Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

制御の基本と応用技法 その8

論理設計が一段落したので電源の話に移ります。 本シリーズ序章、湖南総合運転所制御スーパーバイザー就任に、②リバース線一方通行:「がおう☆」さんは運転を楽にするキモをご存知でした、これで湖南電源ディレクションスイッチは1個に決まりました。』と書きましたが理由を省きました、その件とリバース線制御技法の解説です。

【築堤を行く】
なお、「がおう☆」さんは今回の内容を良く理解されており、仕様解説並びにリバース線運転制御の基本と応用技法データベースとしてまとめました。


第六章:電源2出力ディレクションスイッチ1個
6-1.何故ディレクションスイッチ2個?
高級市販電源にはディレクションスイッチが2個付いてます。 でも個別に速度調整可能な2CHではなく1CH、出力が2系統のリバース線運転用です。

TOMIXならコレ、KATOには筆者所有のハイパーDとその後継機ハイパーDXがありましたが、調べたらカタログ落ち、スタンダードSX発売後に生産中止された様です。

TOMIXは上記電源発売前に「リバーススイッチボックスN」をラインナップしてます。 電気が苦手な小学生でもマニュアル通り接続すればリバース線運転ができるスグレ物で、ポイント切替とフィーダー極性反転を同時に行う機能です

しかしこの電源仕様にはディレクションスイッチ2系統がリバース運転用と何処にも書いてありません。 『リバース運転用走行出力2系統』または『本製品はリバーススイッチボックスNを使用せずリバース運転可能です』と説明すべきです。 筆者はTOMIXの顧客視点欠如に問題ありと考えており、実際にこの電源所有しながら、製品仕様説明不足により「リバーススイッチボックスN」を購入(無駄な物買わされた)知人が居ます。


6-2.リバース線運転制御の基本
一方で誰でも簡単に鉄道模型を楽しめる様にしたTOMIXの功績は大きく、お陰で半世紀前の鉄道模型マニアなら誰でも知ってた事が拙ブログのネタになります(笑) ではディレクションスイッチ2個装備した電源によるリバース線制御を解説します。

エンドレスとリバース線の線形です、フィーダー各1ヶ所、個別ディレクションスイッチから給電します。 図の状態でレールが同極性のP1からリバース線に進入可能ですが、逆極性のP2から進入するとG3で車輪がショート、保護回路が動作し停止します。

P2から進入したい場合はリバース線フィーダーF2極性をDS2で反転させます。 するとP2から同極性で進入可能、P1から逆極性で進入不可に変わります。

次のエンドレス周回でP2を切り替え(図面切り替わってません・・・汗)リバース線に進入しました。 リバース線走行中にやる事があります、P1の切替も必要ですが、それだけではG2逆極性で車輪がショートするので本線フィーダーの極性反転が必要です。

列車最後尾がG3を通過したら本線フィーダーF1極性をDS1で反転させると、G2同極性でP1から本線脱出可能になり、本線を逆周りに周回します。 ディレクションスイッチ2個装備電源は以上のリバース線制御が目的で、補助電源出力でも飾りでもありません。

本線用/リバース線用のディレクションスイッチ役割を整理するとこの様になります。 リバース線用は進入と走行の方向を決めるだけなので、一方通行なら不要です。


6-3.湖南電源の出力仕様
湖南総合運転所にはリバース線が二つありますが共に一方通行です。 正確にはデルタ線も変形リバース線なので3ヶ所ですが、デルタ線制御は別項にします。

【第1本線リバース線】
湖南総合運転所基本運転パターンは、中央駅/第2本線外周りから本線連絡線で第1本線外周りへ、リバース線で方向転換し第1本線内回り、再び本線連絡線から第2本線内周り/中央駅へです。 従ってリバース線は第1本線外周り⇒内周りの一方通行です。

【支線リバース線】
支線基本運転パターンは、中央駅から支線連絡線へ、周回線/ローカル駅/リバース線方向転換し再び支線連絡線から中央駅に戻るです。 単線区間なのでリバース線には双方向から進入可能ですが、あえて一方通行にして運転操作簡略化を図っています。

リバース線走行にはフィーダー2ヶ所、つまり電源2系統出力が必要です。 リバース線一方通行なら、進行方向右レールプラス。左レールマイナス固定で極性反転不要、従って上図の様に電源2出力ディレクションスイッチ1個仕様になります。


運転操作としては列車がリバース線一方通行フィーダー給電区間に入ったら、双方向通行ディレクションスイッチを反転させ出口レールを同極性として脱出可能にします。


6-4.リバース線の長さが足りない!
限られたスペースに少しでも長編成を走らせたいのが人情という物、路線も長くしたいしとアレコレ悩むのは苦しくもあり楽しい作業です。 その結果、通過列屋長よりリバース線が短いなんて事が起こります、さてどうなる?どうする?

一見レール極性で進行方向が逆になるM車が通過すれば良い様に思えますが、そうは問屋が卸しません。 上図機関車がG2に接近しDS1を極性反転し脱出可能にした処です。 同時にG3が逆極性になっており、T車車輪でショートし保護回路動作・停止です。

ショート問題解決には、絶縁ジョイナー突き合わせ、枕木2本分程度の無電区間を設ける方法があります。 しかしDS1極性反転時にT車の室内灯/尾灯チラツキが出ますし製作も面倒なので、技法としての紹介に留めます。

この問題解決の古典があります、半世紀前のTMSに載ってました。 ギャップの切り方=電気区間分割を変える方法です。 本線2分割2フィーダー、リバース線は一方の支線の形になってます。 次の周回でP2からリバース線進入するケースで解説します。

リバース線はF2の給電区間なのでP2からそのまま進入できます、DS1でF1の極性反転するとG2同極性になりリバース線脱出可能、本線エンドレス左半分を逆行します。

そして列車最後尾がG2通過後にDS2でF2の極性反転するとG1同極性なり本線エンドレスを逆方向へ周回します。 この技法を採用すれば長編成列車運転が可能になります、今回はここまでにします。


ではまた。

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