Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

植樹と風景改修-3

最高気温が7-8度の温かい日を選んで作業しています。

いよいよスイッチバック信号所両渡り線裏の風景改修作業です。

植樹に先立ち、樹高35-40mmの小型標準木を、更に5本追加生産しました。

植樹位置の検討です、まず7溝小、緑色を野立看板視界を遮らない左側、土手下段に仮止めし様子を見ます、植樹時は幹が約15mm短くなるので、良さそうな位置と高さです。 

次に7溝小、明緑色を3本針葉樹の左側、土手上段に仮置きしてみます、樹高はイメージ通り、背景画の継ぎ目隠しを兼ねているので、この位置で決定です。

改修した針葉樹をその少し左側、土手中段に配置すると色・バランス共に良さそうです。

ここで仮置き樹木3本を取り外し、下草製作を先に行います。 これまでの風景紹介でお気付きと思いますが、築堤・土手等にレイアウトマットを多用しています。 ループ線と峡谷は、プラスタークロス⇒下地処理⇒地面⇒草⇒植樹の一般工法ですが、他はプラスタークロス又は骨組・新聞紙・粘着テープ⇒レイアウトマット⇒土・草⇒植樹の工法です。

手間をかけて隠すより、草状マットの上に土を載せる逆の発想で省力化を図っています。

右側の3本針葉樹足元です。(ピンボケでスミマセン) 線路脇には下草・野花・茂みがありますが、土手斜面はほぼレイアウトマットのままです。 植樹効果を上げる為にも、通常は草刈りされないこの様な場所に、草を生い茂げらせて足元を引き締めます。

両渡り線ポイントスイッチ部を、マスキングテープでカバーしてから作業開始です。

傾斜地レイアウトマット上は、素材配置⇒ボンド水溶液の通常工法が使えません。 ボンド容器を押し、先端を打ちつけて薄く塗布します、面積の7-8割が白くなればOKです。 最初に木の根元にコーヒー滓をサラッと撒きます、土の表現です。 次にKATOコースターフ枯草色・明緑色を、ボンド水溶液でもんじゃ焼き具材状態にし、ピンセットで摘まんで草を生やす場所に置き、指先でそっと押し広げます。 写真右から4ヶ所交互に置きました。 一番左側はフォーリッジ緑色の滓をそのまま撒いて、軽く押さえてあります。

3回に別けて施工完了、野立看板付近や土手下部などに草を生やします。

植樹で隠れる土手上部は様子を見てから行う事にし、乾燥させます。

完全乾燥後にクリーナーで余分な土と草を吸い取った状態です、適度にモジャモジャした形状になります。 明緑色コースターフは乾燥して風景に溶け込みましたが、枯草色は明るく浮いてしまいますので、風景に馴染ませて枯草らしくする後加工を行います。

枯草色コースターフにフラットアース水溶液を浸み込ませ、その後フラットアースを筆先で部分塗りし乾燥させます、色調トーンが下がり、風景に馴染んでくれます。 左側フォーリッジ滓を撒いた部分は、ご覧の様に背丈の低い草がまばらに生えた状態になります。

枯草加工の後、配置検討した大型樹木3本を植樹した状態です、左側7溝小は仮配置より15mm低い位置まで植え込んであります。 植樹時に根元にコーヒー滓・フォーリッジ滓を撒いてお化粧しています。 今回はここまでとし、野立看板奥は別途紹介します。


ではまた。

植樹と風景改修-2

少し間が空きましたが、残り2本の「広葉樹もどき」植樹に伴う風景改修です。

植樹予定地は前回植樹地の信号所建屋側、両渡り線裏の土手です。 ドーナツ型敷地の制約上、風景製作は奥から手前が原則で、一番奥のここは最初に製作した場所になります。

勘どころが解らず、早く手前を形にしたい一心で、結果的に手抜きになっていました。

背景の山に比較して植生が乏しく、稜線が見え過ぎるのも不満でした。

最初に、前回伐採した針葉樹にフォーリッジを追加し、脇役程度は務まる形にしました。

広葉樹もどき7溝小2本は、下の枝を水平に、3時9時を2時半9時半にという具合に、枝の間に若干すき間ができるよう樹形調整しました。 今回の植樹面積は前回の倍近く、フォーリッジクラスター塊を併用しても3本では足りません。 そこで「露太本線標準木」を5本増産しました。 標準木とはどんな物か、植樹済み例をご覧ください。

北町踏切脇の標準木は針葉樹タイプで、葉はKATOフォーリッジ緑色です。

中山平よろずや脇の標準木は針葉樹にも広葉樹にも見える汎用タイプ、葉はフォーリッジ明緑色です。 共に樹高55-60mmで実寸換算8-9m、決して小さい樹木ではありません。

自作樹木の半数強が標準木です、簡単に製作過程を紹介します。

樹木製作用スタンドに爪楊枝を5本立て、くびれ部分から上をマホガニーで塗装します、小型樹木は幹面処理を省略しています。 スタンドにはヤキトリ串用とは別に爪楊枝用小径穴を空けてあります。 今回使用するのはKATO明緑色、汎用タイプを製作します。

フォーリッジを開封して広げます、約200x300mmのサイズです。 ポロポロと滓がたくさん出ますので、大きな紙の上で作業します。(写真は不要カレンダーを使っています)

目が詰った部分を中心に15x15mm程度の座布団を約35枚切り出しました。 左側は作業中に出た滓を集めた物で、貴重な植物素材として別の用途に使います。 フォーリッジ袋は小さいので、開封後は20cm角ほどの緩衝袋(通称プチプチ袋)に保管しています。

大き目の座布団中心を爪楊枝に、下側12-15mm程度の位置まで差し、瞬間接着剤を1滴垂らして仮固着します。 写真の様に、接着前でもフリクションで止まっています。

2枚目の座布団は、1枚目と頂点をずらし、約45度の角度で抵抗を感じる位置まで差し、瞬着を1滴。 以下、爪楊枝先端が3mmほど出るまでずらし積み重ねを繰り返します。 今回は7枚でこの状態が3本、8枚が2本でした。 緑色又は暗緑色を使い、積み重ね間隔を少し広め、サイズを徐々に小さくすると針葉樹タイプになります。

次に座布団をコーン状に指先で丸め、爪楊枝先端に瞬着2滴を差してキャップすれば樹木の形ができ上がります。 最後は後加工です、中性洗剤水溶液を多めに吹き掛け、ボンド水溶液をスポイトに入れ、1本につき4-5ヶ所からごく少量浸みこませます。 スタンドから外し、根元から枝先側へそっと押さえ付けボンド水溶液を行き渡らせます、しごかずにそっとです。 その後スタンドで完全乾燥させれば完成です。

完成状態です。 後加工によりフワフワはゴワゴワになり、フォーリッジ滓がパラパラ落ちなくなります。 ボンド水溶液を行き渡らせた時にペタッとした樹形は、乾燥過程で適度に開き、積み重ね感も改善されて、自然な樹形になります。 今回は実施していませんが,フラットアースを浸み込ませる色付け手法も可能です。


一向に植樹と風景改修らしくならず、露太本線標準木製作記になってしまいました。

配置検討の為、少々時間が必要ですので、植樹作業は次回にさせていただきます。


ではまた

田園風景-5 段々水田

田園風景続編です。 小川堤防角を曲がり、籾蔵の前を通って農道を登って行きます。

籾倉の隣は、石垣を組んだ一段高い敷地にわら小屋(農機小屋B資材置き場)が建っています。 この時期は、収穫が終った稲わらが満載されています。 田畑の肥料・家畜の飼料・冬野菜の霜よけ・農具・正月飾りなどなど、稲わらの用途は限りがありません。

小屋脇には鍵が掛かる農機具置場として、廃車された軽バンが置いてあります。

小屋の農道側に、わらを満載した付属の荷車と、冬支度に活躍中のトラクター(農機小屋A付属品)を配置しました。 青色背景を設置し、水田から撮影したカメラ限定アングルです。 配置後の軽バンを見るのは筆者も初めてです、それにしてもボロボロです。

小川から3番目の水田も長方形で、2番目より8mm高い位置にあります。 わらの運搬や細断の際、重い機械や車両が走り回った様子で、水田面がかなり荒れています。

稲株が踏みつぶされて一部歯抜けになり、ワダチ跡に水溜りがいくつもできています。 踏切脇水田と同じ技法、カットしてグロスポリマーメディウム重ね塗りで制作しました。

4番目の水田は平行四辺形で3番目より13mm高く、5番目の水田は5角形で更に8mm高い位置です、共にわらぼっちを細断し鋤き込まれる前の状態です。 2枚の水田の畔は、奥は築堤下の藪により、手前は用水路との位置関係で角度が違います。 農道は4番目水田の法面に沿って緩く弧を描き、右側は傾斜地の畑になっています。 収穫が終った仕舞い畑で、整地し稲わらを塚にした状態です。 右下に見えるのがレイアウト基台端面です。

水田脇のちょっとしたスペースに、はざ棒置場を自作しました。 はざ棒と柱は1mmプラ丸棒、トタン屋根はジオコレ箱の爪部分を裏返し、折り目を棟にして使っています。 今も昔も田畑のかたわらには、実に多くの■■小屋や▲▲置場が点在しています。

農道が向きを変える場所のアップです。 用水路が分岐して農道を横切り、反対側の水田に給水します、コンクリート渡し板4枚で、車1台分の幅員を確保していますが、夜間走行は脱輪しそうです。 用水路分岐の少し上に、右上水田の排水パイプが出ています。 急傾斜地なので水門はなく、水量調整は用水路内に土のうを置いて行われます。

迂回用水路は、高低差5mmの2枚の水田を潤した後、農道下を潜って元の用水路へ合流しています。 わら小屋と2枚の水田手前側はレイアウトの端面です。

7枚の水田と畑を一望するカメラ限定アングルです。 小川に向けた傾斜地に用水路を通して水田を拓き、堤を築いて鉄道が敷設された想定です。 タイトルの「段々水田」は造語ですが、意味がお解りいただけると思います。 小川の底から農道・畑の上まで、基台高低差50mmを使い切って、イメージに合う風景製作をしました。

お約束の夕景です。


ではまた。