Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

半世紀前のTMS 1963年5月号

諏訪に暮らして35年目、夏場の都会の暑さにメッキリ弱くなりましたが、と言って寒さに強くなる事はなく(笑)工作を思う様に進められません。 そこで今回は雑誌著作権50年を経過したTMS1963年5月号から紹介します。

表紙は前年の名古屋コンクールでTMS特別賞を受賞した私鉄風の電車駅です。

表紙裏が天賞堂広告指定席でした、国鉄機関車3形式が並んでいます。 EB10-2千円、DF50-5千円は当時の常識範囲ですが、EF30は電機として超高価でした。 大卒初任給が約2万円、現在の1/10の時代です、いかに高価か理解いただけると思います。

プロトピックス新型車紹介に翌年から山手線に投入された103系が載っています。 それまでの山手線カナリア色101系は総武緩行へ転出し、ウグイス色が山手線シンボルカラーとなり今日に至ってます。 その103系も昨年最後の職場関西から姿を消しました。


実に50年以上活躍した訳で、国鉄時代の修理して長く使う設計思想が反映してます。 JR化後は軽量・コスト優先、短寿命を許容する効率優先設計思想に転換しましたので、今後半世紀活躍する鉄道車両は現れないと思います。

表紙作品巻頭グラフです、モジュールレイアウトという言葉も概念もない時代です。 『レイアウトの一部を独立させたシナリーセクション』とある様に目新しい存在でした。

本文記事の設計図です。 16番800x400サイズはN換算で427x213、点景とも言える鉄道のある風景で、後の観賞用モジュールレイアウトの先駆け的な存在です。

架線こそ張ってませんが、地方私鉄駅の雰囲気が良く再現されています。

筆者が知る限り分割組立式の先例はあっても、モジュールはTMS誌初出でした。

風景重視レイアウト建設中の現在は製作者に共感を覚えますが、当時筆者は運転重視派、運転を目的にしないレイアウトが理解できなかった記憶があります。

レイアウト観賞は低目線に限ると感じさせる画像です。

特集記事はポイント調整、脱線が悩みの種は今も昔も変わりません。 当時レイアウト用にS社プラ枕木フレキとポイントが急速に普及していました、しかし品質が安定せず脱線対策に苦労されたレイアウト製作者が寄稿した記事です。

製品選択では「フログ精度」「トング密着」「ガードレール高さ」をチェックポイントに挙げています。 その他細かな調整や注意事項について解説されています。

割り込み脱線対策の裏技とも言えるレール加工やハンダ盛り技法も紹介されてます。

製品紹介ページには表紙裏の高価な天賞堂EF30が載っています。 『天賞堂製品の中でも最高であり、現在の市販模型電機の中で群を抜いた出来栄え』と絶賛してます。

ロストワックス製パーツ多用も高価格の要因だったと思われます。 関門海峡専用機なら20系ブルトレ~貨物まで何を牽かせても似合うという形式選定だった様です。

同号に鉄道模型社改良新製品クハ153とモハ152が掲載されています、筆者が所有してた懐かしい模型です。 クハが¥1,900、モハ(M)が¥3,000だったと記憶してます。

陸蒸気からこだままで、上段は占領下日本に米軍が持ち込んだディーゼル機、後の国鉄DD12です。 下段はC61が牽くスハ42系列車、1966年夏の研究旅行で乗車した夜行急行青森⇒盛岡牽引機がC61でした。

裏表紙指定席カツミ新製品はワキ1000急行貨物用有蓋貨車、押し寄せる輸送革命に抵抗した国鉄一般貨物輸送のあだ花の様な車両です。


ではまた。

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