Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

河岸段丘ユニットの製作②

河岸段丘ユニットは骨格完成し地表製作に移ります。

プラスタークロスを約80x160mmに切り、右端から20mm程重ねて貼ります。 3枚貼って乾き始めたら谷筋パーツシルエットが浮き出て階段状になったので、以降の谷筋パーツ切り込みを深く修正しました。

崖上が広くなる途中から崖上と崖を分けてプラスタークロスを貼り作業完了、完全乾燥前の裾カット状態です。 谷筋パーツ切り込み深くしたにも係らず、乾燥時の自重作用でしょうか、谷筋パーツが浮き出る仕上がりになりました、後工程で何とかします。

網目消しに新聞紙使うのは始めてです、理由なく完全乾燥前に作業した方が良いと考え、プラスタークロス地表面が湿り気を帯びた状態で作業開始しました。

ボンド水に浸した新聞紙をずらしてほぼ2枚重ねになる様に貼り終えた処です。 これで網目消しOKですが別の問題が・・・、それは先の工程の話です。

1昼夜完全乾燥させ裾をカットしました、何とありがたい事に谷筋パーツ切り込みを深くした4番目以降はプラスタークロス乾燥時に浮き出た段差が消えました。 新聞紙が乾燥で多少収縮したのでしょうか?、良く解りませんが結果良ければヨシです。

定位置にセットして形状確認、奥の川下をピークから30mm、崖際で20mm低くしましたが、もう少し高低差が大きくても良かったかもと感じました。

段丘上に下地色としてフラットアースを塗りました、写真色が違って見えるのは先工程を急ぎ乾燥前に撮影して照明が反射したからです。

段丘崖塗装は一色でなく薄い色を塗り重ねます、仕上がり目標は浸食/風化を受けた崩れ易い茶色っぽい岩肌です。 ニュートラルグレイとレッドブラウンを溶剤で約3倍に希釈して塗装しました、理屈なしの山勘です。

最初はベースとしてニュートラルグレイ、1回目は全体に塗り、谷筋中心に2回目/3回目を塗りました、色の濃さの差で地形のコントラストが出てきました。

次にレッドブラウン薄め液を1回目は段丘上も含め全体に、岩稜に2回目/3回目を塗りました、谷筋ニュートラルグレイと段丘上フラットアースが透けて見える状態です。

最後にウェザリング用フラットアース薄め液を谷筋中心に塗って段丘崖陰影表現し、段丘上にはリアルサンドナチュラル/ブラウン、カントリーグラスを撒きました。 最終的には植樹で95%以上隠れますが手は抜けません、少し地形らしくなってきました。

【ストリートビューより】
ここでチョイと寄り道、背景画に貼る段丘崖風景画像探しです、国道20号のストリートビューから釜無川河岸段丘画像を拝借してきました。

これを左右反転して圧縮、製作風景の先はこんな感じかなと。

フォトマット紙にプリンター出力して空部分を樹木外形で切り取り、背景画に重ねて置いて見ました、谷が折れ曲がり行く手を塞いでる様に見えます。 接続部崖高や雰囲気は似てますが、風景としては不自然です。

更に左右圧縮すると立ち塞がり感は軽減しても急激に低くなり過ぎ、岩稜角度違いや川下流がない不自然さが目立ちます。 連続性確保には地上10-20mから崖を撮影したドローン画像が必要です、このまま使えないが全くダメでもないと問題を先送りします。

ユニット用植物の大量生産です。 一番多く必要な針葉樹から、素材は緑色フォーリッジクラスターです。 通常は手で千切って使いますがカッターでパンを切る様にスライスし、更に縦切りして細長い棒状にします、カッターでないとこの様に切れません。

棒状のフォーリッジクラスターをハサミで針葉樹形へ切り整え、ピンセットで部分を摘み引っ張って「それらしく見える物」を機械的に量産します。 ハサミで切り取ったりピンセットで摘み取ったカスは植物素材として別途保管です。

左下が前写真部材に0.35mmフラワーアレンジワイヤー2本縒り幹を差し込みボンド接着した小型、左上が3本縒り幹の中型です。 後列用幹なしが右上、右端1列は明緑色使用のふっくら広葉樹タイプです。

更に3本縒りに枯草色ターフ接着樹木や、紅葉色に染めたフォーリッジクラスター片接着樹木、下は幹なし最後列用裏平面の樹木もどき量産で植樹開始する事にしました。 まだ不足ですが、やらなきゃ何が足りないか解らない、いつもの行き当たりバッタリです。


ではまた。

河岸段丘ユニットの製作①

シナリー重視を標榜する当社延伸線最初の製作が線路のない河岸段丘になったのは、らしくて良いと気に入ってます。

【見頃を迎えたアヤメとハナちゃん】・・・5/20撮影
彼女にとって庭は遊び場であり狩場、この春6羽の幼鳥が犠牲に・・・本能ですから。

現場が狭いのでベース上に製作し完成状態で定位置設置します。 ベースは4mm/6mm定尺材調達時の4mm板余材です。 このユニット化は従来線でも採用しました。

【生野市街地北ユニット】
生野市街地は鉄骨奥で屋根も低く作業不能、南北と町役場3ユニットにストラクチャ/道路をユニット化し完成させてから定位置に設置する方法で製作しました。 この北ユニットは1区画10棟ストラクチャと駅前大通りの集合体です。

【同上夜景】
南/町役場も棟数が少ないだけで同様、個別設置したのは交差点と生野公園だけです。 空地や植樹も一体、照明配線1本化、切れたらブロック全体停電です(笑)

県道トンネル先まで500mmユニット化するとベース寸法が不足し、不要部分を切り取って延長します。
切取り部分を継ぎ足し1x4材木っ端で接続します、1x4材の18mm厚を谷筋パーツ段差にします。
河岸段丘下部形状をケガキ、県道トンネル奥側の逃げを切り欠きました、これらの切り欠き部は後で稜線として利用します。
定位置セットして県道トンネル奥が背景板と干渉しない事を確認しました。 手前に4mmスペーサ入れ奥へ8mmの下り急勾配にしても大丈夫です。

1段目谷筋パーツ取付台座1x4材をトンネル干渉を避けて接着します。 何しろ資材置場設置しても使い切れない不要1x4材があるので材料に事欠きません(笑)

谷筋パーツ製作用型紙をKATO両渡り線台紙から作りました、岩稜下部より3mm内側サイズで、岩稜パーツが嵌るスリット位置を不規則間隔にケガいてあります。
パーツ素材は当社標準0.8t板紙、商品名板目表紙です。
型紙を使って形状切り出しスリット追加します。
谷筋をこれも不規則にV字型に切り込みます、後で追加も可能です。

台座1x4材に1段目谷筋パーツをボンド接着します。
2段目台座を接着、不要材なので惜し気もなく使えます。
2段目は1段目の5mm内側、型紙を5mm小さくした谷筋パーツです。
台座にボンド接着して2段目完成です。

段丘が高く後退するに従い県道トンネルとのクリアランスが少なくなります。 設計図面から県道トンネル位置/角度を基台上に転記する事にしました。

手前Xが県道基準点奥が入口、3番目が可能ならもう少し下げたい位置マーク、下げると背景板と干渉すると解り、背景板/背景画右方向を15mm切除しました。

県道トンネル前後位置自由度確保して3段目台座を貼り、更に5mm後退させた3段目谷筋パーツを接着しました。

谷筋パーツを切り出した板紙残りで岩稜パーツを作ります、各段スリット位置と後退寸法目安をケガいてあります。
背の低い奥側岩稜パーツ2枚切り出し完了。
終端面岩稜パーツと一緒に取り付け、谷筋パーツ交点をボンド接着します。
単調作業の繰り返し、やっと半分岩稜パーツ7枚取り付けました、岩稜パーツ6枚目から谷筋パーツ4段になります。

ここから先は県道トンネルクリアランスが少なくなるので、台座も谷筋パーツも現物合わせの製作です。 ここで県道トンネル照明給電用φ10穴をベースと基台に空けました。

再び単調作業で谷筋パーツと岩稜パーツ組立完了、ビル廃墟の様です。
定位置に置き県道トンネルをセットしました、段丘がこの高さならトンネルがあって不自然でないと思います。
左端川下側に背板を付けました、右端には背板取付用1x4端材を接着しました。
残り部分にトンネル逃げを付けた背板を接着します、背板も0.8t板紙です。

正面から見るとこの状態、背板が製作風景と背景画の境界になります。 奥の小さい背板は接着面に合わせ上部をカットしました。

トンネル干渉しないベース端に端材で谷筋パーツ4段目と同じ高さの柱を立てます。
この柱を使いユニット天井になる板紙を貼ります、4段目台座には天井貼りスペースを残してあり、天井は4ヶ所接着で水平になってます。
ベース切り出し余材を使い段丘上地形の稜線パーツを取り付けます、河岸段丘上は隆起前の谷底平野なのでなだらかな地形です。
梱包用布テープを稜線パーツ間に張ったり弛ませたりして掛け渡し、地表面を作ります。 今回製作エリア背板余分をカットしました、奥から手前に高くなる地形です。

【製作中のループ線トンネル山】
これは従来線製作採用方式で、この上にプラスタークロスを被せて固め地表製作します、地形製作準備が整いました。


ではまた。

我道を往くレイアウト製作

延伸線建設決定から3年半、いよいよ製作着手です。 皆さんはレイアウト製作をどの様な順番で進められたでしょうか?、恐らく当社従来線と同じだと思います。

【線路敷設中の生野駅】・・・2013年春撮影(以下同)
基台が木製かスタイロフォームかレイアウトベースかに係らず最初は線路敷設、主要目的が運転なので当然です。 風景製作重視の当社は事前検討を綿密に行い、基台高を風景に合わせて450mm/400mm及び峡谷底の3種にした点が異なるだけです。

【線路敷設完了試運転中の生野駅】
線路敷設の次は試運転、ギャップが正しくショートしないか、敷設が正確で脱線事故発生個所はないか、速度段差があり補助フィーダー必要かなどの確認です。 なおKATO複線レールがコンクリート道床とは知らず、レール/道床塗装で色合わせしました。

【駅構内施設配置後の生野駅】
そして駅舎・ホーム・跨線橋・機関庫・詰所など鉄道関連施設を配置します。 レイアウトらしくなり気分は半分完成、十分運転を楽しめます。

【同上点灯試験中】
ストラクチャに照明組み込んであれば点灯試験です。 筆者もこの状態でD51の牽く夜行列車を周回させ、長年の夢が実現した感慨に浸りました。 当社はストラクチャ8割完成後着工で直ぐに街並製作しましたが、一般的には後刻順次追加だと思います。

【線路を隠す作業】・・・ダブルループ線トンネル
線路密度が格段に低い当社トンネルは3ヶ所、トンネルポータル位置決め設置、山を作って線路を隠す作業が次になるのではないでしょうか?。 見えては困る物が見えなくなるだけで、またグッとレイアウトらしくなります。

【峡谷鉄橋敷設中】
どうしても製作したかった峡谷も線路敷設と背景板設置が先、両基台から9mmコンパネ張出して橋脚立て、台枠下にもコンパネ張って谷底にする構造です。

【峡谷製作準備完了】
線路敷設完了、背景画設置状態からの峡谷製作は鉄橋が邪魔し、奥から作業できず難工事になりました。 この順番での風景製作は制約が多く、線路都合に合わせた風景や、ともすれば空きスペース埋めのストラクチャ配置になりかねません。 延伸線はこの反省に基づき、違う順番で製作します、つまり線路が先ではありません。

北基台東北コーナーから製作します、右に東基台があり居住スペースから距離70cm、手前にカーブ鉄橋敷設したら従来線峡谷の二の舞になります。

この場所は河岸段丘沿いに川が流れ下り、段丘内を県道トンネルが通り抜ける風景です、延伸線風景製作トップバッターは段丘崖風景パーツです。

河岸段丘は隆起と浸食により形成される全国各地に見られる地形で、首都圏にお住まいの方は東急東横線/田園都市線間多摩川北岸が馴染み深いと思います。 多摩川の例は高さ20-25mで植物に覆われてますが、今回製作するのは少し違います。

これは国道20号線沿いに続く釜無川河岸段丘のスナップ、40-50mで切り立ってます。 もちろん高さはグッと抑えて岩がゴツゴツした雰囲気優先です(笑) 従来線峡谷製作法をベースに改良した工法を採用します。

従来線峡谷は左右各10本ほどの0.8t板紙製岩稜パーツを並べて固定し、プラスタークロスを被せて製作しました。 鉄橋が邪魔で出たとこ一発勝負、プラスタークロスの置き方と自重で谷筋の深さが決まりました。

深い浸食谷なので結果オーライでしたが、河岸段丘はもう少し穏やかで、谷筋地形も意図して作りたいと考えてます。

もう一つの改善点がプラスタークロスの網目、様々な方法で目立たなくする手を加えましたが非常に厄介、切り立った岩表現に適した素材ですが要対策です。 本番製作前に構造検討試作を行いました。

段ボールから岩稜を5枚切り出しました、従来線峡谷と同じです。
5枚は少しづつ小さくなってます、奥を低くして遠近感を出す目的です。
同じ高さに15mmのスリットを切り込み岩稜パーツ出来上がりです。
役目終了の背景画型紙を谷筋パーツに流用、スリットを入れます。

現物合わせでスリットを深くし、谷筋パーツを4枚作ります。

これを組み合わせて余分を切るとこんな形になり、谷筋切り込んでプラスタークロス被せれば河岸段丘骨格として使える見込みが立ちました。 この試作検討で先に谷筋パーツを固定し、後で岩稜パーツ取り付ける方が作業性が良いと解りました。

谷筋を凹型に切り落とし設置場所で雰囲気確認です、ウンウンこれは行けそうだぞ、網目問題はプラスタークロスの上にボンド水に浸けた新聞紙貼り重ねで対策予定です。


スタイロフォーム重ねて削れば簡単?、いえいえ筆者には無理、頭の中に3D完成形イメージを持ち素材から削り出せる木彫スキルのある人しかできません。 筆者は彫刻スキルがなく粘土コテコテ盛り上げタイプ、それにトンネル内蔵にもコレしかありません。


ではまた。