹介ページより
交代勤務要員含めた常駐国鉄職員数考えると10棟あっても不思議でない官舎を2棟使いました、後は民間アパート借り上げの想定です。

【給水給炭施設】・・・製品紹介ページより
給水給炭施設の選択肢はKATOかTOMIXでした。 写真判断で構内建物とマッチングが良いKATOを選択しました。


5-9.保線区詰所と倉庫
職員詰所の先、構内建物群の南端に保線区詰所と倉庫を設置しました。 工作室から油庫含め9棟、機関庫入れると10棟が線路沿いに並んでます。

【保線区詰所と倉庫 昼】
本線が留置線に向け広がる線路沿いに職員詰所と並び15度の角度で配置してます。 ドラム缶/台車/一斗缶の小物を配置しました。 裏手に構内資材搬入口と花壇を設置しました。

【保線区詰所と倉庫 昼】
同じ建物サイズで同じ照明方式なら結果も同じです。 2灯式で左右の部屋を明るくし、中央出入口に部屋の灯りが漏れる状態が理想です。


5-10.鉄道官舎
官舎設置場所は保線区倉庫の先、生野駅国鉄用地の隅になります。

【鉄道官舎 昼】
風景に変化を与える為、詰所群とは向きを変えて資材搬入口のある産業道路沿いに雁行配置しました。 追加部品はプロパンボンベとTVアンテナ、カーテン程度です。 間取りは2K、各戸風呂はなく機関区浴場を使う想定です。 それで当時の官舎の標準値です。


自宅近くで昭和40年代前半まで使われた警察官舎に住む友達が居ましたが、6畳1間に家族4人、共同厨房/便所で風呂なし銭湯通いでした。 筆者自身も借家人が出て引っ越した昭和33年まで本家の6畳1間に家族4人の銭湯通い、それが庶民生活の普通の姿でした。

【鉄道官舎 夜】
他の構内建物と異なり駅裏工業団地と同時期製作なので、照明は3528LEDで室内全体が明るくなってます。 カーテン色を変え、夜真っ暗になるので1608LED街灯を設置しました。


5-11.給水塔と給炭台
設置位置は機関区事務所の隣ですが、建物を優先し後回しになりました。

【給水塔と給炭台 昼】
給水塔ステッカーと給炭台に石炭搭載しこぼれたガラと汚し表現です。 機廻線と4番線の間に砂置場/灰置場と自作スポートを配置してます。

【給水塔と給炭台 夜】
給水給炭作業は夜間にも行われます、両側のヤード灯で作業可能な明るさを確保してます。 改修前は作業不能、仕業後風呂に行く機関士は懐中電灯で足元照らす必要がありました。

KATOキットには給炭台上屋が付属で、北国で使われたとありましたが、馴染みが薄く視界を遮るので装着せず、勿体ない精神(ケチ?)で中山平駅貨物野積上屋に流用してます。


◆更新千回目
千回目に何か意味があるのかと問われれば答えに窮しますが、一つの区切りであるのは間違いありません。 良く続いた物でブログ開設して6年弱、2175日での到達です。

【2018.08.16更新】
折り返しの五百回目は2年8ヶ月で累計41万アクセス、この中で書いた更新頻度変更を3ヶ月後に実施し負荷軽減しました。 後半が3年3ヶ月と長い事もありますが2.7倍111万アクセスを頂戴し、『継続は力なり』を改めて感じます。 それは週間アクセスでも明らかです。

記事のアクセスは更新日が最も多く、週間アクセス数は1週間でピークを迎えます。 12/4のBEST10には最新記事が3件しかランクインしてません、他は3-5年前更新の旧記事です。 3位『わらぶき農家』を除き、全て電気関係技法解説とTOMIX設計品質に係る内容です。


11位-20位も最近更新3件で旧記事7件です。 拙ブログをTOMIX批判がウリという声も聞こえますが、筆者は是々非々で良い処は誉めてます。 劣悪な品質で顧客に迷惑を掛け続ける企業姿勢を科学的データに基づき批判してます。 根拠のない誹謗中傷なら威力業務妨害で訴えられてます、これらの記事アクセスがTOMIX製品被害者が多い事を物語ってます。

【最近注目記事1位獲得が難しくなった】
長年レイアウト製作サブカテ人気ランキング1位の筆者が言うのも変ですが、コレ全くアテになりません。 ブログ村全体も鉄道カテゴリーも上位8割前後が何らかのポイントドーピングした不自然なブログです。 そんな中で唯一信頼性があるのが注目記事ランキングで、記事品質尺度として活用してました。 ここにも不正の手が伸びた時は反撃しました。


3年ほど前までは総合5000位切ればレイアウト製作1位でした。 ここ数ヶ月で総合3000位台で鉄道/鉄道模型/レイアウト製作全て3位が2回ありました。 レイアウト製作村が新人参入で活性化し、かつ鉄道全体の中で注目度が高くなった証左で喜ばしい事だと思います。


◆これからは?
累計百万アクセスは勲章の様な物で達成感ありましたが、千回更新は自分の尻を叩く次の目標として設定した感があります。 それも達成してしまうと『目標喪失症候群』になりそうです。 ただし技術データベース価値がありそうなので今後閉鎖/削除しない予定です。

今の処具体的考えはありません。 筆者が世を去った30年後、『Nゲージアナログ制御の古典』としてブログが生き残ってる様を考えると思わずニヤニヤしてしまいます。


ではまた。