Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

珍しい英国型TTゲージレイアウト

TMS史上初のTTゲージレイアウトが1966年3月号に紹介されてます。

【TMS1966年3月号表紙】
紹介記事掲載号表紙にこのレイアウト写真が使われてます。

紹介文にある様にレイアウト作者はTMS誌上に16番レイアウトを製作発表され、特集シリーズ『レイアウトサロン』に再録されたA氏です。

【レイアウトサロンより】
その前作がこちら、米国風のレイアウトでしたが、完成5年ほどで自宅の増改築により取り壊されてしまいました。

【レイアウトサロンより】
前作は定尺1.5枚の本体部に駅張出し部が付いた16番個人レイアウトの標準サイズでした。 レイアウトには麻薬の様な中毒性があるのは昔も今も変わらず、A氏は新レイアウトを計画しましたが用地は定尺1枚と前作の半分で、16番を諦めTTゲージを選択してます。

TTゲージ軌間は12mmですが地域によりスケール(縮尺)が異なり、世界標準は1フィートを2.5mmに縮小する1/120、車両が小型の英国のみ3mmスケールの1/101.5です。 A氏は英国型車両を揃えてるので1/101.5、16番からのスペースメリットが大きくありません。


ちなみに同じ12mm軌間を使う国鉄型1/87鉄道模型は3.5mmスケールのHOで、HOn31/2と表記する事ができます。 世界標準から見れば1067mm軌間はナローになるのです。

日本独自の16番をスケール表示すると3.81mmスケールです。 英国型TTは3mmスケールなのでスペース効率は1.61倍、前作の半分のスペースなので線路配置は複線エンドレスに双方向渡線と引込線に留めてます。

着工があと2-3年遅ければスペース効率3.5倍のNを選択されたと思うのですが、タイミングが悪かったとしか言い様がありません。 今後TTゲージレイアウトや車両製作記がTMSに発表される事を期待すると書かれてますが、その期待が叶う事はなかったと思います。

前作は地形起伏製作し易いオーブンチップ基台でしたが、このレイアウトは9mmコンパネのフラットトップです。 海外ではこの様なレイアウト基台が市販されており、国内にもあればレイアウト製作の敷居が下がると書かれてますが、現在のNでは市販されてます。

当時は車両へのこだわりが少ないマニアは外国型レイアウトを製作する方が現在より多く居ました。 経済的負担ができれば車両だけでなくストラクチャ類の市販品が揃っておりレイアウト製作が容易だったからです。

複線エンドレス右半分をトンネルで隠し高台の住宅街にしてます。 当時の英国ではTTゲージの線路や車両に加え、1/101.5サイズのストラクチャ市販品が多くあったと解ります。

前写真拡大すると9mmコンパネ基台の台枠として使った5寸板(150mm幅)の材木店焼印がそのまま残っており、旧レイアウトから移設した制御盤固定のL字金具も手作り感満点で、非常に好ましく感じます。

海外の客車は25m前後でTTゲージでも16番国鉄客車と同じ長さです。  この事からもレイアウト製作には中途半端なスケールです。 写真左端の機関庫に見えるストラクチャは、今後このコーナーに機関庫設置する布石なのか、あるいは必要そうなストラクチャを一括手配したももの、設置場所手当てが付かず仮置きなのか、どうも後者の様に見えます。

在籍車両は英国製4-6-2テンダーロコ2両(上写真、内1両は毛細管式発煙装置付き)、2-6-2タンクロコ1両、客車8両、貨車15両と書かれてます。 現地知人を通じて入手したそうですが、気になるのはハウマッチ>です。

記事を読むとその他に冷戦下鉄のカーテンの彼方、東ドイツ製2-6-2テンダーロコ1両と客貨車20両所有とありますが、1/101.5か1/120かの記載はありません。 この写真手前に写ってるのが東ドイツ製の車両です。 なお道路を走るバスやトラックも現地調達市販品です。

TMS評にある通り中央の広い通りがこのレイアウトの風景ポイントになってます。 前作にあったリバース線を諦めた事で、線路だらけのゴチャゴチャ風景にならずに済んでます。 またフラットトップでも、平坦部に石膏を盛って風景に変化を与えてるのが効果的です。


昔のレイアウト製作記を読むと、何と恵まれた環境に暮らしてるのだろうと、言い換えると時間と多少の余裕ができてレイアウト製作を思い立ったのが現在で良かったとつくづく思います。 半世紀前に比べたら自作の必要性は数十分の一、費用は1/3~1/5です。


[お知らせ]
明日6月9日から14日まで東北地方日本海側への旅に出ます、ブログは予約投稿してます。 旅の様子は帰宅してから改めてと言う事で。


ではまた。

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