Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

湖南電源⑲新安全性保証回路製作と評価

比較的簡単にできると思い設計製作着手した過電流検出型の安全性保証回路は、思わぬ難産になりようやく修正設計を完了し製作に移ります。

【半世紀続いた減反開始の頃】


★基板製作
必要部品第一陣は腕木式信号機制御改修用部品と一緒に届いてました。

0.47Ω金属皮膜抵抗3Wは1本単位販売ですがバカデカい、容量十分な1Wは100本単位販売、TR91ベース抵抗300Ω/1Wと共に自家用含め必要数4本ですが100本購入しました。
PWM出力マイナス端子にする為、0.47Ωリード線を前加工します。
0.47ΩとTR93/TR94ベース-電源間33kΩ各2本を半田付けしました。
裏側はリード線を電流容量強化に使用せずに半田付けし、余分をニッパーカットします。 低下した視力では余分な場所の半田付けなくさないと正確に組めません。

TR92/TR93/TR94エミッタ-GND間ジャンパー2本とTR92ベース抵抗10kΩ2本、及びGND端子を半田付けしました。
裏側GNDラインを電流容量強化してGND完成、電源+ラインはパターンカットです。
2.7Aポリスイッチを半田付けしてからショットキーダイオード挿入穴を決め1.5mmに広げ半田付けします、穴拡大でランドがほとんどないので近接部品足との半田付けです。
裏側ラッチ回路出力と電源+に半田盛りで電流容量強化して電源ラインも完成です。

ここで基板を50x30mmに切断し、スペーサ用3.2mm穴を追加しました。

部品配置設計に従って実装してますが、ショットキーダイオード取付穴変更等、実際に製作するとこの方が確実で楽何て事が良く起きます、ジャンパー2本削減の配置変更です。

変更した部品配置でジャンパー2本とTR92/TR93/TR94を半田付けしました。
裏側に大電流の場所ありませんが、パターンが細く頼りないので半田で濡らしました、35μm厚銅箔パターンが0.2-0.3mmになれば安心です。
1μFアルミ電解コンデンサ、470Ω抵抗を半田付けします、1μFは85℃高信頼品で発熱するTR91ベース抵抗から離す為傾けてます。
その発熱するベース抵抗は300Ω/1W2本並列、ポリスイッチやTR92と可能範囲で距離を取り基板から浮かして半田付けしました。

この様に高さをほぼ揃えました、残るはTR91だけです。

【2SA1386端子配列図】
始めて使うトランジスタなので端子配列をデータシートで確認します、印刷面から見て左からBCE、TR92/TR93/TR94の2SC1815と逆です。

データシート見ても数字見ず7A⇒15Aなら容積2倍強、2SB1018より一回り大きい程度の推測は大外れ、2SA1386は巨大で収納スペースに影響が出そうです。 ウーンどうするかな~と基板眺めてたら閃きました。

スペーサー逆付けで基板表裏を反対にします。 2SA1386こんな形に実装すると全部品スペーサー厚10mmに収まります。 臨機応変、融通無碍と言いたい処ですが行き当たりバッタリですな(笑) 表面金属部は放熱板用コレクタなので電源組込前に絶縁処理します。

裏面は必要最小限しか半田付けしてません、これならミスを防げ拡大鏡で確認可能です。

配線外した本実験基板は度重なる改造でボロボロになってます。 お疲れ様でした、お陰でゴールに辿り着けました。


★新安全性保証回路の評価
安全性保証回路を完成した新回路基板に置き換え、動作確認とデータ収集を行います。


1.保護回路動作試験
最も厳しい条件、安定発振下限の出力0.6Vショート試験を行いました。 動作したりしなかったりだったのが百発百中動作しました。

波形観察するとラッチ回路バタつきが消え、ショート発生後0.2msecで0Vになり安全性保証回路動作として満足できる結果を得られました。


2.TR91 Toff計測
トランジスタ置換でfT10MHzから40MHzに高周波特性が改善したので、Toffは1/3の10μsec程度に改善したと予測し計測しました、ところが。

逆に2倍の65μsecに長くなってました、再計測したので間違いありません、PWM周期約50μsecより長いToffです。 fTが高速応答性代表特性でない事を意味し???です。


2SB1018に戻せばどうか気になりますが実験しません、確実動作安全性保証回路製作が目的で研究論文ではないからです。 それにTR91は常時オンなので絶対最大定格7A(放熱板使用時)より15Aの余裕重視です。


3.挿入損失の計測
電源本体保護回路はポリスイッチ仕様です。 安全性保証回路追加損失により各ノッチ最高速が低下するので補正量を明確にする為に計測しました。 ダミー負荷20Ω(12V時0.6A)デューティー100%の条件です。

【電源入力:TR91エミッタ】
試験条件は1M6-7連室内灯点灯ノッチ5最高速相当です。 現状安全性保証回路なしの電源回路は、ここからポリスイッチ損失約0.03V低い入力電圧12.16Vで各部を設計してます。

【ラッチ回路出力】
電源入力~ラッチ回路出力間の損失は0.15Vでした。 TR91とポリスイッチ損失足して0.15Vはデータシート予測よりかなり低い値でした。

【電源+】
ショットキーダイオード損失0.28Vで出力は11.76V、電流増加で損失も増え、定格1.2Aでは0.33V前後の推定です。 従って入力側安全性保証回路挿入損失は0.4-0.45Vになります。

【電源+とPWM出力-】
そして忘れてならないのが電流検出用0.47Ωの損失、0.27V低い11.49Vの計測結果で、入出力合算損失は0.6A負荷時0.67V、1.2A最大負荷時1.0V(推定値)になります。 このデータを基に後段回路を見直します。


ではまた。

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