Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

1965年秋各地の運転会

同号のフォトトピックスで紹介された前年秋各地の運転会の様子です。

【TMS1966年1月号表紙】


◆交通博物館
万ぜ橋時代の交通博物館で開催された運転会の様子です。 交通博は会場を提供しただけで鉄道友の会を始め様々なグループの参加イベントです。

【TRCレイアウト】
多数のクラブが集まり、自作車輛を含めた様々な車両走行する場ですから鉄道模型マニアには堪りません、大盛況だった様です。

【日本新旧鉄道レイアウト】
このクラブは13mmと10.5mmナローのクラブです。 1067mm軌間を16.5mmでなく13mmにこだわるなら、762mm軌間ナローは10.5mmでなく9mmなのですが、ご本人達が納得してるなら外野からとやかく言うべきではありません。 手前小型客車がナローの様です。

【10.5mmナロー蒸機】
16番や13mmの発煙装置付き蒸機は珍しくありませんでした。 ナローと言ってもスケールは1/80、技術的困難さは低かったと思います。 発煙装置はギャップ先の先輪集電で、停車中に発煙してます。 製作経験者として多分5分毎に燃料補給が必要だったと思います。

【日本新旧鉄道レイアウト】
学生服の若い会員が10.5mmナローラインで作業してます。 どうやらポイントの調子が悪い様です、市販ポイントはなくレールを加工しスパイクしたのだから無理もありません。 この様な雑務は経済力のない学生会員の役回りではなかったかと思われます。

【ムサシノホビークラブレイアウト】
16番の本格的組立式レイアウトです。 制御盤で線路配置が解ります、終端線もある中央駅から複線エンドレス、内1本は8の字で立体交差し長距離ランを楽しめます。 リバース線が1方向にありデュアルキャブコントロールで2列車同時運転に必要十分な線形です。

【NJRレイアウト】
こちらはOゲージです、当時のOゲージの位置付けは現在の16番に近いか更に少数派でした。 ザッと16番の倍、10両編成が5mになりますから広大な会場でないと走行機会が得らられなかったと思います。

【NJRレイアウト】
サイズが大きければ工作が楽とは限りません、重量は体積に比例、体積は長さの三乗ですから、この複線跳ね上げ橋の重量は2-3kgに達し、支持構造設計はNと全く別次元です。

【9mmゲージ同好会】
来場者には、この会場で始めてN車両/Nレイアウトを見た人が大半を占めたのではないかと思います。 『これならレイアウト作れる』『これじゃ車両加工できない』、反応は様々だったのではないでしょうか。

【9mmゲージ同好会】
市販N車両はC50とオハ31系だけの時代です。 16番よりレイアウト製作に向くスケールとしてTTゲージ1/120が提案されるも発展の兆しは見えませんでした。 Nはまだ可能性を期待されながらも次世代のホープの認知に至らず、滑走路滑走中の状態だったと思います。


◆慶應義塾高校文化祭
TMS77号、この号の10年強前に発表されたレイアウトが改良を受けながら受け継がれ文化祭に出展されてます。

高校や大学の文化祭に出展されるレイアウトは組立式と相場が決まってたのですが、これはシナリー付きの本格レイアウトです。 記載のないサイズは推定1600x3600mmです。

工作室付属複線機関庫、給水タンク、右下に見えてるホーム上屋、全て手作りです、当時はこの様なストラクチャは市販されてませんでした。

ホーム有効長は20m車6連だと思います。 その確保の為に曲線の途中から駅構内分岐を始めなくてはならないのは当然の成り行きです。

鉄道研究会か同好会か存じませんが、この時点で10年以上引き継がれた16番初代レイアウトは更に何年か存続し、どこかの時点で二代目Nレイアウトに更新されたのでしょうね。


◆東京都立大学付属高校文化祭
この学校は公立高校です、機研(機械技術研究会)がモーターバイクの分解展示と共に16番の運転会を開催したそうです。

ポイントマシン設置の駅ユニットを中心にした運転会で、組立式レイアウトの域には達してなかった様です。 何度も申しますが公立高校生徒の家庭で、クラブ活動に数万円支出するのは難しい時代背景でした。

ご覧の様に教室の木製机を並べて、道床付きレールを持ち寄って敷設した俄かレイアウトの様子が解ります、慶應義塾高校とは段違いです。

そんな中で目を引いたのが中央制御盤、機械技術研究会なのでこの制御盤がメイン出展品でレイアウトはそのデモ用だったのかもしれません。


◆ほくりく鉄道模型クラブレイアウト
金沢近郊在住の鉄道模型ファンが結成したクラブの組立式レイアウトで高架部分が完成し、1965.11.07に開催された開通式の様子です。

中央がTMS誌上に度々登場し、このクラブの設立発起人になったA氏の様で、会員数15名前後と思われます。

こちらが未完成部分を含めた全景、組立式レイアウトではR900使用例が多いのですが、手前の150度カーブはR600またはR650と見られ、10両編成の先端と後尾が反対向きです。 クラブレイアウトとしては小振りで、会場スペースや予算削減の結果かもしれません。

C56の牽く開通記念列車がテープカットして処女運行したそうです。


以上見てきた様に、クラブ組立式レイアウトとして見て楽しむには16番が一番適してると思います。 JAMを2回訪問しましたが、大会場出展で楽しめるのは13mmとHO(12mm)で、Nは物足りないと感じました。


ではまた。

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